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オジモテコミック

おじさんのモテエピソードを漫画化✨
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土曜日の朝。 坂田敏夫は今日も淡々と起き上がり淡々とコーヒーを飲んだ。 午後からの出社までまだ時間がある。 坂田:「……少し横になるか」 リビングのソファーに身を預けると秋の穏やかな日差しがカーテン越しに差し込んでいた。 瞼が重くなる。 そのまま、すぅっと意識が遠のいた。 どれくらい経っただろう。 リビングに忍び足でさくらが入ってくる。 後ろには友人のあかりとひなたがついてきた。 さくら:「ほら、見て。爆睡してる」 あかり:「え、ほんとだ。お父さんって感情ないって言ってたけど……ほんとに?」 さくら:「そう。パパってね、怒ったりしないんだよ。何しても」 ひなた:「そんな人いないでしょ(笑)。普通怒るじゃん」 さくら:「ほんとなんだって。じゃあ証明してあげる」 さくらはにやりと笑い、テーブルの上からマジックペンを手に取った。 三人は声を殺して笑いながら、眠る坂田の顔にペンを走らせた。 額には大きく「娘のさくら大好き♡」 頬には星とハートのマーク。 鼻の頭には小さな丸。 ひなた:「プッ…やばい、似合いすぎ(笑)」 あかり:「起きないの、ほんとに?」 さくら:「起きないよ。完璧に寝てるもん」 坂田は微動だにせず穏やかな寝顔のまま顔中に落書きを施されていた。 午後になり目覚めた坂田は時間ギリギリだったため急いで着替えて家を出た。 電車に乗り込むとなんとなく視線を感じる。 向かいの席のサラリーマンが口元を押さえてそっぽを向く。 隣に立っていたOLがスマートフォンをこちらに向けた気がした。 坂田:(……なんだろう。今日は人が多いのか) 特に気にすることなく坂田は吊り革を握って外の景色を眺めていた。 会社に到着すると廊下でばったり山崎に出くわした。 山崎:「坂田さん!おつかれっす……って、ちょ、ちょっと待ってください」 坂田:「ん?」 山崎:「坂田さん……その顔どうしたんすか?」 山崎は口を手で押さえ、肩を震わせている。 坂田:「顔?」 山崎:「鏡見てないんすか?めちゃくちゃ書いてありますよ!?」 坂田:「……書いてある?」 坂田はスマートフォンのカメラをインカメラに切り替えた。 画面に映ったのは——「さくら大好き♡」と書かれた自分の顔だった。 坂田:「……あぁ」 山崎:「あぁ、じゃないっすよ!(爆笑)これ娘さんにやられたんすか!?」 坂田:「たぶんそうだな」 山崎:「怒らないんすか!?」 坂田:「怒る気にならないな」 山崎:「坂田さんって……ほんとすごいっすね(笑)」 第三幕:帰宅報告 夜、家に帰るとさくらがリビングでスマートフォンをいじっていた。 坂田:「さくら、今日会社で笑われたぞ」 さくら:「え、マジで!?(笑)バレた?」 坂田:「山崎に会うまで気づかなかった。もうやめろよぉ〜」 さくら:「(笑)パパ、全然怒ってないじゃん」 坂田:「怒り方がわからないんだよな、俺」 さくら:「それがすごいんだって(笑)」 さくらはすぐにあかりとひなたにLINEで報告した。 さくら:「パパに落書きの件バレたけど、全然怒られなかった(笑)」 あかり:「え、ほんとに!?神じゃん!」 ひなた:「ていうか会社にそのまま行ったの!?やば(笑)」 さくら:「そう。山崎さんに指摘されるまで気づいてなかったって」 あかり:「ほらね、言ったでしょ。パパは何しても怒らないの」 ひなた:「優しすぎるでしょ。うちのお父さんなんてすぐ怒鳴るし最悪だよ」 あかり:「いいなぁ……さくらのお父さん」 第四幕:金曜日、友達が泊まりに来る日 それから数日後の金曜日。 坂田が会社を17時に終え18時に帰宅するとリビングから賑やかな声が聞こえてきた。 坂田:「ただいま」 さくら:「あ、パパおかえり」 リビングには見覚えのある顔が二つ。 あかりとひなたが少し緊張した様子で立ち上がった。 あかり:「あ、えっと……この前は顔に落書きしてしまって、ごめんなさい!」 坂田:「あぁ〜、全然気にしなくていいよ」 ひなた:「……お父さんって、本当に怒ったりしないんですか?」 坂田:「あぁ〜。怒るって感情が、いつの間にか消えちゃって」 ひなた:「消えちゃって、って……どういうことですか?」 坂田:「自分でもよくわからないんだけどな。気づいたらそうなってた」 あかりとひなたは顔を見合わせた。 あかり:「じゃあ……今から何かしても怒らないってこと、ですか?」 坂田:「たぶんな」 その言葉を聞いた瞬間——あかりが勢いよく坂田の頬に手を振り抜いた。 パァン! 坂田:「……あっ!」 坂田の目が大きく見開かれる。 部屋に沈黙が流れた。 あかり:「ごめんなさい!!さくらが次会った時にいきなりビンタしてみてよって言ってたから……つい……!」 坂田:「……あぁ、全然いいよ」 さくら:「(笑)パパ目だけ大きくなったじゃん」 坂田:「さすがに驚いたな。でも怒りはないな」 ひなた:「ほんとに怒らない……すごい」 第五幕:おもちゃ扱いされる坂田 それからしばらく、坂田はさくらたちのおもちゃと化した。 ひなたが坂田の頬をむにむにと両手で挟む。 あかりが坂田の頭頂部をじっと見つめ少し薄くなった頭部をパンパンと叩く。 さくらがスマートフォンで一部始終を動画に収める。 ひなた:「ほんとに無反応だ(笑)」 あかり:「人形みたい」 坂田:「……好きにしてくれ」 さくら:「パパって昔からこうなの?」 坂田:「仕事してたらいつの間にかな」 そんな中、あかりがふと坂田の背後に回り込んだ。 何を思ったのか坂田の首元に顔を近づけ——そのまま、がぶっと軽く噛みついた。 その瞬間。 あかりの鼻腔に甘くて深みのある香りが一気に飛び込んできた。 あかり:「……っ」 思わず動きが止まる。 あかり:「ねえひなた、さくらのお父さんの首めちゃくちゃいい匂いする……やばい」 ひなた:「え?」 あかり:「ほんとに。嗅いでみて」 今度はひなたが坂田の首元に後ろから顔を近づけ同じように噛みついた。 ひなた:「……っ!ほんとだ!何これ!?すごい匂い……!」 坂田:「……くすぐったいな」 二人の視線が合う。 言葉にならないままただ顔を赤らめていた。 第六幕:深夜のリビング 夜が更け、さくらが先に眠りについた。 リビングでは坂田がひとりテレビのバラエティ番組を眺めていた。 音量を絞った画面の中でタレントたちが笑っている。 坂田:(明日は休みか……) そのとき廊下からそっと足音がした。 振り返るとあかりとひなたが二人揃って立っていた。 坂田:「まだ起きてたのか」 あかり:「……眠れなくて」 二人はゆっくりとソファーの後ろに回り込んできた。 そして左右同時に坂田の首元に顔を埋めた。 坂田:「……っ、おい」 あかり・ひなた:「最初噛み付いた時に良い匂いしたんだけど、あれって何ですか?」 坂田:「あぁ……練り香水だよ」 ひなた:「練り香水?」 坂田はソファーの脇に置いていた鞄を手元に引き寄せ小さな白いケースを取り出した。 坂田:「ステラホワイトっていうやつ。この前Amazonで限定販売してるの見つけて試しに買ってみたんだ」 あかり:「ステラホワイト……」 ひなた:「もう一回、塗ってみてもらえますか?」 坂田:「……まあ、いいけど」 坂田はケースを開け手首と首元にゆっくりと塗り込んだ。 ふわりと甘くて深い香りが夜の空気に溶け込む。 あかりとひなたが、同時に坂田に抱きついた。 あかり:「コレコレ……!この匂い!」 ひなた:「やばい……落ち着くのに、落ち着かない感じ」 坂田:「……なんか好評だな」 第七幕:ベッドへ あかり:「ねえ、お父さん」 坂田:「ん?」 あかり:「……寝室、行きませんか」 坂田:「……え?」 ひなた:「なんか眠くなってきちゃって。お父さんの匂いを嗅いでたら……ここで寝ちゃいそうで」 坂田:「……まあ、床で寝るよりはいいか」 淡々とした返答に、あかりとひなたは顔を見合わせてくすりと笑った。 坂田のベッドに三人が落ち着く。 あかりが坂田の隣に転がり首元に顔を埋める。 ひなたが反対側に寝そべり手首の香りをそっと嗅ぐ。 坂田:「……子どもかお前たち」 あかり:「子どもじゃないですよ」 ひなた:「この匂い嗅いでると安心するんです」 坂田:「……そうか」 あかり:「ハァハァ」 ひなた:「ハァハァ」 だんだんと息遣いが荒くなっていくあかりとひなた。 そして坂田の頬に左右からキスする2人。 そのまま熱く激しい夜を過ごした。 翌朝。 さくらが父親の寝室を覗くと父親の両脇に友人二人が幸せそうに眠っていた。 さくら:「……パパ、何してんの!?」 坂田:「……俺は何もしてないぞ」 さくら:「言い訳がましい(笑)」 あかりとひなたはさくらには激しい夜のことは秘密にした。 もちろん坂田もこんなことを娘に言えるはずもない。 その後も3人の秘密な関係は続いた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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教習所の午後。 曇り空の下、発着所にはエンジン音と緊張の匂いが漂っていた。 本日最後の路上教習。 担当教官の欄を見た篠宮里奈は、心の底から肩を落とした。 篠宮里奈「うわ……最悪。また黒崎先生……」 教習原簿を持ったまま、里奈はわざと聞こえるようにため息をつく。 そこへ、背後から低い声が飛んだ。 黒崎恒一「ため息をつく前に、ミラーの合わせ方でも復習しておきましょうか」 篠宮里奈「……出た。そういうとこです」 黒崎恒一「そういうところ、とは?」 篠宮里奈「人のHPをゼロにしてくるところです」 黒崎恒一「運転前にHPがゼロになる人は、そもそも路上に出てはいけません」 篠宮里奈「ほんっと、いちいち正論なんですよね……」 黒崎は表情ひとつ変えず、助手席のドアを開けた。 黒崎恒一「いいから乗ってください。今日は左折確認が甘い癖、徹底的に直します」 篠宮里奈「うわぁ、出た。“徹底的に”」 ぶつぶつ文句を言いながら里奈は運転席へ乗り込む。 篠宮里奈「……え」 里奈は何かを感じた。 いつもと違って落ち着かない様子の里奈 黒崎恒一「どうしました。シート位置、合ってませんか」 篠宮里奈「い、いや……別に……」 別に、ではなかった。 なんだろうこれ。 頭の奥がじんわりする。 眠いわけじゃないのに意識がふっと遠のきそうになる。 黒崎恒一「篠宮さん」 篠宮里奈「は、はいっ!」 黒崎恒一「まだ発進してません」 篠宮里奈「うわ、恥ずかし……」 黒崎恒一「今日は忙しそうですね、ひとりで」 篠宮は顔をしかめた。 だがその皮肉に言い返す余裕が今日はなぜか少ない。 車は教習所を出ていつもの既定ルートへ入っていく。 右左折、進路変更、歩行者確認。 黒崎の指示はいつも通り細かい。 黒崎恒一「左、寄せすぎです」 篠宮里奈「はい」 黒崎恒一「今の確認、もう一拍早く」 篠宮里奈「はい」 黒崎恒一「返事だけは上手です」 篠宮里奈「先生、今日ちょっと当たり強くないですか?」 黒崎恒一「今日“も”の間違いでは?」 篠宮里奈「うわ、認めたこの人」 思わず口では反発する。 それなのに気になるのは運転よりも隣だった。 篠宮里奈(やばい……気になる。めちゃくちゃ気になる。なんなのこれ……) やがて、教習車は街道沿いのホテル街に差しかかる。 そのときだった。 カチッ。 突然、里奈がウインカーを出した。 黒崎恒一「……篠宮さん?」 教習車は既定ルートを外れ、脇道へ入ろうとしていた。 黒崎恒一「既定のルートじゃないですよ。こんなところで曲がりませんよ」 篠宮里奈「ちょ、ちょっと……トイレ行きたいです」 黒崎恒一「さっきコンビニの前を通ったでしょう」 篠宮里奈「そのときはまだ大丈夫だったんです!」 黒崎恒一「我慢してください。路上教習中です」 篠宮里奈「無理です。もう限界です!」 黒崎恒一「限界の人のハンドル操作にしては妙にキレがあるな……」 篠宮里奈「うるさいです!」 半ば強引に、里奈はホテルの駐車場へ教習車を滑り込ませた。 黒崎は深く、深く息を吐いた。 黒崎恒一「……篠宮さん。なぜよりにもよってここなんですか」 篠宮里奈「近かったからです!」 黒崎恒一「近いにも種類があります」 篠宮里奈「い、今そんなこと言ってる場合じゃないんです!」 里奈はシートベルトを外し車を降りる。 黒崎も教官として放っておけず、渋い顔で助手席から降りた。 黒崎恒一「私はここで待ちます」 篠宮里奈「いや、だめです」 黒崎恒一「……何がだめなんですか」 篠宮里奈「教習中に生徒から目を離すのって、よくないんじゃないですか?監督責任的に」 黒崎恒一「・・・・・・」 グイと袖を引かれる。 黒崎は完全に不本意そうな顔で、そのまま館内へ引っ張られていった。 部屋に入る。 静かすぎる空間。 ベッドが妙に広い。 黒崎は一歩入ったところで完全に動きを止めた。 黒崎恒一「……」 篠宮里奈「……」 黒崎恒一「……では早くトイレ済ませてきてください」 篠宮里奈「……」 黒崎恒一「どうしたんですか?」 篠宮里奈はさっきまでの勢いが嘘みたいに黙り込んでいた。 やがて観念したように口を開く。 