戦後バラックの面影を 今に遺す佐賀市呉服町の中央マーケット 昭和27年の誕生から刻まれた ディープなアーケードの空気感は 一朝一夕では醸せない本物の時間そのものだ かつて祖父母が ここで魚屋を営んでいた僕にとって この場所の原風景には いつも『ぎょうざ屋』の香ばしい匂いがあった クリスタルキングの『蜃気楼』が似合いそうな 少し哀愁を帯びた雰囲気が漂う店内 ここで味わうべきは 注文を受けてから皮を伸ばす完全手作りの餃子 パリッと香ばしく焼かれた 厚めの皮を噛みちぎれば モチモチの食感と共にジューシーな旨味が溢れ出す 水餃子はツルリと喉を滑り 自家製餡の優しい甘みが身体に染み渡る ここには街の歴史を味わうという贅沢がある 70年以上守られた暖簾の向こう 熱々の餃子を頬張りに行く ここに来ればこのマーケットと 餃子の虜になるに違いないと断言できるのは 私が母のお腹の中にいる頃から 食べているくらい美味しいと確信して言えるからだ
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