おじさんのモテエピソードを漫画化✨
いいねとフォローしてね👍
金曜日の夕方、営業部のフロア。 定時のチャイムが鳴り、部下たちが「お疲れ様でした」と席を立ち始めるなか、村上哲也はひとり資料を眺めながら考えていた。 先週のことだ。入社4年目の部下、田所が昼休みに話しかけてきた。 田所:「部長、実は彼女できたんすよ」 村上:「ほう、どこで知り合ったんだ」 田所:「相席屋です。知ってます?」 村上:「……知らん」 田所:「男性は料金かかるんですけど、女性は基本無料で飲み食いできるんで、結構レベル高い子も来るんですよ。俺そこで今の彼女と知り合って」 村上(心の声):「(相席屋……)」 その話を聞いてから一週間、村上の頭の片隅にその単語がずっと居座っていた。 村上(心の声):「(44歳が行っていい場所なのか、そこは……)」 今日は金曜日。明日は休みだ。 村上(心の声):「(一回くらい、見てみるだけなら)」 村上は上着を手に取り静かに席を立った。 Scene 2|さくらの流儀 同じ金曜日の夕方、桐島さくらは鏡の前で軽くリップを直しながら呟いた。 さくら(心の声):「今日もいっぱい食べて飲もうっと」 さくらが相席屋に通い始めたのは半年ほど前のことだ。きっかけは友人の一言だった。「タダで飲み食いできるよ」 フリーランスという不安定な収入のなかで、週末のこの"作戦"は地味に家計を助けていた。もちろん素敵な人と出会えればそれはそれで嬉しい。 今夜も店に通されたさくらはドリンクを注文し枝豆をつまみながらメニューを眺めた。 さくら(心の声):「(カルパッチョと…あとピザも頼んじゃおうかな)」 そこへ最初の相手が席についた。 Scene 3|中田 亮、登場 中田亮:「やあ、よろしく。俺、中田っていいます。歳は29。IT系の仕事してて——」 さくら:「桐島です。よろしくお願いします」 中田亮:「桐島さん、仕事何やってんの?」 さくら:「Webデザインを少し…」 中田亮:「あー俺も実はちょっとデザインわかるんだよね。Canva使ったことあるし」 さくら(心の声):「(Canvaはみんな使えるよ)」 料理が運ばれてきた。さくらは笑顔でカルパッチョを口に運んだ。 中田亮:「俺さ、年収は大体——」 さくら(心の声):「(あ、年収来た。だいたいこの流れだ)」 トントンと会話(という名の中田の自己PR)が続き、気づけば制限時間が近づいていた。 中田亮:「よかったらこの後、別のお店でも行かない?俺いいとこ知ってるし」 さくら:「すみません今日はちょっと……」 中田亮:「そっかー、残念。じゃあLINEだけでも」 さくら:「それも大丈夫です。ありがとうございました」 中田はあからさまに肩を落とし席を立った。 さくら(心の声):「(ごちそうさまでした)」 Scene 4|村上、相席屋に立つ 一方その頃、駅前のビルの前で村上哲也はスマホの地図を見ながら立ち尽くしていた。 村上(心の声):「(……ここか)」 エレベーターで3階まで上がると若いスタッフが出迎えた。 スタッフ:「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」 村上:「あ、はい……」 スタッフ:「初めてのご来店ですか?」 村上:「そうです」 スタッフ:「では簡単にご説明しますね!男性は60分2,500円の料金をいただいております。ドリンクも込みです。15分ごとにお席の交代がありまして」 村上(心の声):「(なるほど……思ったよりシステマチックだ)」 スタッフ:「女性のお客様は飲食代無料でご利用いただいておりまして、本日ご案内できるお席がございます。よろしいですか?」 村上:「お願いします」 そして案内されたのは、ひとりで枝豆をつまんでいる女性の席だった。 Scene 5|出会い 村上:「失礼します……村上といいます。よろしくお願いします」 さくら(心の声):「(……あ)」 席についた男性を見て、さくらは一瞬だけ目を止めた。スーツ姿。背筋が伸びている。歳は四十代くらいだろうか。 さくら:「桐島です。よろしくお願いします」 村上:「若いですね。学生さんですか?」 さくら:「いえ、一応働いてます。Webの仕事を」 村上:「へえ。在宅で?」 さくら:「そうです。フリーで。村上さんは?」 村上:「会社員です。営業の仕事を……まあ管理職みたいなことをしています」 さくら(心の声):「(落ち着いてる……さっきの人と全然違う)」 さくら:「こういうお店、よく来るんですか?」 村上:「いや、今日が初めてで。部下に勧められて」 さくら:「部下……何歳ですか、村上さん」 村上:「44です。場違いですか」 さくら:「ぜんぜん、そんなことないですよ」 村上:「相席屋って、こういう感じなんですね。