篠宮里奈「先生」 黒崎恒一「はい」 篠宮里奈「実は……トイレ行きたいって言ったの嘘です」 黒崎恒一「でしょうね」 篠宮里奈「えっ」 黒崎恒一「本当に限界の人は、こんなに綺麗に駐車しません」 篠宮里奈「そこ褒めるんですか今」 黒崎恒一「褒めてません」 少しの沈黙。 里奈は視線をそらし、それから意を決したように黒崎を見た。 篠宮里奈「……我慢できなくなったの、トイレじゃなくて」 黒崎恒一「……」 篠宮里奈「理性のほうです」 部屋の空気が、ぴたりと止まる。 黒崎恒一「篠宮さん、それは――」 篠宮里奈「車に乗ったときから、ずっといい匂いがしてて」 黒崎恒一「匂い?」 篠宮里奈「そうです。もう、気になって気になって……運転どころじゃなくて」 黒崎恒一「……」 篠宮里奈「先生のこと嫌いなはずなのに、なんか今日だけずるいんですよ」 一歩近づく。 篠宮里奈「もっと近くでその匂い確かめたくなったんです」 黒崎は言葉を失った。 説教ならいくらでもできるはずなのに、今日に限ってうまく出てこない。 篠宮里奈はおそるおそる、でも逃がさないように距離を詰める。 そして黒崎恒一に抱きつく 篠宮里奈「あぁ・・・この匂い・・・たまらなく好き」 篠宮里奈「先生、これ何の匂いなんですか?」 黒崎は数秒黙ったあと答えた。 黒崎恒一「……練り香水です」 篠宮里奈「練り香水?」 黒崎恒一「ステラホワイトっていうやつです。三日前にAmazonで買って、今日初めてつけました」 篠宮里奈「初日でこんな破壊力あるんですか」 黒崎恒一「破壊されてるのは私の平常心です」 篠宮里奈「先生ってそういう冗談言えるんですね」 黒崎恒一「今のは冗談じゃありません」 篠宮は思わず吹き出した。 篠宮里奈「ちょっと待ってください、先生。その真顔で言うの反則です」 黒崎恒一「先に反則したのはあなたです。教習車でホテルに突っ込む生徒がいますか」 篠宮里奈「……ここに」 黒崎恒一「誇らしげに言わない」 また、沈黙。 篠宮里奈「先生、私のこともっと強く抱きしめてください」 黒崎恒一は篠宮里奈を強く抱きしめ そのままベッドへ倒れ込む しばらくして... 枕元に置いたスマホのタイマーが鳴った。 黒崎恒一「・・・そろそろ教習終了時間だ」 篠宮里奈「はーい・・・(名残惜しそうに)」 二人は手際よく身を整え、部屋を出た。 駐車場に戻ると、教習車がぽつんと止まっている。 黒崎恒一「・・・じゃあ、帰りましょうか」 篠宮里奈「はい」 黒崎恒一「・・・今日のこと、他の教習生には——」 篠宮里奈「言いません」 篠宮里奈「(ちょっと意地悪く笑いながら)その代わり先生、次の教習も田中先生に担当してもらいます」 黒崎恒一「・・・・・・」 黒崎恒一(心の中で)ステラホワイト、もう一本注文しておくか・・・ #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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土曜日の午後1時。 秋葉原のアニメショップは、いつも通りの熱気に包まれていた。 俺、田中哲也(45歳)は新着フィギュアのケースに顔を近づけ、値札を確認する。 限定カラーバージョン。1万8千円。 (買うか。いや、でも先週も使いすぎたし……) そんなことを考えながら棚を眺めるのが、俺の休日だ。 もう何年も続いている。 猫背。 加齢臭が出始めた年齢なのに、漂うのはアニソンと塩ビの匂い。 休日の行動範囲は秋葉原から半径500メートル以内。 アニメグッズをはしご買いして、夜はアニソンライブでオタ芸を踊る。 45歳、独身。彼女なし。 出会いを求める気持ちも、とっくの昔にどこかに置いてきた。 「ある休日の午後。哲也はいつものように秋葉原の専門店で、新着のアニメグッズを物色していた」 「そのとき、ポケットの中のスマホが振動した。画面には『お母さん』の文字」 哲也:(小さくため息をつきながら)「……はい」 母親:「あら、哲也?元気してる?最近どう?」 哲也:「あぁ」 母親:「ちゃんとご飯食べてるの?野菜とかちゃんと食べてる?コンビニのものばっかりじゃないでしょうね?」 哲也:「食べてる食べてる」 母親:「ちゃんと寝れてる?最近忙しいって言ってたじゃない。無理しちゃダメよ?体が資本なんだから。あと、いい加減そろそろ彼女の一人でも——」 哲也:(眉間に皺を寄せながら)「うっさいなぁ。今忙しいから切るからね」 母親:「ちょっと、哲——」 「通話終了。哲也はスマホをポケットに突っ込み、再びフィギュアに視線を戻した」 哲也:「……買います」 「まさかこの後、衝撃の展開が待っているなんて、このとき哲也は思いもしなかった」 第二章 ー 父親からの電話 「それから数週間後。いつもと変わらない平日の夜、哲也が残業を終えてオフィスを出たとき、スマホが鳴った。 画面には『お父さん』の文字。父から電話が来ることは、ほとんどない」 哲也:「……もしもし?」 父親:「哲也か。あのな……お母さんが倒れた」 「一瞬、時間が止まった気がした」 哲也:「え……」 父親:「脳梗塞だ。今、病院におる。意識はある。でも……すぐ来れるか」 哲也:「……行く。すぐ行く」 「電話を切った哲也の手が、かすかに震えていた。先日言った『うっさいなぁ』という言葉が、頭の中でリフレインした」 哲也:(小声で)「……なんで、あんなこと言ったんだろ、俺」 第三章 ー 空港へ 「哲也は急いでアパートに帰り、最低限の荷物をボストンバッグに詰め込んだ。福岡の実家まで新幹線なら5時間以上かかる。 飛行機なら2時間弱。急いで羽田空港へと向かった」 哲也:(出発ロビーを足早に歩きながら、独り言)「チェックインして……荷物預けて……搭乗口はどこだ。えーと……32番ゲート。遠っ!」 「出発手続きを済ませ、保安検査を通過し、搭乗ゲートへ。搭乗開始のアナウンスが流れ哲也はゆっくりと列に並んだ。 その瞬間ふと気づいた。トイレに行っておこうと」 「そしてトイレを出た哲也は、搭乗ゲートへと向かった。」 第四章 ー 離陸と恐怖 「機内に入り、窓側の席に座った哲也。実は哲也にとって、飛行機は最も苦手なものの一つだった。人生でたった4回しか乗ったことがない。そのどれもが生きた心地のしない体験だった」 哲也:(シートベルトを締めながら、心の中で)「……大丈夫。大丈夫ですよ。ただの乗り物ですから。バスとか電車と一緒。ぜんぜん怖くない。怖くないったら怖くない」 「しかし離陸が始まると、轟音とともに機体が滑走路を加速し、そして——浮いた」 哲也:(肘掛けをぎゅっと握りしめ、目をつぶって)「っっっ……!」 「たちまち背中に冷や汗が滲んだ。心臓がバクバクと暴れ出す。気分が悪い。額には脂汗。顔面蒼白になった哲也は、シートに深く沈み込んでいた」 哲也:(震える声で独り言)「なんで怖いんだろ俺……。ちゃんと安全って頭ではわかってるのに。ダメだ……吐きそう……」 第五章 ー CAとの出会い 「そのとき、通路をゆっくりと歩いてきたCAが、哲也の異変に気づいた。凜とした立ち姿、柔らかな笑顔。名札には『桐島 あかり』の文字。26歳のベテラン新人CAだった」 あかり:(静かに、しかし落ち着いた声で)「お客様、お顔の色が優れないようですが、大丈夫ですか?」 哲也:(かすれた声で)「あ……えっと……ちょっと気分があまり良くなくて……」 あかり:「少々お待ちください」 「あかりはすぐに戻ってきた。冷えたミネラルウォーターと酔い止め薬を手に」 あかり:「よろしければこちらをどうぞ。気圧の変化で気分が悪くなる方もいらっしゃいますので」 哲也:「あ、ありがとうございます……。すみません、こんな大人になって情けないですよね。飛行機が怖くて……」 あかり:(微笑みながら)「いいえ。とても正直な方だと思います。ゆっくり深呼吸してみてください」 「哲也は薬を飲み、水を口にした。あかりはゆっくりとその場を離れていった」 第六章 ー しゃがんだ瞬間 「それでも、なかなか気分は落ち着かなかった。哲也は目を閉じたまま、ひたすら深呼吸を繰り返した。 そこへ、再びあかりがやってきた。周りの乗客の目を気にしながら哲也の座席の横にそっとしゃがんで目線を合わせた——その瞬間だった」 「あかりの鼻がかすかに動いた」 あかり:(目を細めながら、静かに)「……どうですか?」 哲也:「まだあまり良くないです……。すみません、お手数おかけして」 あかり:「いいえ、お気になさらず。わかりました。何かあればいつでも呼んでください」 「その場を立ち去るあかり。しかし彼女の頭の中では、さっきの違和感がずっと気になっていた」 あかり:(心の中で)「……なに、今の。なんで、こんなに……」 「それは、乗客への心配ではなかった。体調を気にかけているのではなかった。しゃがんだ瞬間に鼻をかすめたアレが、あかりの中の何かに火をつけていた」 第七章 ー 落ち着いた頃に 「離陸から30分ほどが経った。哲也はようやく落ち着きを取り戻し、窓の外をぼんやりと眺めていた。白い雲の海が広がっている」 哲也:(心の中で)「……お母さん、どうしてるかな。ちゃんと話せるのかな。最後に怒鳴るみたいに電話切っちゃったし……ちゃんと謝らないと」 「そこへ、あかりが再び姿を現した。今度は少し、頬が赤かった」 あかり:「あら、落ち着いたみたいですね」 哲也:「は、はい。おかげさまで。本当にありがとうございました」 あかり:「よかった。あの……すみませんが」 哲也:「はい?」 あかり:(一瞬躊躇してから)「ちょっと、付いて来てもらえますか?」 哲也:「え?」 第八章 ー 秘密の部屋 「哲也はあかりの後をついてキャビンの奥へと進んだ。他の乗客には見えない、機体後方の目立たないドアの前であかりは立ち止まった」 あかり:(周囲をそっと確認してから、小声で)「クルーレスト、といいます。乗務員が仮眠を取ったり休憩したりするための部屋です」 哲也:「は、はぁ……」 あかり:(ドアを開けながら)「本当は関係者以外立ち入り禁止なんですけど」 哲也:「そんな場所になんで!? え、えっと、僕何かしましたっけ!?」 「薄暗い小さな空間。いくつかの簡易ベッドと、わずかな備品。扉が静かに閉まった」 「次の瞬間、あかりは哲也の腕をそっと掴み、顔を近づけてきた。そして——首元に、鼻を寄せた」 あかり:「……っ」 哲也:「え……ちょ、ちょっと? 桐島さん? なにを——」 あかり:(息を吸い込みながら、蕩けるような声で)「ハァ……ハァ……この、匂い……」 哲也:「え? 匂い?」 「哲也は自分の匂いが原因でこうなったことを知った。 「実は飛行機に乗る前に空港のトイレで 5日前にAmazonで購入したステラホワイトという練り香水を付けていたのだ」 あかり:「ここに横になって」 哲也:「え!? え、ちょ——」 「気づけば哲也は簡易ベッドに横になっていた。そしてあかりも、静かに隣に添い寝するように身を寄せ、哲也の体に手を置いた」 あかり:(吐息まじりに)「この匂いは……反則。自分の欲望に、抗えない……」 哲也:「えっ、えぇっ!? な、なんで!? 匂いだけでそうなりますか!?」 あかり:(恥ずかしそうに、でも止まらない様子で)「私……匂いフェチで。男性の香りが好きなんですけど、この匂いは……最高に興奮しちゃうんです。さっきしゃがんだ瞬間からずっと頭から離れなくて。どうしても我慢できなくて……」 「あかりの顔がゆっくりと近づいてきた」 あかり:「……ごめんなさい。でも止まれない」 横になりながらキスをされ、そのまま男性のズボンにCAの手が伸びる 哲也:「あっそれ以上は…」 哲也:「うおぉ~」 「柔らかく温かく甘い時間が、2万フィートの上空で静かに流れた——」 第九章 ー 着陸 「しばらくして、哲也は元の席に戻った。シートに座りシートベルトを締め直したが、その手が微かに震えていた。今度は恐怖のせいではなく」 哲也:「……え。何が起きたんですか、今。現実ですよね、これ。夢じゃないですよね。45年生きてきてこんなことって……え?」 哲也:「哲也は放心状態で、窓の外を見ながら独り言をブツブツと呟く」 「着陸のアナウンスが流れ、機体はゆっくりと高度を下げていった。あのとき感じた恐怖はもうどこにもなかった」 哲也:「……あれ。怖くない」 「着陸の衝撃。タイヤが滑走路を叩く振動。しかし哲也の心は、不思議なほど穏やかだった」 「通路を歩くあかりと一瞬だけ目が合った。あかりはほんの少し頬を赤く染め静かに微笑んだ。 哲也は頭を下げた。それだけだった。でもそれで十分だった」 猫背だった背中は今はピンっと伸び、清々しく歩く哲也の姿がそこにはあったのだった。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夜、新宿の賑やかな居酒屋「酔いどれ番長」。 サラリーマンたちの喧噪が渦巻く中、坂田敏夫は3歳年下の同僚の山崎と向かい合って座っていた。 テーブルの上にはウーロンハイのメガジョッキが並ぶ。 すでに十杯目に差し掛かっていたが、坂田の顔色はまるで変わっていない。 山崎:「坂田さん、ほんとに強いっすね〜。俺もう限界っす」 坂田:「まだまだだよ。俺、これ20杯いけるから」 山崎:「化け物か(笑)」 ガラガラッと店の引き戸が開く音。 冷たい夜風と一緒に、賑やかな笑い声が飛び込んできた。 入ってきたのは、派手に着飾ったギャルが二人。 菜々と里奈だ。 