おじさんのモテエピソードを漫画化✨
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土曜日の午前10時。市立図書館。 開館と同時に入ってくる常連客の中に坂本誠二の姿があった。 毎週末、必ずここに来る。 特別な理由はない。 静かで本があって誰も話しかけてこない。 それだけで十分だった。 図書館の自動ドアをくぐりいつもの棚へと向かった。 Scene 2|1冊目 館内には数十人の利用客がいた。 本を読む人、ノートを広げて勉強している人、静かに眠っている老人。 誠二はいつものように文学コーナーの棚を眺めた。 背表紙を指でなぞりながら今日の1冊を選ぶ。 1冊選んで席に腰を下ろす。 誠二:(心の声)(さて) 本を開いた瞬間、外の喧騒が遠くなる。 これが好きだった。 2時間ほどで読み終え本を棚へ返しに向かった。 Scene 3|2冊目、そして異変 本棚の前に立ち2冊目を探す誠二。 背表紙を眺めながら右へ左へと視線を動かす。 ふと気づくと、すぐ隣に一人の女性が立っていた。 同じように本棚を眺めている。 黒縁眼鏡。落ち着いた服装。 誠二は特に意識せず2冊目を決めて席へ戻った。 本を開き読み始めて数分後のことだった。 館内の奥の方で人が動く気配がした。 誠二は無意識に視線を上げた。 一人の女性が荷物をまとめて席を立っていた。 さっき本棚の隣に立っていた女性だ。 女性はゆっくりとこちらへ向かって歩いてくる。 そして誠二の隣の席に、静かに座った。 誠二:(心の声)(……え) 誠二はさりげなく館内を見渡した。 空席は他にいくつもある。 誠二:(心の声)(あれ、さっきあっちに座ってた女性だよな) 誠二:(心の声)(他にも席空いてるのに、何でここに来たんだ) 女性は荷物を整え静かに本を開いた。 誠二を見ることもなくごく自然に読み始めている。 誠二:(心の声)(……気のせいか) 誠二も本に視線を戻した。 たださっきよりほんの少しだけ集中できなかった。 Scene 4|3冊目、手が触れる 2冊目を読み終え誠二は本棚へ返しに向かった。 3冊目を探しながら棚を眺めているとまた隣に気配がした。 誠二:(心の声)(……また来た) さきが誠二のすぐ隣に立っていた。 同じように本棚を眺めている。 誠二:(心の声)(次はこれにするか) 誠二が手を伸ばすとさきの手が同じ本に触れた。 誠二:「あっ、すみません」 さき:「こちらこそ、ごめんなさい」 二人の手が一瞬重なって離れた。 誠二:「よかったら先に読んでください。私は違うのを読むので」 さき:「いえいえ、それは申し訳ないです。私が後から取ろうとしたのでお先にどうぞ」 誠二:「気にしないでください。私は後で大丈夫ですよ」 さきは少し黙り込んだ。 一拍置いて息を飲む。 さき:「それでは……私、隣に座っているので、一緒に読みませんか?」 誠二:「……」 思考が、0.5秒止まった。 誠二:「……私は、それで構いませんよ」 さき:「ありがとうございます」 さきは静かに微笑んだ。 Scene 5|隣で読む 二人は席に戻り同じ本を並んで読み始めた。 言葉はほとんどない。 ページをめくる音だけが二人の間に存在していた。 誠二:(心の声)(この状況は一体なんだ) 誠二:(心の声)(何で若くて可愛い女の子が私の隣で一緒に本を読んでいるんだ) 誠二はふと思い出した。 先日、会社で部下に加齢臭の悩みを打ち明けた時のことだ。 部下:「部長、これ使ってみてください。清潔感があってすごく良い香りなのでオススメですよ」 誠二:「貰っていいのか?」 部下:「いいですよ!あとちょっとしか残ってないですけど(笑)」 貰った練り香水のステラホワイトを今朝、家を出る前に塗ってきたんだ 誠二:(心の声)(加齢臭の悩みを話したら練り香水を渡されるとは思わなかったが) 誠二:(心の声)(まさか……それのおかげか?) 信じがたかった。 しかし他に説明がつかなかった。 時々、隣からさきの視線を感じた。 誠二:(心の声)(……気のせいではない) 誠二は冷静を保ちながら本のページを追い続けた。 ただ内容はいつもの半分も頭に入らなかった。 Scene 6|図書館を出る 3冊目を読み終え誠二は席を立った。 誠二:「じゃ、返してきますね」 さき:「ありがとうございます」 本を棚に戻し席に戻ってくる。 誠二:「私はそろそろ帰りますね」 さき:「あっ……私ももう帰ります」 二人は荷物をまとめ並んで図書館を出た。 春の午後の光が二人を包んだ。 さき:「本を読むのが趣味なんですか?」 誠二:「はい。好きで、週末はいつも来ています」 さき:「そうなんですね。私も最近本を読むのにハマっていて…今日、初めてここに来たんです」 誠二:「そうでしたか」 さき:「私もこれからここに通ってみようかな」 さきは少し恥ずかしそうに視線を足元に落とした。 誠二:「そしたら、またいつかここで会えるかもしれないですね」 さき:「はい」 さきは顔を上げ誠二を見た。 さき:「その時は……また隣で一緒に読んでも良いですか?」 誠二:「構わないですよ」 さき:「やったー、嬉しいです」 さきはぱっと表情を明るくした。 さき:「ではまた、会えるのを楽しみにしています」 そう言ってさきは軽やかな足取りで去っていった。 誠二はその背中をしばらく見送っていた。 Epilogue|新しい楽しみ 帰宅後。誠二はソファに座りスマホを手に取った。 今日のことを静かに振り返る。 本棚での偶然。 隣に移動してきた女性。 一緒にページをめくった午後。 そして「また会えるの楽しみにしています」という言葉。 スマホを開き、Amazonの検索欄に打ち込む。 「ステラホワイト」 誠二:(心の声)(これからあそこで会う機会も増えるかもしれない) 誠二:(心の声)(新しく買っておくか) カートに入れて即注文。 誠二はスマホを置き天井を見上げた。 週末の図書館がずっと好きだった。 静かで本があって誰も話しかけてこない。 でも今日からもう一つ楽しみが増えた。 誠二:(心の声)(来週も、行くか) 口元に小さな笑みが浮かんでいた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr
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