思ったより普通のお店で」 さくら:「最初はびっくりしますよね。でも意外と居心地いいですよ」 村上:「桐島さんはよく来るんですか?」 さくら:「……週末はちょくちょく」 さくら(心の声):「(タダ飯目的とは言えない雰囲気になってきた)」 村上:「一人で来るんですか?」 さくら:「はい。一人で来て、一人で帰るんです。基本的には」 さくら(心の声):「(基本的には、ね)」 Scene 6|タイムアップ スタッフが交代を告げにきた。 スタッフ:「お時間になりましたのでご移動をお願いします」 村上が「では」と立ち上がろうとしたその瞬間 さくら:「あの」 村上:「はい?」 さくら:「他のお店、行きませんか?」 村上(心の声):「(え)」 村上:「私が、ですか」 さくら:「村上さんが、です」 村上(心の声):「(え、ええ!?!?)」 外見は涼しいままだったが、内心では44年の人生で初めてに近い動揺が走っていた。 村上:「……よろしければ、ぜひ」 Scene 7|夜の街へ 店を出ると、夜風が少しだけひんやりしていた。 2人は並んで歩き出したが最初の数秒は沈黙だった。 村上:「どこ行きますか?」 さくら:「コンビニでお酒買って……2人でゆっくりできる場所がいいです」 村上(心の声):「(ゆっくりできる場所……それはつまり……)」 村上:「わかりました」 コンビニに入るとお酒とおつまみを選ぶ さくら:「村上さんは何が好きですか?」 村上:「ハイボールを……」 コンビニの自動ドアを出たところで村上はすっと先を歩き始めた。 さくら:「あ、どこ行くんですか」 村上:「……近くに、ホテルがあるので」 さくら(心の声):「(ちゃんとわかってる人だった)」 Scene 8|2人きりの部屋 ホテルの部屋に入ると、さくらはコートを脱いでソファに腰掛けた。村上もネクタイを少し緩めて隣に座った。 さくらがレモンサワーのプルタブを開ける。村上もハイボールのプルタブを開ける。 さくら:「乾杯ですね」 村上:「乾杯」 缶がコツンと触れ合った。 村上:「急に誘ってもらって……驚きました」 さくら:「私も自分でびっくりしました」 村上:「どうして、私を?」 さくらはレモンサワーを一口飲んでから少しだけ躊躇して、それから正直に答えることにした。 村上の方へ、ぐっと体を寄せる。 村上(心の声):「(え、急に近い)」 そのままさくらは村上の首元に顔を近づけ深くゆっくりと息を吸った。 さくら:「ずっとこの匂いが気になってました」 村上:「……」 さくら:「ハァ……いい匂い」 村上:「それで、誘ってくれたんですか?」 さくら:「はい」 沈黙が落ちた。 村上:「実はステラホワイトという練り香水で……今日初めてつけてきたんです」 さくら:「初めて!?」 村上:「Amazonで注文して、今日受け取ったばかりで。なんとなく来る前につけてみたんです」 Scene 9|缶チューハイと体温 それからも2人はソファでお酒を飲み続けた。 さくらは当たり前のように村上にもたれかかり、村上は当たり前のようにそれを受け止めた。 会話は不思議と途切れなかった。仕事のこと、週末の過ごし方、好きな食べ物、とりとめのない話を、ゆっくりとした時間の中で交わした。 2本目の缶を半分ほど飲んだところで、さくらがほうっと息を吐いた。 さくら:「酔っちゃったみたい」 村上:「大丈夫ですか?」 さくら:「ベッドで横になりたいです」 さくらの体を支えながらベッドのそばまでゆっくり歩く。さくらがベッドに横たわると村上は上掛けをかけてやろうとした。 そのとき、さくらが村上の腕をつかんだ。 村上:「?」 さくらは引っ張った。 さくら:「一緒に寝よ?」 村上:「……はい」 それから少しの間があって。 さくらの方から村上の唇にそっとキスをした。 そのまま2人は熱い夜を過ごした。 Scene 10|朝 朝になり村上は目を開けた。 天井を見つめながら、ゆっくりと昨夜のことを順番に思い出した。 そして横を向くと桐島さくらが、気持ち良さそうな顔をして眠っていた。 寝顔は昨夜より少しだけ子供っぽかった。 村上(心の声):「……ありがとう」 ステラホワイト買って良かったと心から思う村上であった #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr
(2026.05.17 01:45時点で取得) 0コメント 0投稿から8日2時間3分後(194時間)
(2026.05.17 01:45時点で取得) 0シェア 0投稿から8日2時間3分後(194時間)
(2026.05.17 01:45時点で取得) 1保存 1投稿から8日2時間3分後(194時間)
(2026.05.17 01:45時点で取得)
コメント