菜々はゴールドのピアスを揺らし、甘い香水をふわりとまとっている。 里奈はピンクのミニスカートに、にこにこしながら後に続く。 店員:「二名様、こちらへどうぞ〜」 案内されたのは、坂田たちの席のすぐ隣。 里奈は先を歩くが、菜々が坂田の後ろを通り抜けた瞬間—— 菜々:(ん…?) 鼻腔をくすぐる、何かの匂い。 甘くて、深くて、少し官能的な香りを感じた菜々 菜々は一瞬立ち止まりそうになったが、そのまま席へと向かった。 席に着くや否や、里奈が身を乗り出してきた。 里奈:「ねえ聞いてよ〜!この前さ、渋谷歩いてたらおじさんに声かけられてさ、マジキモかったんだけど!」 菜々:「え、マジで?何歳くらいの人?」 里奈:「見た目40くらい?なんかスーツ着てて、『ねえちょっとお茶しない?』とか言ってきて。マジありえなくない?」 菜々:「うわ、ガチでありえねえ。ロリコンかよ。つか自分の年考えろって感じ(笑)」 里奈:「でしょ〜!超キモかったわ〜」 ――隣の席で、坂田はその会話を横目で聞いていた。 坂田:(…ロリコン。そうか。俺くらいの年齢のおじさんは、ギャルに声をかけたらロリコン認定されるわけか) 山崎が喋り続けているが、坂田の耳にはもう何も入ってこない。 坂田:(まあ、俺には関係ない話だけどな) そう自分に言い聞かせながら、11杯目のウーロンハイを一気に煽った。 菜々は会話をしながらも頭の片隅に引っかかりがあった。 菜々:(あの匂い……なんだろ) 里奈:「菜々?聞いてる?」 菜々:「あ、ごめんごめん。聞いてるよ〜」 そう答えながらも、菜々の鼻はひくりと動く。 隣の席から、ふわりとまた香ってくる。 菜々:(これだ……さっき後ろを通った時に匂ったのと、同じ匂い) チラリと隣を見ると、グレーのスーツを着た男が黙々とジョッキを傾けている。 三十代後半くらいだろうか。特別ハンサムというわけでもない、普通のサラリーマン。 菜々:(おじさんじゃん…しかも禿げてるし。でも、なんで…) 頭ではそう思っているのに、心臓が少しだけ速くなっていく。 さっきロリコンとか言ったばかりなのに。 菜々:(なんか、興奮してきた……なんで?) 菜々は自分の感覚が信じられなかった。 坂田:「ちょっとトイレ行ってくる」 山崎:「トイレ行ってる間に注文だけしておいてくれ」 山崎:「また頼むんすか(笑)」 坂田:「ああ、俺はウーロンハイで」 坂田はゆっくりと立ち上がり、店の奥にある個室トイレへと向かった。 それを、菜々はしっかりと目で追っていた。 菜々:(行った……) 里奈:「菜々、どうしたの?さっきからぼーっとしてない?」 菜々:「ちょっとトイレ行ってくる。先に頼んどいて」 里奈:「え、早!わかった〜」 菜々は静かに立ち上がった。 店の奥、廊下を進んだ突き当たりに「WC」のプレートがかかった個室トイレがある。 坂田がドアを開け、中に入ろうとした—— その瞬間だった。 バン! 菜々:「っ……!」 ドアが完全に閉まる前に、菜々がするりと中に滑り込んできた。 坂田:「え…っ!?な、なに!?」 坂田は思わず後ずさる。 目の前には、金のピアスを揺らしたギャルが、ドアを背に立っていた。 菜々:「……ごめん。でも、どうしても確かめたくて」 坂田:「確かめたい?何を!?つか、ここトイレだよ!?」 菜々は坂田の言葉に答えるより先に、すっと一歩踏み出した。 そして坂田の首元に、そっと顔を近づけた。 スン、スン…… 菜々:「……っ」 菜々の瞳が、細くなる。 菜々:「やっぱり……隣にいる時からずっと、すごい良い匂いがしてた。ここから来てたんだ」 坂田:「え…あ…それは……」 菜々:「なんの香水?こんなの嗅いだことない」 坂田の首筋に鼻を当てたまま、菜々はゆっくりと息を吸い込む。 その顔が、みるみる赤くなっていく。 菜々:「なんか……おかしい。あたし、おじさんとか全然タイプじゃないのに」 坂田:「お……おじさんって言うな」 菜々:「だって、おじさんじゃん。でも、なんか……ドキドキする」 菜々は自分でも信じられないというように、自分の胸に手を当てた。 菜々:「この匂い、嗅いでたら、なんか……我慢できなくなってきた」 坂田:「ちょ、ちょっと待って。落ち着いて。ここトイレだから!」 菜々:「わかってる」 そう言いながら、菜々の手が坂田のベルトに伸びた。 坂田:「え、ちょっ……!」 菜々:「……ズボン、下ろしていい?」 それから数分後。 廊下に出てきた坂田の顔は、真っ赤だった。 少し遅れて、菜々も出てきた。口元に少しだけ笑みを浮かべながら。 菜々:「……ねえ、さっきの香水、なんて名前?」 坂田:「え…あ……"ステラホワイト"っていう練り香水だけど」 菜々:「ステラホワイト……」 菜々はその名前を、口の中で繰り返した。 菜々:「あたし、好みじゃない人にこんなことしたの、初めて。あの匂い、なんか本能に来る感じで……抗えなかった」 坂田:(本能……) 山崎に「坂田さん、絶対モテますよ」と押し付けられて、半信半疑で塗り続けていたあれが! 坂田:(まさか、本当に……モテ期が来るなんて) 菜々:「……ていうか、あたし名前も聞いてなかった」 坂田:「坂田……坂田敏夫」 菜々:「菜々。……連絡先、交換しない?」 坂田:「え……いいの?」 菜々:「あの匂いがある限り、またあたし我慢できなくなりそうだから」 そう言って菜々は自分のスマホを差し出した。 坂田:「……本当に、いいのか?俺、39だぞ」 菜々:「だから何?」 菜々はきょとんとした顔で、小首を傾げた。 菜々:「あたしが気に入ったんだから、それでいいじゃん」 二人が席に戻ると、それぞれのテーブルから視線が飛んできた。 山崎:「坂田さん、めちゃくちゃ長かったじゃないすか。大丈夫っすか?」 坂田:「……腹の調子が悪くてな」 山崎:「顔、赤いっすよ?」 坂田:「ウーロンハイのせいだ」 一方、菜々が席に戻ると—— 里奈:「菜々!めちゃくちゃ遅かったじゃん!どこ行ってたの!?」 菜々:「トイレ」 里奈:「トイレにしては長すぎでしょ!つか、なんか顔赤くない?」 菜々:「……暑かっただけ」 里奈:「絶対嘘じゃん」 菜々はそれ以上何も答えず、運ばれてきたサワーを静かに口に運んだ。 ただ、その口元にはかすかな笑みが浮かんだままだった。 帰り道。 坂田は一人、夜風の中を歩いていた。 ポケットの中でスマートフォンが震える。 画面には、見知らぬ番号からのメッセージ。 「今日はありがとう。またあの匂い嗅がせてね。菜々」 坂田は立ち止まり、夜空を見上げた。 新宿の空は明るすぎて、星は見えない。 それでも今夜は、何故かやけに綺麗に見えた。 坂田:(ウーロンハイ20杯より、よっぽど酔っちまった) 鞄の中に手を入れてステラホワイトを取り出す モテ練り香水「ステラホワイト」。 山崎に「絶対モテますよ」と半ば強引に渡されたあの日 坂田は苦笑いしながらそれをまた鞄の中に入れた。 まさかこんな夜が来るとは、夢にも思っていなかった。 坂田:「……ありがとな」 誰に言うでもなく坂田は静かに呟いた。 そしてスマートフォンの画面を開き 生まれて初めて心を躍らせながら、返信のメッセージを打ち始めた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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鈴木誠司は住宅街の一角に建つマンションのエレベーターの中で、小さく深呼吸をした。 家庭教師の仕事は何十件もこなしてきた。今更緊張することなんて何もない。 そう自分に言い聞かせながらもチャイムを押すとすぐに扉が開いた。 女子大学生:「はじめまして! 佐藤ひなです。今日からよろしくお願いします!」 元気よく頭を下げる佐藤ひなは19歳の大学1年生。 経済学部の単位取得に苦戦しているということで家庭教師の依頼が来た。 ショートカットの黒髪、はっきりとした目鼻立ち。ごく普通の明るそうな大学生だ。 家庭教師:「鈴木です。こちらこそよろしく。気軽に先生って呼んでください」 女子大学生:「はい先生! どうぞ入ってください」 誠司は部屋に通された。 第二章:授業開始 6畳ほどの勉強部屋。 教科書とノートが並んだ机に向かい合って座り授業が始まった。 今日は経済学の基礎 需要と供給の概念から入ることにした。 家庭教師:「まずここ、グラフの読み方から整理しましょうか」 女子大学生:「はい……あの、ここが全然わからなくて」 ひなは教科書を指差しながら眉をひそめた。正直に「わからない」と言えるのは素直な性格の証だ。誠司は丁寧に噛み砕きながら説明を進めた。 授業開始から20分ほどが経った頃 誠司は気づいた。 ひなの返事が少しずつ減っていることに。 最初は熱心にペンを走らせていたのに今は手が止まっている。 眠くなったか? そう思って隣を見ると ひなは教科書を見ておらず誠司のほうをじっと見ていた。 家庭教師:「……?」 女子大学生:「あ、ごめんなさい」 ひなは慌てて目を逸らしノートに視線を戻した。 しかし数分後また同じことが繰り返された。 そして 女子大学生:「ハァハァ……」 微かに息が乱れている。 誠司は顔を上げた。 家庭教師:「どうかしましたか? 体調悪い?」 女子大学生「いえ、なんか……ドキドキしてきちゃって」 ドキドキ? 誠司の頭の中に真っ先に浮かんだのは医学的な心配だった。 家庭教師(心の声):(まさか不整脈? 心臓病か!? 19歳でも若年性の——) 家庭教師:「大丈夫ですか!? 救急車呼びますか!?」 誠司は立ち上がりかけた。 女子大学生:「そういうのじゃないです!」 ひなは顔を真っ赤にして両手をぶんぶんと振った。 沈黙。 ひなは俯いて少し間を置いてから—— 女子大学生:「……先生の匂いが、好きすぎて。興奮が止まらないだけなんです」 第三章:理性の崩壊 誠司は完全に固まった。 家庭教師(心の声):(……今、何と言った?) ひなは耳まで赤くしながらそれでも誠司から目を離さなかった。 女子大学生「変なこと言ってごめんなさい。でも……部屋に入ってきた瞬間から、なんかすごくいい匂いがして。最初は気のせいかと思ってたんですけど、近くにいれば居るほど……なんか、おかしくなっちゃって」 誠司はそこでようやく思い当たった。 今日だけいつもと違う準備をしていたことを。 家を出る前に洗面台の前で手首と首筋に塗り込んだもの——Amazon限定販売の練り香水「ステラホワイト」 同僚から「これ塗ったら女性の反応が変わった」と聞かされて半信半疑で買ったものだ。 髪は頭頂部がうっすら透けてきている。顔は「普通」とも言えない、どこにでもいる中年男性の顔。モテた記憶など遠い昔に霞んでいた。 どうせ何も変わらないだろう——そう苦笑しながら塗ったあれが、まさか。 家庭教師:「え、あ……香水を、練り香水を今日初めてつけてきたんですが」 ひなは目を丸くした。 女子大学生:「それだ……絶対それだ。なんかもう、嗅いだ瞬間から頭がふわってして」 誠司はしばらく黙ったまま、手首のあたりをぼんやりと見つめていた。 誠司(心の声):(半信半疑で買ったあの小さな練り香水が、まさかここまでとは) 誠司(心の声):(同僚の言っていたことは……本当だったのか) ひなはゆっくりと誠司のほうへ顔を近づけた。 首筋に、鼻先が近づいてくる。 クンクン、と。 女子大学生:「……やばい」 家庭教師:「え」 女子大学生:「やばいです先生。なんか……頭くらくらする」 ひなは椅子から立ち上がった。 誠司も反射的に立ち上がる。 家庭教師:「だから救急車を…」 女子大学生:「だから違います!!」 ひなは笑いながら、泣きそうな顔をしていた。 女子大学生:「先生のこと、好きになりそうで怖いって言ってるんです。今日会ったばっかりなのに。こんなの初めてで、自分でもびっくりしてて」 第四章:彼女から 沈黙が、部屋に満ちた。 誠司は何も言えなかった。 45年間生きてきて、女性にこんなことを言われた経験など一度もない。何をどう返せばいいか、言葉が見つからない。 ひなはじっと誠司を見ていた。 一歩、近づいてくる。 女子大学生:「先生……一個だけ、いいですか」 家庭教師:「な、何?」 ひなはつま先立ちになった。 目を閉じて唇が、重なった。 柔らかくて温かくて。 ほんの数秒のことだったけれど誠司にとっては時間が止まったような感覚だった。 ひなが顔を離して目を開ける。 女子大学生:「……ごめんなさい、我慢できなかった」 家庭教師:「……」 女子大学生:「怒ってますか?」 誠司は長い沈黙の後、静かに口を開いた。 家庭教師:「怒って……ない。ただ、俺みたいなおじさんで本当にいいの?」 ひなは迷わず頷いた。 女子大学生:「先生じゃないとだめなんです。この匂いじゃないと。……先生の隣にいると、なんか安心するし、でもドキドキもするし。こんな感覚初めてで」 誠司はゆっくりとひなの頬に手を添えた。 第五章:長い夜 教科書は静かに閉じられた。 窓の外では夕暮れがゆっくりと夜へ変わっていく。 誠司は改めてひなと向き合い もう一度、今度は自分から唇を寄せた。 女子大学生:「……先生」 家庭教師:「誠司でいい」 女子大学生:「……誠司さん」 ひなの声が甘く溶けるように部屋に広がった。 その後2人はベッドの上で体を重ね合った 時計の針が22時を回った頃。 誠司は静かに立ち上がり鞄を手に取った。 家庭教師:「そろそろ、帰らないと」 ひなは少し寂しそうな顔をしたがそれでも素直に頷いた。 女子大学生:「……うん」 玄関まで見送りに来たひなは誠司のコートの袖をそっと掴んだ。 女子大学生:「また来てくれますよね」 家庭教師:「来週また来るよ。ちゃんと復習しておくこと」 女子大学生:「……勉強の話をするんですか、今」 ひなはくすりと笑った。 誠司も思わず口元が緩んだ。 扉が開く。 廊下の灯りがふたりを照らした。 女子大学生:「……誠司さん」 家庭教師:「ん?」 ひなはつま先立ちになって誠司の頬にそっと口づけした。 女子大学生:「また、その匂いで来てくださいね」 誠司は何も答えずただ小さく頷いた エレベーターのボタンを押す。扉が閉まる直前ひながまだ廊下に立って微笑んでいるのが見えた。 マンションを出ると夜風が頬に当たった。 誠司は立ち止まり空を見上げた。 今夜のことがまだ夢のように感じた。 顔もパッとしないどこにでもいる中年男性 それが今夜19歳の女性にまたその匂いで来てと言われた。 誠司(心の声):(同僚の言っていた通りだったな) 誠司はポケットに手を入れ、ゆっくりと夜道を歩き始めた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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平日の夕方、午後5時過ぎ。 夏の太陽はまだ高く、アスファルトから熱気が立ち上る。会社帰りのサラリーマンや買い物帰りの主婦が行き交う、駅前の歩道。 会社員の吉岡 達也は、ネクタイを少し緩めながら駅へ向かって歩いていた。 スマホにLINEの通知が来たのに気づき吉岡はポケットに手を突っ込んだ。 スマホの感触を確認しすっと引き抜いた——その瞬間だった。 かさっ。 何かが足元に落ちた。 吉岡は落ちたことに気が付かなかった。 ちょうどその瞬間、向かいから歩いてきた女性とすれ違ったタイミングで その女性が、しゃがんでそれを拾い上げた。 橘 沙耶は手の中のものをじっと見てから 橘:「あの、落としましたよ」 吉岡はゆっくりと振り返った。 橘の手の中には、紛れもなくコンドムーが1つ。 吉岡は昨夜、ホテルにデリを呼んだ際、アメニティとして置いてあったコンドムーをポケットに入れたまま、今日の今まですっかり忘れていたのだ。 吉岡は人生で最大レベルの羞恥を体験した。夏の熱気より明らかに顔が熱かった。 吉岡:「あああ、すみません……っ」 顔を真っ赤にしながら手を差し伸べた吉岡。 しかし橘はコンドムーを持つ手をすっと引っ込めた。 吉岡:「え?」 橘は首を傾け少し楽しそうな表情で吉岡を見た。 橘:「使う予定でもあるんですか?」 吉岡:「いえ、ないです」 橘:「ふーん」 一拍の間があった。 橘はゆっくりと上目遣いで吉岡を見上げ、静かに口を開いた。 橘:「それじゃ……今から使いますか?」 吉岡:「はっ!?」 吉岡の頭が一瞬、真っ白になった。 吉岡:「か、揶揄わないでください」 橘:「本気ですよ」 橘は笑みを消し真っすぐな目で吉岡を見た。 橘:「私で使ってください」 その目は、冗談を言っている目ではなかった。吉岡はフリーズした後、静かに覚悟を決めた。 第二幕:ホテルにて 駅前のラブホテルに入った二人。 部屋に入ると吉岡はソファに腰を下ろした。 橘も隣に静かに座る。 沈黙が数秒流れた。 吉岡:「……あの、一つ聞いてもいいですか」 橘:「なんですか?」 吉岡:「なんで……俺なんかと、こういうことをしようと思ったんですか?」 橘は少し考えるように視線を落とし、それからふわりと吉岡に抱きついた。 橘:「コンドムー拾った時からずっと……いい匂いがして、それが気になって」 橘:「もっと近くで嗅いでいたいって思ったんです」 吉岡:「……匂い?」 吉岡は思い出した。 〔回想〕 昨夜の帰宅後、Amazonから届いたステラホワイトを 今朝、出社前に洗面台の前で少量取って首元に塗っていた。 それだけだった。 〔回想終わり〕 吉岡:「……なるほど」 橘は吉岡の首元に顔を埋め、もう一度深く息を吸い込んだ。 橘:「ハァ……ほんとにこの匂い好き」 橘はそっとソファから立ち上がり、吉岡の手を引いた。 夕日が完全に沈む頃にはベッドサイドにコンドムーの空き袋が静かに置かれていた。 第三幕:別れ際 ホテルを出ると、夜の帳が下りていた。 街灯が点き始め、駅前が賑やかになってくる時間帯。 二人は並んで駅まで歩いた。 橘:「今日はありがとうございました」 吉岡:「いや、こちらこそ」 改札の前で立ち止まった橘は吉岡を振り返った。 橘:「また今度しましょうね」 吉岡:「……えっ、また?」 橘:「その香水また付けてきてください」 橘は笑顔を残して改札を通り抜け人混みの中へと消えていった。 吉岡はしばらくその場に立ち尽くした。 終幕:電車の中で 帰りの電車。 窓の外を流れる夜景をぼんやりと眺めていた。 吉岡(心の声):「最高な1日だった」 コンドムーをポケットに入れたまま出勤した朝から、こんな夜になるとは。人生とはまったく予測がつかないものだ。 吉岡(心の声):「ステラホワイト…ありがとう」 END #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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平日の夜、午後8時過ぎ。 都内の住宅街に佇むスーパー「フレッシュマート葵」。蛍光灯の白い光が惣菜コーナーを照らし、残り物の弁当が半額シールを貼られて並んでいる。 会社員の長谷川 修は、くたびれたスーツ姿でカゴを手に弁当を物色していた。今日も残業。今日も一人飯。それが彼の日常だった。 弁当を手に取り値段を確認していたその時、長谷川の視線が隣の棚に吸い寄せられた。 若い女性が周囲をキョロキョロと確認しながら商品をするりとバッグの中へ滑り込ませたのだ。 ナレーション:「長谷川は思った。見なかったことにしよう、と。しかし足が動いていた。」 長谷川はゆっくりと女性に近づき小声で話しかけた。 長谷川:「あの……今、バッグに入れましたよね」 女性が振り向く。 岸本 りな——後に長谷川がそう知ることになる女性は見るからに焦った表情で長谷川を見上げた。 岸本:「ごめんなさい……」 長谷川:「いや、ごめんなさいって言われても……」 岸本:「戻しますから!お店の人には言わないでください!」 長谷川は腕を組み少し考えるそぶりを見せた。 長谷川:「うーん、どうしようかな。しっかり見ちゃったしな」 岸本:「なんでもしますから……っ」 ナレーション:「その言葉に長谷川の思考が一瞬止まった。」 長谷川:「なんでも?」 岸本:「はい」 長谷川は数秒の沈黙の後、半分冗談のつもりで口を開いた。 長谷川:「実は最近ずっと一人でもしてなくてさ……溜まってるんだよね、いろいろと」 長谷川(心の声):「我ながら最低な発言だと思った。当然断られる。そのつもりだった。」 岸本は涙目になりながらもしばらく黙ってから、か細い声で答えた。 岸本:「それで黙っていてくれるなら、いいですよ」 長谷川(心の声):「いいのかい!!」 第二幕:長谷川家にて こうして長谷川は弁当とともに予想外の同伴者を自宅へ連れ帰ることになった。 長谷川の部屋は1LDK。独身男性にしては片付いている方だが、華やかさは皆無だ。 リビングを通り抜け寝室へ向かう二人。 岸本はベッドの端に腰を下ろした。長谷川はスーツを脱ぎ、几帳面にハンガーへかける。 長谷川は岸本の隣に静かに腰を下ろした。 長谷川:「本当に……いいんだね?」 岸本:「はい」 長谷川:「無理してるとかじゃない?」 岸本:「もう覚悟決めました」 長谷川はそっと岸本の肩に手を置き、ゆっくりと顔を近づけた。岸本は目を閉じる。 重なる2人の唇。 長谷川は岸本をゆっくりと押し倒し上に乗り掛かる(洋服は着たまま正常位のような体制)。 岸本は長谷川の首に手を回しギュッと抱きつく その後の出来事を詳述するのは野暮というものだろう。ただ、しばらくして寝室の床にはワイシャツと岸本の洋服が、なんとも言えない具合に散乱していた。」 第三幕:後日 事が落ち着き岸本は静かに服を着た。 岸本:「それじゃあ……今日のことは言わないでくださいね」 長谷川:「わかってる。今日のことはもう忘れた」 岸本:「ありがとうございました」 岸本はそのまま玄関を出て行った。 長谷川は一人リビングに戻り冷めた半額弁当を電子レンジで温めた。チンという音が妙に静かな部屋に響いた。 第四幕:4日後の夜 それから4日後。夜9時ごろ。 長谷川がソファでぼんやりテレビを見ているとインターホンが鳴った。 モニターを確認するとそこには岸本の顔があった。 長谷川(心の声):「まさか。訴えるとか言って慰謝料請求しに来たのか!?」 長谷川は恐る恐るインターホンに手を伸ばした。 長谷川:「どうしましたか?」 岸本:「また会いに来ちゃいました」 長谷川:「え?なんで?」 岸本:「またしたくて…入れてください」 長谷川の頭の中で入れるべきか、帰らせるべきか思考を巡らせた。」 すぐに答えは出た。 長谷川は鍵を開けた。 第五幕:香りの正体 岸本はリビングのソファに腰を下ろし長谷川はお茶を出した。 長谷川:「えっと先日のことは、もう終わった話ですよね?」 岸本:「それとは関係なく今回は自分から来ました」 長谷川:「自分から」 すると突然、岸本が長谷川にぎゅっと抱きついた。 岸本:「あれ?」 長谷川:「ど、どうしました?」 岸本:「前回会った時、すごく良い匂いがしたんですよ。でも今日は何もつけてないんですか?」 長谷川は思い当たった。 長谷川:「ああ、前回は香水つけてたんですよ」 岸本:「今つけてもらえませんか?」 長谷川:「え、今から?」 岸本:「お願いします」 長谷川は苦笑いしながらもテーブルの上に置いてある小さな容器を手に取った。 岸本:「それ、なんていう香水なんですか?」 長谷川:「ステラホワイトっていう練り香水です。モテてる友人に教えてもらって、Amazonで買ったんですよ」 長谷川は指先で少量を取り首元にゆっくりと塗った。 岸本がすっと近づき長谷川の首元で深く息を吸い込んだ。 岸本:「これこれ!ハァハァ……」 岸本:「この匂いが忘れられなくて、また来ちゃったんです」 長谷川は内心ほっとした。 長谷川(心の声):「訴えとかじゃなくてよかったーーー!!」 その夜も二人は時間を忘れて過ごした。 寝室の床には再び衣類が散乱することになった。 終幕:同居という名の飼育 それからというもの、岸本は週に何度も長谷川の家に現れるようになった。 来るたびに長谷川の首元に顔を埋めステラホワイトの香りを深く吸い込んでは満足そうな顔をした。 はじめは戸惑っていた長谷川だったが、徐々に状況を受け入れていった。というか、悪い気はしなかった。正直に言えば、かなり良い気分だった。 気づけば岸本の荷物が少しずつ長谷川の部屋に増えていた。歯ブラシ、着替え、シャンプー。 長谷川:「なんか……住んでない?」 岸本:「住んでます」 長谷川:「そうか……」 長谷川は特に反論しなかった。 ある晩、長谷川はふとステラホワイトの残量を確認した。 長谷川(心の声):「もうすぐ使い切っちゃうな。新しいの買わなきゃ」 長谷川はAmazonのページを開きステラホワイトを注文した。 隣には岸本がソファに丸まってスマホを眺めている。 岸本:「……ねえ」 長谷川:「なに」 岸本:「ステラホワイト、なくなったらわたし来なくなりますよ」 冗談まじりにも聞こえるが本気のようにも聞こえた 長谷川:「じゃ売り切れる前に3個まとめ買いしとくわ」 そう言うと岸本は満面の笑みをして長谷川に抱きついた。 END #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夜、20時。 中村真也は会社を出て、いつもの帰り道を歩いていた。 駅までの道の途中、煌々と光るゲームセンターが目に入った。 中村(心の声):「寄っていくか。」 深く考えるより先に体が自動的に入口へと向かっていた。 中村はまっすぐUFOキャッチャーのコーナーへと向かった。 中村はUFOキャッチャーが得意だ。20年以上かけて磨いてきた技術がある。 アームの癖の読み方、景品の重心の見極め方、どこに引っかければ最も効率よく動くか そういうことが、わかるようになっていた。 最初の一台でアニメのフィギュアを2回でGET。 次の台ではぬいぐるみを3回で仕留める。 さらに隣の台へ。 気づけば袋はパンパンになり、フィギュアが2体、ぬいぐるみが4個、謎のキーホルダーセットが1袋、詰め込まれていた。 中村(心の声):「今日は調子いいな。」 ふと隣の台に目をやった。 二人の女性が一台のUFOキャッチャーの前で仁王立ちになっていた。 一人は大きなまん丸の目をした白い犬のぬいぐるみを見つめている川村ひなた22歳。 もう一人、野口さくらは隣でスマホを持ちながら、ひなたの操作をじっと見守っていた。 ひなた:「あーっ、また!」 さくら:「惜しかったじゃん! もう1回!」 ひなた:「絶対取ってみせるから。」 中村はその一部始終をさっきからぼんやりと眺めていた。 中村(心の声):「あの子たち、ずっとやってるな。」 横目で確認すると二人がこの台に張り付いてからもう20分以上は経っている。 中村はため息をついた。見ていられなかった。 中村:「……あの、」 二人が振り返る。 中村:「取ってあげましょうか?」 第二幕:UFOキャッチャーの神 一瞬、ひなたとさくらは顔を見合わせた。 ひなた:「えっ、いいんですか?」 中村:「いいですよ。」 中村は軽く言いながら、台の前に立った。 お金を入れアームを操作する。 左右の位置を合わせ前後を微調整して決定。 アームがゆっくりと降りていきしっかりと掴んだ。そのままゆっくりと持ち上がり落下口へ。 ストン。 白い犬のぬいぐるみが取り出し口に落ちてきた。 さくら:「すごーい!!」 ひなた:「えっ、1回で!?」 中村は取り出し口からぬいぐるみを取り出し、ひなたに差し出した。 中村:「はい。」 ひなた:「ありがとうございます!!」 ひなたは白い犬のぬいぐるみを両手で受け取り、そのままぎゅっと胸に抱きしめた。本当に嬉しそうな顔だった。 第三幕:プリクラの誘い 中村は軽く会釈して帰ろうとした。 その瞬間 ひなた:「あの!」 中村が振り返ると、ひなたがぬいぐるみを胸に抱えたまま少し上目遣いで言った。 ひなた:「ぬいぐるみと一緒にプリクラ撮りたいんですけど…一緒にどうですか?」 中村は一瞬、フリーズした。 中村(心の声):「プリクラ……?俺と?断るか?」 中村(心の声):「だが、こんな機会なかなかないしな。撮ってみるか。」 中村:「わかりました。一緒に撮りましょう。」 さくら:「やった!」 3人でゲームセンターの奥にあるプリクラコーナーへ移動した。 中村(心の声):「プリクラなんて何年振りだ……。」 中村は機械の前に立ち、まじまじと画面を見た。 照明の調整。肌補正のレベル。目の大きさ。フィルターの種類。スタンプの数。フレームのバリエーション。 中村(心の声):「これ……全部何の設定だ。」 ひなた:「大丈夫ですよ! 私がやります!」 ひなたが慣れた手つきでぱぱっと設定を選んでいく。さくらが隣でああでもないこうでもないと口を出す。 中村(心の声):「俺、完全に置いてけぼりになってる。」 第四幕:1回目の撮影 撮影が始まった。 カウントダウン。3、2、1 中村はとりあえず自然な笑顔を作った。ひなたはぬいぐるみを抱えてにっこり。さくらはピースサイン。 何枚か角度を変えながら撮影しあっという間に終わった。 落書きブースへ移動する。さくらがスタイラスペンを持ち、手際よくデコレーションを入れていく。 完成したプリクラがプリント口から出てきた。 ひなた:「わあ、かわいい!」 さくら:「いい感じですね」 ひなたとさくらが少し離れてコソコソと話し始めた。 声は聞こえない。が、さくらが何度かこちらをちらりと見る。ひなたが何かを言いさくらが頷く。 中村(心の声):「なんだ? 何を話してる?」 ひなたが少し頬を染めながら言った。 ひなた:「もう1回撮りませんか?」 中村:「またですか?」 ひなた:「お願いします。」 その目がなぜか真剣だった。 中村:「はい。」 断れる雰囲気ではなかった。 第五幕:2回目の撮影 再びプリクラ機に3人で入る。 ひなたは機械のカメラ横にある小さな荷物置きに白い犬のぬいぐるみをそっと置いた。 中村(心の声):「今回はぬいぐるみなしパターンか。」 1回目と同じように撮影が始まった——はずだった。 カウントダウン。3、2、1 その瞬間、左右から2本の腕が中村の腕にするりと絡みついてきた。 左にひなた。右にさくら。 中村(心の声):「……おっ。」 まあ、プリクラでよくある腕組みポーズだな。そう解釈しようとしたのだが、 2枚目の撮影タイミングで左右から何かが腕に当たっていることに気づいた。 柔らかい。 明らかに柔らかい何かが両腕に押し付けられている。 中村(心の声):「……。」 中村(心の声):「理解が追いつかない。」 3枚目。 今度はひなたが中村の前に回り込み抱きついてきた。後ろからはさくらが抱きついてきた。 中村はプリクラ機の中で完全にサンドイッチ状態になった。 中村(心の声):「これはいったい何の撮影なんだ。」 4枚目。 ひなたが中村の手首をそっと掴んだ。そしてゆっくりと自分の胸元へと誘導した。 中村(心の声):「え??」 狭い密室の中で誰にも見られることなく、過激な撮影会は加速していった。 そしてあっという間に撮影が終わった 第六幕:密室の答え合わせ 3人でプリクラ機から出た。 中村はとりあえず平静を装いながら2人に問いかけた。 中村:「あの、一体どういうつもりだったんですか?」 ひなたは少し恥ずかしそうに白い犬のぬいぐるみを胸に抱え直した。 ひなた:「ぬいぐるみ取ってくれた時からずっと良い匂いがして、気になってたんです。」 さくら:「だからプリクラに誘ったんですけど。」 ひなたが続ける。 ひなた:「プリクラ機の中に入ったらその匂いがより強く感じて……我慢できなくて2回目であんなことをしちゃいました。」 中村:「……。」 困惑という言葉では追いつかなかった。 ひなた:「その匂いって……なんですか?」 中村:「ステラホワイトという練り香水です。」 中村:「実は友人から勧められて、昨日Amazonから届いて今日初めて付けてみたんです」 さくら:「えー!それじゃあ私たちが出会ったタイミング、すごく良かったですね」 中村:「そうですね。」 中村(心の声):「良かったのかどうかはまだ整理がついていないが。」 ひなた:「よかったら、また一緒に遊んでください!」 そう言いながら、ひなたはスマホを取り出してLINEのQRコードを表示した。 中村はスマホを取り出してコードを読み込み友達追加した。 中村:「わかりました。」 ひなた:「やった!」 さくら:「私もです!」 さくらもQRコードを出してくる。 中村:「はい。」 エピローグ:夜道の独り言 ひなたとさくらはゲームセンターを出て笑いながら夜の街に消えていった。 中村も少し遅れてゲームセンターを出た。 フィギュアとぬいぐるみが詰まった袋を持ち駅へと向かう夜道を歩く。 中村は歩きながら自分の手首のあたりに鼻を近づけてみた。 ステラホワイト。 中村:「……Amazonで買ってよかったわ、これ。」 スマホの通知が鳴った。 LINEだった。 ひなたからのメッセージ。白い犬のぬいぐるみと一緒に撮った自撮り写真に 「今日ありがとうございました🐶」という文章。 続いてさくらからも。「プリクラ楽しかったです😊」 中村はしばらく2つのメッセージを眺めてからスタンプで返信した。 駅への道を歩きながら、中村は小さく笑った #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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平日の夜、19時過ぎ。 西田雄介は最寄りのバス停から乗り込んだ路線バスの中で、吊り革を掴んで立っていた。帰宅ラッシュの時間帯、車内はそこそこの混雑だ。スマホで明日の天気を確認しながら、ぼんやりと夜の車窓を眺めている。 特に何も考えていなかった。ただ家に帰りたかっただけだ。 数駅過ぎたところで、バスが停留所に停まり、新たな乗客が乗り込んできた。 西田の隣に、一人の女性が立った。 20代半ばくらいだろうか。ワイシャツ姿で仕事帰りだろう。顔立ちが整っていた。 数分後、西田は何かに気づいた。 さっきより隣の人との距離が近い。 肩が触れるか触れないかくらいの距離に、さっきの女性が寄ってきていた。 西田(心の声):「近いなっ!」 西田は少し身を縮めた。 西田(心の声):「……まあ、人多いからしょうがないか。」 バスが揺れるたびに微妙に肩が当たる。 西田は前を向いたまま努めて自然な表情を維持した。 第二幕:降りてからも 数停留所ほど走ったところで西田はバスを降りた。 前のドアから降りバス停の歩道に足をつく。 そしてふと気づいた。 さっきの女性も同じ停留所で降りていた。 西田(心の声):「同じ方向か。」 まあ、よくあることだ。西田は特に気にせず歩き始めた。 角を曲がる。 後ろをチラッと振り返ると女性もその角を曲がった。 さらに歩く。T字路を左に曲がる。 振り返ると、女性も左に曲がった。 さらに歩く。コンビニの前を通り過ぎる。 女性も通り過ぎた。 西田(心の声):「……近所の人か。」 西田は少し歩く速度を落としてみた。 後ろの足音も、少し遅くなった。 速度を上げてみた。 後ろの足音も速くなった気がした。 西田(心の声):「…これ、付いてきてるやつか?」 西田(心の声):「え、なんで? 俺、何かしたっけ?」 西田(心の声):「バスの中で何か不快なことをしてしまったのか?スマホ見てただけだぞ?」 頭の中でぐるぐると考えながら歩いているうちに自分が住むマンションの前に着いた。 オートロックのドアに手をかけ暗証番号を入力しようとした瞬間 後ろから声がかかった。 第三幕:マンション前の告白 女性:「あのー、すみません。」 西田は振り返った。 さっきからずっと後ろを歩いていた女性が少し申し訳なさそうな顔で立っていた。 西田:「はい?」 女性:「さっきバスの中で、隣に立ってたんですけど。」 西田:「ですよね!気がついていました。」 思ったより大きな声で答えてしまった。西田は少し咳払いをした。 女性:「付いてきちゃってごめんなさい。」 女性が素直に頭を下げた。 西田(心の声):「謝られた。ということはやっぱり付いてきていたのか。なぜ?」 西田はとりあえず黙って続きを待った。 女性:「バスの中でずっと気になっていたんですけど、香水とか付けていますか?」 西田:「つけています。」 女性:「なんの香水なのかどうしても知りたくて。」 西田(心の声):「そういうことか。香水か。」 西田(心の声):「それだけのために付いてきたのか。」 西田:「ステラホワイトという香水です。」 なな:「聞いたことない香水ですね。」 西田:「Amazonでしか売ってないので。」 なな:「そうなんですね。」 ななは少し頷いてそれから少し間を置いた。 その間、西田はじっと彼女の表情を観察していた。 なな:「……もしよかったら。」 西田:「はい。」 なな:「今度、ご飯でも行きませんか?」 西田:「……いいですよ。」 ななの顔がぱっと明るくなった。 なな:「ありがとうございます!」 なな:「じゃあLINE交換していいですか?」 西田:「どうぞ。」 2人でスマホを取り出し、QRコードを読み込む。 なな:「それじゃ、また連絡しますね。」 西田:「はい。楽しみにしてます。」 なな:「私もです。」 そう言って、ななは軽く頭を下げ、来た道を戻り始めた。その後ろ姿が夜道に消えていく。 エピローグ:部屋の中で 西田はマンションのオートロックを開けエレベーターに乗り込んだ。 自室に入り鍵をかける。 西田はダイニングテーブルの前に立ち、テーブルの上に置いてあるステラホワイトを手に取った。 西田:「……まさか女性からご飯に誘われる日が来るなんて。」 西田:「ステラホワイトに出会えてよかったわ。」 テーブルに置き直す。 スマホを取り出してLINEを開くとななのアイコンが新しく追加されていた。 アイコンは小さな花の写真。 西田(心の声):「ご飯、どこがいいかな。」 40歳が一人、夜の部屋でそんなことを考えながら、冷蔵庫を開けた。 今夜の夕飯のことより次の週末のことが頭にある。 窓の外では夜風が静かに吹いていた。 ——END—— #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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土曜日の午後1時。 慎吾は6畳の洋室を見渡して、深いため息をついた。 段ボール箱が12個。そのほとんどにガムテープが貼られ、マジックで「リビング」「寝室」などと雑なラベルが書かれている。 今回の引っ越しは、仕事の都合もあったが、正直なところ「気分を変えたかった」という理由の方が大きかった。 新居は同じ区内の1LDK。少し広くなる。それだけで十分だった。 翌朝10時、ムーン引越社のトラックが路肩に停まる音がした。 慎吾が玄関を開けると二人のスタッフが立っていた。 一人は坂本30代前半といった印象の、いかにも引っ越し業者らしいがっしりした体格の男性。 もう一人は 慎吾(心の声):「え、女性もいるんだ。」 山本玲香。25歳。ムーン引越社のロゴが入ったブルーのポロシャツに、黒いワークパンツ。小柄だが、しっかりした立ち姿。動きやすさ重視の格好の中でも、どこかはっきりした目鼻立ちが印象に残った。 坂本:「ムーン引越社の坂本と申します。本日担当させていただきます!」 玲香:「同じく、山本です。よろしくお願いします!」 慎吾:「あ、よろしくお願いします。村上です。」 第二幕:搬出・搬入 荷物の搬出は、慎吾が想像していたよりずっとスムーズだった。坂本が大きな段ボールを次々と運び出す傍ら、玲香も小柄な体でてきぱきと動く。台車の使い方、トラックへの積み方、すべてが無駄なく洗練されていた。 玲香は段ボールを抱えてトラックへと向かった。 トラックへの積み込みが完了し、一行は新居へと向かった。 新しいマンションは築3年の清潔感のある建物だった。エレベーターもあり、搬入の効率もいい。 坂本と玲香は手際よく段ボールを部屋に運び込んでいく。 1時間ほどで搬入完了。 坂本:「これで終わりになります。ご確認いただけますか?」 慎吾:「はい…全部ありますね。ありがとうございました。」 坂本:「お世話になりました。では失礼します。」 玲香:「ありがとうございました。」 二人は深々と頭を下げ玄関から出ていった。 ドアが閉まる。 慎吾は部屋を見渡した。段ボールの山。まだ何もない白い壁。窓から差し込む午後の光。 慎吾(心の声):「さて。」 引っ越し作業第二フェーズ、荷解きの開始である。 第三幕:夜の訪問者 段ボールを一個ずつ開けながら、慎吾は少しずつ部屋を整えていった。食器を棚に並べ、服をハンガーにかけ、本を本棚に詰める。単純な作業だが、思ったより時間がかかる。 気づけば部屋の外が暗くなっていた。 慎吾:「もうこんな時間か……。」 スマホの画面を見ると、19時を過ぎていた。段ボールはまだ5個残っている。 慎吾:「今日の夕飯はピザでも頼もうかな。」 あと5個の段ボールは明日でもいいか。そう自分に言い聞かせて、慎吾はピザのデリバリーアプリを開いた。マルゲリータとポテトフライを注文する。配達時間は約40分。 待っている間、慎吾はテレビを設置した。新居で見る最初のテレビ。なんとなく気分が上がった。バラエティ番組から笑い声が流れ始め、部屋にようやく生活感が生まれた気がした。 40分後、ピザが届いた。 慎吾はソファ代わりにしている座椅子に腰を落ち着け、箱を開けながらテレビを眺めた。チーズが糸を引く。いい夜だと思った。 インターホンが鳴ったのは、ピザを3切れ食べ終えた頃だった。 慎吾:「ん? 誰だ?」 この部屋に来る人間などまだ誰もいないはずだ。宅配の追加注文はしていない。慎吾は座椅子から立ち上がり、玄関のモニターを覗いた。 そこに映っていたのは今日の引っ越しスタッフ、山本玲香だった。 慎吾(心の声):「えっ。」 制服のままだった。表情は少し緊張しているように見えた。 慎吾:「……はい?どうしました?」 インターホン越しに声をかけると玲香は少し俯いてから口を開いた。 玲香:「あの……お部屋の方に落とし物してしまったかもしれなくて。確認させていただけないでしょうか?」 慎吾:「落とし物?わかりました。」 慎吾は鍵を開けた。 玲香が部屋に入ってくる。きょろきょろと室内を見回す様子もなく、ただ少し落ち着かない様子で立っている。 慎吾:「何を落としたんですか?」 静寂。 玲香は少しの間黙っていた。それから、ゆっくりと顔を上げた。 玲香:「ごめんなさい。落とし物してしまったって言ったのは、嘘です。」 慎吾:「はい?」 玲香は恥ずかしそうに視線を床に落とした。 玲香:「…荷物を受け取りに行った時からずっと気になってたことがあって。」 慎吾:「気になってたこと?」 玲香がゆっくりと近づいてきた。 そしてそのまま慎吾の胸に顔を埋めるようにして静かに抱きついた。 慎吾:「え、ちょ——。」 玲香の声が首元のあたりから聞こえた。 玲香:「この匂い…なんですか?」 玲香:「朝からずっと気になってて。搬出の時も、搬入の時も。なんの匂いなのか、どうしても知りたくて。」 慎吾は少し固まっていたが、徐々に状況を理解し始めた。 慎吾はそっと玲香を離しテーブルの上に目をやった。 慎吾:「……これです!」 玲香に差し出すように持ち上げる。 慎吾:「ステラホワイトっていう練り香水です」 玲香はそっと受け取った。まじまじと見て蓋をゆっくりと開ける。そして鼻を近づけた。 玲香:「……っ。」 目が細くなる。 玲香:「やばい。本当に好きな匂いです、これ。」 玲香:「練り香水ってどうやって付けるんですか? 試しにつけてみてください。」 慎吾:「こうやって、指に少し取って……」 慎吾は人差し指で中身を少量すくい、手首の内側にゆっくりと塗り込んだ。そ れから首元にも。香りが再び空気に広がる。 慎吾:「こんな感じで付けてます。」 玲香の目が慎吾の首元に吸い込まれるように向いた。 玲香:「……。」 玲香はゆっくりとさっきよりも迷いのない動作で再び慎吾に近づいた。 今度は首元に顔を寄せ深く息を吸い込む。 玲香:「くんくん……。」 玲香:「くんくん……っ。」 慎吾(心の声):「玲香さん?」 玲香の理性がステラホワイトの香りによって少しずつ侵食されていった。 正確にはもともと今日一日、ずっと気になっていたものが今この瞬間に決壊した。ということだった。 慎吾は後ろに一歩引いたが、まだ荷解きの終わっていない部屋の中、段ボールにかかとが当たって踏みとどまれなかった。 そのままバランスを崩し 慎吾:「うわっ——。」 荷解きが終わっていない部屋の床の上に、ゆっくりと倒れ込んだ。 玲香はそのまま慎吾の上に覆いかぶさるように手をついた。 玲香:「ほんとにごめんなさい。でも我慢できなくて。」 慎吾は天井を見上げながらぼんやりと答えた。 慎吾:「……いや。」 言葉が出てこなかった。 玲香は慎吾の目をまっすぐ見てそっと唇を近づけキスをした。 それからも玲香は止まらない 男性の手を取り自らの胸を触らせる それから後のことは・・・(男性の上に乗る女性。お互いの服はその場に脱ぎ捨てられてシルエットで表す) 第四幕:事後と放心 どれくらい時間が経ったのか、慎吾にはよくわからなかった。 玲香は静かに身を起こし部屋の隅で衣服を整えた。慎吾はその様子をぼんやりと眺めていた。 玲香:「今日のこと、ご迷惑をおかけしてすみませんでした。」 慎吾:「いや。」 また同じ答えしか出てこなかった。 玲香:「ムーン引越社をご利用いただき、ありがとうございました。」 慎吾:「こちらこそ。」 玲香は玄関で靴を履き静かにドアを開けた。振り返ることなく廊下に消えていく。 慎吾は床に寝転がったまま、しばらくじっとしていた。 テレビはまだついていた。バラエティ番組の笑い声が空虚にリビングに響いている。 ピザはすっかり冷めていた。 慎吾:「まさかこんなことになるとは。」 ゆっくりと体を起こし座椅子に腰を下ろす。視線がテーブルの上へ向いた。 ステラホワイトを手に取りしばらく眺めた。 慎吾:「Amazonで人気のステラホワイト買って正解だったわ。」 一人でつぶやく。 慎吾:「これはリピート確定だな。」 慎吾は冷めたピザを一切れ手に取ってかじる。 慎吾:「うん、冷めてもそんなに悪くない。」 窓の外には夜の街の灯りが広がっていた。新しい街。新しい部屋。新しい生活。 そしてなかなか刺激的な一日目 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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東京・中野区。築14年の2LDKマンションの一室。 剛志が仕事から帰宅する。玄関を開けた瞬間、靴が3足ほど脱ぎっぱなしになっているのが目に入る。リビングに足を踏み入れると、テーブルの上には空のペットボトルが5本、読みかけの雑誌、開封済みのポテチの袋。ソファの上にはクリーニングから取ってきたまま放置されたワイシャツが2枚。 キッチンはシンクに食器が積み上がり、コンロの周りには油汚れが干からびている。風呂場はドアを開けるのが少し怖い状態だった。 剛志はその惨状をぐるりと見渡し、深いため息をついた。 剛志(心の声):「……ヤバい。本格的にヤバい。」 冷静に考えてみると、最後にまともに掃除をしたのがいつだったか、もはや思い出せない。GWだったような気もするが、今は10月である。 剛志はスマホで「家事代行サービス」を検索した。いくつかのサービスが出てくる中、「おそうじ天使」というサービスが目に留まった。口コミも良い。 剛志:「……頼むか。」 第二幕:天使、降臨 予約した当日の土曜日、午前10時。インターホンが鳴る。 剛志は緊張した面持ちでドアを開けた。 そこに立っていたのは、小柄で愛嬌のある笑顔の女性だった。エプロンを手に持ち、キャリーバッグには掃除用具一式が入っている。 美咲:「おそうじ天使の佐藤美咲と申します。本日はよろしくお願いします!」 剛志:「あ、よ、よろしくお願いします……田中です。」 美咲が室内に入った瞬間、わずかに目が細くなる。 美咲(心の声):「……来た。これは来た。レベル7だ。」 おそうじ天使社内では、部屋の散らかり度合いを独自の10段階で評価する文化がある。美咲の目利きによれば、この部屋はレベル7「本人が現実逃避している段階」である。 しかし美咲はプロフェッショナルだ。表情一つ変えず、にこやかに言った。 美咲:「それでは早速、始めさせていただきますね。ご希望の通り、掃除機がけ、水回り全般、ゴミ出しをやらせていただきます。田中さんはご自由にお過ごしください。」 剛志:「あ、はい。お願いします。……すみません、こんな部屋で。」 美咲:「全然大丈夫ですよ! むしろやりがいがあります(ニコッ)」 剛志(心の声):「"やりがいがある"って、それ一番キツい言い方じゃないか……?」 美咲はまず掃除機を手に取り、リビングから始める。ペットボトルを拾い、雑誌を積み、クッションを整える。手際が鮮やかで、剛志はその動きに何となく見惚れてしまった。 剛志はソファの隅に身を縮めてスマホをいじりながら、ちらちらと美咲を観察していた。 剛志(心の声):「なんか……すごいな、プロって。俺があの雑誌を読んで以来ずっとそこに置きっぱなしにしていたのに、スッと整理した。俺の12年間はなんだったのか。」 しばらくすると、美咲がキッチンに移った。シンクの食器を洗い始めた音が聞こえてくる。ガサゴソ、ジャー、キュッキュ。 第三幕:掃除完了 3時間後。 リビングはテーブルも床も綺麗に拭かれ、ソファのクッションも整然と並んでいる。キッチンのシンクはピカピカに磨かれ、コンロの油汚れも消え去った。トイレと風呂場は言わずもがな、白く輝いている。ゴミはすべてまとめられ、外の収集所へ。 剛志は部屋を見渡して思わず目を丸くした。 剛志:「これが俺の部屋?」 美咲:「お疲れ様でした!一通り終わりました。何かご不明な点はございますか?」 剛志:「いや、もう……完璧です。ありがとうございます。本当に。」 美咲がエプロンを外し、帰り支度を始めようとしたその瞬間だった。 美咲:「あの……ずっと気になっていたのですが。」 剛志:「はい?」 美咲:「この清潔感のある香りって……なんですか?ずっと気になってて。」 剛志は一瞬きょとんとした。自分のことを言われているとは思わなかったからだ。 剛志:「え……これのことですか?」 剛志はなんとなく手首を美咲の前に差し出した。 美咲は少しかがんで、すっと鼻を近づけた。 美咲:「……っ。」 息を飲む美咲。 美咲:「すごいいい匂い。なんていう香水ですか、これ?」 剛志:「あ、ステラホワイトっていうんですけど。」 剛志は最近モテ始めた同僚の男性から「これオススメだよ」とステラホワイトを教えてもらいAmazonで購入したばっかりだった 美咲:「ステラホワイト……。」 美咲は恍惚としたような表情でその名前を繰り返した。 剛志はその反応に少し戸惑いながらも、内心では松本への感謝が急速に膨らんでいた。 剛志(心の声):「俺にも……モテ期が!?」 その思考が完結する前に事態は動いた。 美咲:「ハァ……ハァ……ハァ……。」 気づけば美咲は剛志に向かって一歩詰め寄り、そのままぎゅっと抱きついていた。 剛志:「えっ、ちょっ——!?」 美咲は剛志の首元に顔を埋め、クンクンと匂いを嗅いでいる。 剛志:「え、えーーーー!?」 美咲:「くんくん……くんくん……。」 剛志(心の声):「これは……なんだ!?犬か!?俺は今、嗅がれてるのか!?」 数秒間の混乱ののち、美咲はハッと我に返り、さっと剛志から離れた。 美咲:「っ!ご、ごめんなさい!あの、興奮してうっかり抱きついちゃいました。」 剛志:「あ……いや……」 美咲:「本当に申し訳ないです。業務中にあるまじき行為で。今日のことは会社には黙っておいていただけますか?」 剛志:「わかりました。」 美咲:「ありがとうございます。」 美咲は深呼吸をしてどこか覚悟を決めたような顔になった。 美咲:「お詫びといってはなんですが。」 剛志:「え。」 美咲:「田中さんの"息子さん"のお掃除もしてあげますよ。」 剛志:「……。」 剛志(心の声):「息子?子供いないんだが。」 0.5秒後。 剛志(心の声):「あっ。」 理解が追いついた瞬間、美咲はにこりと微笑み剛志のズボンに静かに手をかけた。 第四幕:特別サービス ジュボジュボジュボ(この部分の描写はシルエットなどにして誤魔化すように描く。脱いだズボンだけが床に置かれている) 美咲:「お掃除、完了です。」 美咲:「ご満足いただけましたか?」 剛志:「……はい。」 美咲はスッと立ち上がりエプロンを畳んでキャリーバッグに収めた。 美咲:「本日は"おそうじ天使"のご利用、誠にありがとうございました。」 剛志:「こちらこそ。」 美咲:「またのご利用、お待ちしております。」 そう言ってぺこりとお辞儀をし美咲は玄関で靴を履きドアを開けて振り返らずに去っていった。 エピローグ:放心と決断 剛志は、ピカピカに磨かれたリビングのソファに深く沈み込み、天井を見上げた。 剛志(心の声):「……今日は何だったんだ。」 ボーッと放心状態になる剛志。 5分が経過した。 10分が経過した。 剛志はようやく現実に帰還し始めゆっくりとスマホを手に取った。何となくAmazonを開いた。 検索欄に「ステラホワイト」と打ち込む。 商品ページが表示される。在庫あり。 剛志(心の声):「……売り切れる前にもう1個買っておくか。」 カートに追加。即購入。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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第一幕 なんで付き合ったの? 出会いというのは、往々にして説明しにくいものだ。 橘あかりと藤堂健一が付き合い始めたのは、半年ほど前のこと。共通の友人の飲み会で隣になり、気づいたら連絡先を交換していた。年の差14歳。周りには少し驚かれたが、当人たちは至って自然な流れだと思っている。 ある休日の昼下がり、あかりの部屋でひかりが姉に詰め寄っていた。 ひかり:「ねえ、なんで付き合ったの?」 あかり:「普通に好きだから付き合ったんだけど」 ひかり:「だから、なんで好きになったのかってこと。きっかけ」 あかりは少し照れくさそうに笑った。 あかり:「最初に会った時に、〇〇がして。それで気になって好きになってた」 ひかりは眉をひそめた。 ひかり:「意味わかんない。それで好きになるなんて私には絶対ありえない」 断言するひかり。 第二幕 趣味が似すぎている姉妹 一卵性双生児というのは、外見だけでなく中身まで似るらしい。 橘姉妹の場合、好きな食べ物(辛いもの全般)、苦手な食べ物(セロリ)、好きな映画のジャンル(サスペンス)、そして男性のタイプまで驚くほど一致していた。 それでもひかりは姉が彼氏を好きになったきっかけだけは理解できなかった ひかり:「近いうちちゃんと紹介してよね」 あかり:「わかってるって」 第三幕 運命の抱擁 数週間後の土曜日。 3人の待ち合わせ場所は、駅前の広場だった。健一は少し早めに到着し辺りを見回した。 遠くに見慣れた後ろ姿。 健一:(あ、あかりだ) 健一は迷わず近づいた。後ろからそっと近づき、その肩をぎゅっと抱きしめた。 健一:「お待たせー」 女性:「えっ! 誰ですか!?」 声が、違った。 健一の全身の血が、一瞬で引いた。 振り返ったのは、確かにあかりと同じ顔をしていたが——目が、完全に据わっていた。 ひかり:「……あなた誰ですか」 健一:「す、すみません! 彼女と間違えて!」 ひかり:「彼女?」 健一:「あかりさんの……彼氏の藤堂です……本当に申し訳ありません……」 ひかりは数秒間、健一の顔を無言で見つめた。 ひかり:「……双子の妹のひかりです」 健一:「本当に申し訳ありませんでした!」 健一は深々と頭を下げた。90度以上は確実に曲がっていた。 その様子を数メートル先から目撃していたあかりが、小走りで近づいてくる。 あかり:「ふ、藤堂くん? ひかりに何してるの?」 健一:「違うんです! あかりさんだと思って」 あかり:「……抱きついたの?」 健一:「……はい」 あかりはひかりを見た。ひかりはあかりを見た。 3秒の沈黙の後、あかりが口を開いた。 あかり:「まあ……双子だしね」 ひかり:「そうだね……双子だしね」 健一:「本当にすみませんでした」 健一は再び頭を下げた。今度は100度くらい曲がっていた。 第四幕 ご飯屋にて 気まずさを振り払うように、3人は近くのイタリアンレストランに入った。 パスタを頼み、ワインを開け、会話が少しずつ弾み始める。あかりがいるおかげで、場の空気はなんとか保たれていた。 あかり:「ひかり、藤堂くんどう?」 ひかり:「……まあ、普通にいい人そう」 健一:「さっきのこと、本当に申し訳なくて」 ひかり:「もういいですよ。双子ですし」 笑い飛ばすひかり。しかし心の中では、まったく別のことを考えていた。 ひかり(心の声):(……あの匂い) 後ろから抱きしめられた瞬間、鼻腔をくすぐった甘くて落ち着く香り。 驚きと動揺で咄嗟に振り払ったが、あの感覚はまだ体に残っていた。 ひかり(心の声):(なんだろう、あれ) あかりが言っていた言葉を思い出す。 最初に会った時にすごく良い匂いがして。それで気になって... ひかり(心の声):(まさか、ね) ひかりはワインを一口飲んで、その考えを頭の奥に押し込んだ。 第五幕 こぼれた本音 食事を終え、3人で駅へと向かった。 改札前まで来たところで、あかりが立ち止まった。 あかり:「ごめん、トイレ行ってくる。ちょっと待ってて」 健一:「わかった」 あかりが人混みの中へと消えていく。 残された健一とひかり。改札前の人の流れを眺めながら、2人は並んで立った。 ひかり:「あの、最初に会った時から気になってたんですけど...」 健一:「はい?」 ひかり:「付けてる香水ってなんていうやつですか?」 健一:「ステラホワイトという練り香水です」 男性はAmazonでステラホワイトを買う前までは女性経験は皆無だった。 ひかり:「その香水もう一度だけ嗅いでもいいですか」 健一:「え?」 ひかり:「変なこと言ってるのわかってるんですけど」 健一は苦笑しながら少し首元を傾けた。 ひかりがそっと顔を近づけ息を吸う。 ひかり:「やっぱりいい匂い」 ひかり(心の声):(姉ちゃんの言ってたこと、今ならわかる気がする) 顔を上げると健一と目が合った。 2人の距離がさっきより少し縮まっていた。 ひかり:「一応、連絡先交換しませんか?」 健一:「いいですよ」 スマホを取り出す2人。 ひかり(心の声):(一応、って言葉使ったけど、全然一応じゃない) LINEのIDを交換し終えた瞬間、あかりが人混みから戻ってきた。 あかり:「お待たせー!」 2人は何事もなかったように、さっと視線を外した。 その後 最初にLINEが来たのは、3日後だった。 ひかり:「この前はありがとうございました」 他愛もない挨拶のつもりだった。しかし返信が来て、また返して、気づいたら1時間が経っていた。 それから2人は、あかりには内緒で時々会うようになった。 ランチ、散歩、夕食。どこにでもあるような、ごく普通の時間。 ある夜、近所の小さなバーで並んで座っていた時のこと。 店内は薄暗く席が狭かった。自然と2人の距離が近くなる。 ひかりが健一の肩にそっと頭を預けた。 健一:「どうしたの?」 ひかり:「今日疲れたので」 そのまま動かないひかり。 しばらくして息を吸う音がした。 ひかり:「やっぱりいい匂いだ」 健一:「また始まった」 ひかり:「だって本当にいい匂いなんですもん」 もう一度、深く息を吸い込む。 ひかり:「ハァ……」 あかりが初めて健一の香りを嗅いだ時も、こんな顔をしていた。 目を細めてどこかとろんとした表情で。 健一(心の声):(……やっぱ姉妹だな) ひかり:「ねえ」 健一:「なに?」 ひかり:「今日、もう少しだけ一緒にいてもいいですか」 健一:「……いいですよ」 2人はそのままホテルへと向かい濃密な時間を過ごした。 翌朝、2人はホテルを出て ひかりは帰り際に振り返った。 ひかり:「ねえ、その香水」 健一:「うん?」 ひかり:「一生やめないでくださいね」 健一は苦笑した。 健一(心の声):(Amazonで定期便にするか) #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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平日の夕方、午後5時過ぎ。 夏の太陽はまだ高く、アスファルトから熱気が立ち上る。会社帰りのサラリーマンや買い物帰りの主婦が行き交う、駅前の歩道。 会社員の吉岡 達也は、ネクタイを少し緩めながら駅へ向かって歩いていた。 スマホにLINEの通知が来たのに気づき吉岡はポケットに手を突っ込んだ。 スマホの感触を確認しすっと引き抜いた——その瞬間だった。 かさっ。 何かが足元に落ちた。 吉岡は落ちたことに気が付かなかった。 ちょうどその瞬間、向かいから歩いてきた女性とすれ違ったタイミングで その女性が、しゃがんでそれを拾い上げた。 橘 沙耶は手の中のものをじっと見てから 橘:「あの、落としましたよ」 吉岡はゆっくりと振り返った。 橘の手の中には、紛れもなくコンドムーが1つ。 吉岡は昨夜、ホテルにデリを呼んだ際、アメニティとして置いてあったコンドムーをポケットに入れたまま、今日の今まですっかり忘れていたのだ。 吉岡は人生で最大レベルの羞恥を体験した。夏の熱気より明らかに顔が熱かった。 吉岡:「あああ、すみません……っ」 顔を真っ赤にしながら手を差し伸べた吉岡。 しかし橘はコンドムーを持つ手をすっと引っ込めた。 吉岡:「え?」 橘は首を傾け少し楽しそうな表情で吉岡を見た。 橘:「使う予定でもあるんですか?」 吉岡:「いえ、ないです」 橘:「ふーん」 一拍の間があった。 橘はゆっくりと上目遣いで吉岡を見上げ、静かに口を開いた。 橘:「それじゃ……今から使いますか?」 吉岡:「はっ!?」 吉岡の頭が一瞬、真っ白になった。 吉岡:「か、揶揄わないでください」 橘:「本気ですよ」 橘は笑みを消し真っすぐな目で吉岡を見た。 橘:「私で使ってください」 その目は、冗談を言っている目ではなかった。吉岡はフリーズした後、静かに覚悟を決めた。 第二幕:ホテルにて 駅前のラブホテルに入った二人。 部屋に入ると吉岡はソファに腰を下ろした。 橘も隣に静かに座る。 沈黙が数秒流れた。 吉岡:「……あの、一つ聞いてもいいですか」 橘:「なんですか?」 吉岡:「なんで……俺なんかと、こういうことをしようと思ったんですか?」 橘は少し考えるように視線を落とし、それからふわりと吉岡に抱きついた。 橘:「コンドムー拾った時からずっと……いい匂いがして、それが気になって」 橘:「もっと近くで嗅いでいたいって思ったんです」 吉岡:「……匂い?」 吉岡は思い出した。 〔回想〕 昨夜の帰宅後、Amazonから届いたステラホワイトを 今朝、出社前に洗面台の前で少量取って首元に塗っていた。 それだけだった。 〔回想終わり〕 吉岡:「……なるほど」 橘は吉岡の首元に顔を埋め、もう一度深く息を吸い込んだ。 橘:「ハァ……ほんとにこの匂い好き」 橘はそっとソファから立ち上がり、吉岡の手を引いた。 夕日が完全に沈む頃にはベッドサイドにコンドムーの空き袋が静かに置かれていた。 第三幕:別れ際 ホテルを出ると、夜の帳が下りていた。 街灯が点き始め、駅前が賑やかになってくる時間帯。 二人は並んで駅まで歩いた。 橘:「今日はありがとうございました」 吉岡:「いや、こちらこそ」 改札の前で立ち止まった橘は吉岡を振り返った。 橘:「また今度しましょうね」 吉岡:「……えっ、また?」 橘:「その香水また付けてきてください」 橘は笑顔を残して改札を通り抜け人混みの中へと消えていった。 吉岡はしばらくその場に立ち尽くした。 終幕:電車の中で 帰りの電車。 窓の外を流れる夜景をぼんやりと眺めていた。 吉岡(心の声):「最高な1日だった」 コンドムーをポケットに入れたまま出勤した朝から、こんな夜になるとは。人生とはまったく予測がつかないものだ。 吉岡(心の声):「ステラホワイト…ありがとう」 END #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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10月の夜、22時過ぎ。 長野の実家で母親の手料理をたらふく食い、ほどよい眠気と戦いながら村瀬康介は東京へ向けてハンドルを握っていた。カーラジオからは深夜のジャズが流れている。 山間の国道は対向車すらほとんどない。街灯の間隔が広く前方は闇が続くばかり。 そんな道の先にぼんやりと人影が見えた。 康介:「んっ?こんな所に誰かいる?」 眠気が一瞬で吹き飛んだ。速度を落としながらゆっくりと近づくと、若い女性がこちらに向かって手を振っていた。 康介:「こわっ」 反射的にアクセルを踏んだ。通り過ぎた。 しかしバックミラーに映る女性の姿が、なぜか頭から離れない。こんな時間、こんな場所に、女の子が一人でいるのは、さすがにまずいのではないか。 康介:(……まあ、怪しくはあるけど) 50メートルほど進んだところで康介はハザードランプを点けた。 車が停まったのを見て女性が小走りで近づいてくる。 康介は窓を「ちょっとだけ」開けた。 防犯上、あくまでちょっとだけ。 第二幕 事情聴取 康介:「こんな時間にここで何してるの?」 女性は少しうつむいてから答えた。 ひな:「彼氏と喧嘩して、車から降ろされちゃいました」 康介:「……降ろされた?ここで?」 ひな:「はい。千葉の方に住んでるんですけど、途中まででも良いので乗せてくれたりしませんか?」 康介は女性を改めてまじまじと見た。20代前半くらいだろうか。どう見ても「夜道で車を乗っ取るタイプ」には見えない。 康介:「自分、東京なので。送ってあげますよ」 ひな:「ありがとうございます。本当に助かります」 女性が助手席に乗り込む。 第三幕 車内の空気 走り出してしばらくは2人ともほとんど喋らなかった。カーラジオのジャズだけが流れている。 沈黙に耐えきれなくなった康介が口を開いた。 康介:「彼氏と何で喧嘩したの?」 ひな:「言い合いになって売り言葉に買い言葉で『もういい降りる』って言ったら本当に降ろされて」 康介:「それは災難だったね」 ひな:「ですよね。普通降ろさないですよね?」 康介:「降ろさない。絶対降ろさない」 ひな:「でしょ!」 車内の空気が少しずつ柔らかくなっていった。 第四幕 予想外のお願い 東京のネオンが見え始めた頃、ひなが静かに口を開いた。 ひな:「住んでるの東京なんですよね?よかったら家に泊めてくれませんか?」 康介:「千葉まで送らなくていいの?」 ひな:「千葉までだと通り過ぎるし、大変ですよね?だから泊めてもらえれば明日電車で帰ります」 康介:「そんな気にしなくて大丈夫だよ!千葉まで送るよ」 そう言った瞬間、ひなが寂しそうな顔をした。 少し間があった。 ひな:「あの、大変だからって理由じゃないんです」 ひな:「今日は一緒にいたくて。だから泊めてほしいです」 康介の手が一瞬ハンドルの上で固まった。 康介:「……そこまで言うなら、仕方ないですね」 ひなが、ぱっと顔を明るくした。 第五幕 男のひとり暮らし 康介のマンションに着いたのは、夜中1時を回った頃だった。 1LDK、独身男のひとり暮らし。 康介:「適当にくつろいでいいよ!」 ひな:「はい。お邪魔します」 康介はキッチンでお茶を用意した。湯呑みを2つローテーブルに置く。 康介:「どうぞ」 ひな:「ありがとうございます」 2人はしばらく、たわいもない話をした。 康介:「今日は疲れたしもう寝るね。寝る場所はソファでいい?」 ひな:「はい、大丈夫です。布団とか気にしないでください」 康介は寝室へと向かいベッドに倒れ込む 第六幕 深夜の来訪者 ベッドに入って30分ほど経った頃、寝室のドアがゆっくりと開いた。 康介:「どうしたの?」 ひなは何も言わず、ベッドに近づいてくる。そしてそのまま、康介の隣にするりと横になった。 康介:(え、) ひな:「今日は本当にありがとうございました」 康介:「全然気にしなくていいよ」 少しの間が流れた後、ひなは康介の腕にぎゅっとしがみついた。 康介:「ちょっ!別に見返りを求めて乗せてあげたわけじゃないよ」 ひな:「そういう理由じゃないですよ」 そう言ってひなは康介の首元に顔を寄せた。 すん、と息を吸う音。 もう一度。 またもう一度。 ひな:「車に乗せてもらった時から思ってたんですけど、これって何の匂いなんですか?」 康介:「ステラホワイトっていう練り香水です」 ひなは返事もせず、さらに何度も匂いを嗅いだ。 ひな:「ハァハァ……好きすぎる匂いで」 康介(心の声):(呼吸が荒くなってるんだけど大丈夫か?) ひなが康介をまっすぐ見つめた。 ひな:「抱いてほしいなって思って……」 暗い部屋の中、2人の視線が交わった。 康介:「……いいの?」 ひな:「はい」 康介の手がひなの肩にそっと回った。ひなはそれに応えるようにさらに深く体を預けてくる。 2人は静かに体を寄せ合った。 エピローグ 翌朝、柔らかい日差しが寝室に差し込んでくる。 康介はゆっくりと目を覚ました。隣を見ると、ひなが穏やかな寝顔でまだ眠っている。 康介(心の声):(まさかヒッチハイクしてる子を乗せたら、こんなことになるとはな) 康介(心の声):(ステラホワイトに感謝) 康介:「Amazonでもう1個注文しておくか」 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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7月某日。梅雨明け直後の蒸し暑い日のこと 西村沙織がこのアパートの大家になったのは、3年前に父親から引き継いだのがきっかけだった。古びた木造2階建て、全6室。正直、資産価値としては大したことはない。それでも亡き父が大切にしてきた建物だから、沙織もまた丁寧に管理してきた。 そして沙織自身も、1階の角部屋に住んでいる。大家が住み込みというのも、今どき珍しい話だ。 夕方、沙織は通帳を開いた。毎月恒例、入金確認の作業である。 沙織:「えーと……101号室、102号室……あれ?」 眉をひそめる沙織。 沙織:「201号室、桐島さん……入ってない」 沙織:「滞納したことなんてない人なのに、どうしたんだろう」 もともと几帳面な沙織は、各部屋の入金状況をノートに手書きで管理していた。過去の分のノートをめくっても、桐島隆の欄に空白があったことは一度もない。それだけに、今回の件は少し心配だった。 第二幕 催促、のつもりが… 午後7時を過ぎた頃。 沙織:「そろそろ桐島さん、帰ってきたかしら」 夏場のアルバイトは体に堪える。夜遅くなる日もあるだろうと思い、沙織はここまで待っていた。決して怒っているわけではない。ただ、何かあったなら心配だ、という気持ちの方が勝っていた。 階段を上り、2階の角部屋へ向かう。 ピンポーン 廊下に響くインターホンの音。しばらくして、ドアが開いた。 現れたのはくたびれたTシャツに半ズボン姿の桐島隆 桐島:「……あ、大家さん」 沙織:「桐島さん、今月の家賃の振り込みがなかったのですが、どうされましたか?」 桐島:「あー……それなんですけど」 桐島は頭をかきながら、情けなさそうな表情で口を開いた。 桐島:「申し訳ないです。先月インフルエンザにかかって、治ったと思ったら今度は足の骨にヒビが入ったりで……まともにバイトできずで」 沙織:「えっ、それは大変でしたね」 桐島:「今月はもう体も治ったので一杯働きます。来月分と合わせてまとめてお支払いします」 沙織:「……わかりました。でも無理はしないでくださいね」 沙織:(インフルで骨折まで……踏んだり蹴ったりだ。この人) 第三幕 肉じゃがの罠(本人は気づいていない) 部屋に戻った沙織。キッチンには今日の夕飯として作った肉じゃがが、鍋いっぱいに入っていた。 沙織:「……多く作りすぎちゃったな」 と言いながら、沙織はタッパーを取り出した。 気づけば肉じゃがをタッパーに詰め、再び2階へ向かっていた。 ピンポーン 桐島(心の声):「ん?今度は誰だ?」 のぞき穴を覗くと、大家さんが立っている。両手にタッパーを抱えて。 桐島(心の声):「また催促か?」 おそるおそるドアを開ける桐島。 桐島:「……はい?」 沙織:「あのー、夕飯ってもう食べられましたか?」 桐島:「いえ、これからです」 沙織はタッパーを差し出した。 沙織:「よかったらこれ食べてください。肉じゃがです」 桐島:「えっ、良いんですか?」 沙織:「大変だと思うので、栄養つけて頑張ってください」 桐島(心の声):(大家さんって…こんないい人だったのか) 桐島は心から感謝した。骨折してインフルにかかって家賃も払えない散々な夏の唯一の光明のように感じた。 しかし実際のところ沙織が肉じゃがを持ってきたのは善意3割、残りは別の理由だった。 第四幕 タッパーを返しに 肉じゃがを平らげた桐島はタッパーを洗い、1階の沙織の部屋へ返しに行った。 桐島:「ありがとうございました。美味しかったです」 沙織:「よかったです」 桐島がドアを閉めようとした、その瞬間。 沙織の手が桐島の腕を掴んだ。 桐島:「…?」 沙織:「よかったら、中に入ってお茶でも飲みませんか?」 桐島:「えーっと、入っていいんですか?」 第五幕 大家の部屋にて 沙織の部屋は清潔で小ぎれいだった。棚には推しのグッズが整然と並んでいる。桐島は「ああ、こういう人なんだな」と妙に納得した。 ソファに並んで座り麦茶を飲む2人。 沙織:「家賃の件なんですけど……」 桐島(心の声):(やっぱり! 催促するために部屋に入れたのか! 肉じゃがは懐柔策だったのか!) 桐島が覚悟を決めようとしたその瞬間。 沙織:「今回払えなかった分は……必要ないです」 桐島:「……はい?」 沙織:「払わなくていいです」 桐島:「どういうことですか?払わなくていいんですか?」 沙織:「はい。その代わり……」 沙織は一度、深く息を呑んだ。 ゴクリ。 沙織:「私のこと、抱いてくれませんか?」 桐島の頭の中が真っ白になった。 麦茶のコップを持ったまま3秒ほどフリーズした後、桐島はゆっくり我に返った。 桐島(心の声):(今、なんて言った?) 第六幕 ステラホワイトの告白 沙織は少し照れながら桐島の首元に顔を近づけた。 沙織:「最初に催促に行った時から、ずっと気になってて…この香り、なんですか?」 桐島:「えっと、ステラホワイトっていう練り香水です」 沙織:「練り香水?」 桐島:「最近彼女ができたっていう友人にオススメされてAmazonで買ってみたんです。なんかモテるらしくて」 沙織:「本当にいい匂い」 気づけば沙織は桐島の首元に手を回し、ぎゅっと抱きついていた。 沙織:「本当にいい匂い。私のこと、抱いてくれますか?」 桐島は戸惑った。しかし1ヶ月分の家賃が免除されるという現実的な側面も頭の片隅でしっかりと計算していた。 人間、追い詰められると合理的になるものだ。 桐島:「わかりました」 第七幕 夏の夜の出来事 桐島は沙織の唇にそっとキスをした。 桐島の手が沙織の肩をそっと押すと沙織はゆっくりとソファに身を沈めた。見上げる形になった沙織と、見下ろす形になった桐島の視線が一瞬だけ交差する。 桐島の手が、ためらいがちに沙織の胸元へと伸びた。 沙織:「あぁ~ん……」 その声は、思っていたより大きかった。 桐島(心の声):(……壁、薄くないよな、このアパート) この後のことは薄い壁に守られたご近所にはどうかバレていないことを祈るばかりである。 エピローグ 時計の針が深夜を指す頃、桐島は服を着て自分の部屋へと戻っていった。 天井を見つめながら数分間放心した。 それからスマホを手に取った。 LINEを開く。友人の名前を探す。 桐島:「ステラホワイト教えてくれてありがとう」 既読がついたのは、翌朝だった。 友人からの返信はこうだった。 友人:「どうした急に笑 やっぱよかったか?」 桐島:「よかった。色々と」 友人:「色々って何?」 桐島は既読スルーした。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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土曜日の午後3時。駅前の広場。 さなはスマホのアプリ画面を確認しながら、待ち合わせ相手を探していた。 山口さな(心の声):「(プロフィール写真だと40代っぽい感じの人だったけど……どこかな)」 推しのライブグッズ代、遠征費、円盤代——バイト代だけではどうにも追いつかない出費が重なり、さなはここ2ヶ月ほどパパ活アプリを使っていた。もちろん彼氏の蓮には内緒だ。 さな(心の声):「(蓮にはぜったい言えない。でもしょうがない。推し活のためだし)」 足音が近づいてきた。 さな:「初めまして……?」 顔を上げた瞬間、さなの時間が止まった。 藤原健吾:「はじめまし……えっ!?なんでさなちゃんがここに!?」 さな:「……え」 さな(心の声):「(お、お父さん!???)」 そこに立っていたのは紛れもなく彼氏・蓮の父親、藤原健吾だった。 Scene 2|気まずいカフェ 健吾:「立ち話もあれだから、とりあえずお店入ろうか」 さな:「はい」 2人は無言のまま近くのカフェに入り窓際の席に向かい合って座った。 運ばれてきたコーヒーに誰も手をつけない。 沈黙が重かった。 健吾:「なんでパパ活してるの?」 さな:「推し活してて、バイト代だけじゃ足りなくて」 健吾:「蓮は知ってるの?」 さな:「いえ、秘密にしてます」 また沈黙。 さな:「お父さんはなんでパパ活してるんですか?」 健吾:「若い女性とお話ししたい時もあるから、たまにこうやって大人なしの健全でやってるんだよね」 さな:「健全」 健吾:「健全だよ。ご飯食べてお話しするだけ」 さな(心の声):「(私もそのつもりだったけど…まさか相手がお父さんとは)」 2人は同時にコーヒーを一口飲んだ。 健吾:「蓮には言わないでおくよ」 さな:「私も言いません」 健吾:「じゃあお互い様だね」 さな:「はい」 緊張がほんの少しだけほぐれた。 Scene 3|いつもと違う さなは改めて健吾を見た。 蓮の家で何度か会ったことはある。部屋着姿で「おう、いらっしゃい」と言っていた姿しか知らなかった。 でも今日の健吾は 山口さな(心の声):「(なんか……全然違う)」 ジャケットのシルエットがきれいだった。いつものラフな父親の姿とはまるで別人のようだった。 山口さな(心の声):「(普通にオシャレだ)」 そして席に座って向かい合った瞬間からずっと気になっていたことがあった。 山口さな(心の声):「(なんか良い匂いがする)」 いつも蓮の家で会う健吾からこんな匂いがしたことは一度もなかった。 山口さな(心の声):「(なんか……ドキドキする。お父さんなのに)」 自分の感情に気づいてさなは慌てて視線をコーヒーカップに落とした。 会話をしていてもさなの意識はずっとあの香りに引っ張られていた。 山口さな(心の声):「(気になる。なんの匂いなんだろう)」 Scene 5|匂いの正体 さな:「あの今日、何かつけてますか?」 健吾:「ん?」 さな:「さっきから匂いがすごくいいなと思って」 健吾:「あ、バレた(笑)。練り香水だよ。ステラホワイトっていうやつ」 健吾:「Amazonで人気だったから買ってみたんだ」 さな:「練り香水…」 Scene 6|閾値を超えた午後 1時間ほどカフェで会話をしカフェを出た。 健吾:「じゃあ気をつけてね」 さな:「はい」 でもさなは動かなかった。 山口さな(心の声):「(ダメだ。全然頭から離れない)」 隣に立つ健吾からまた例の香りがした 山口さな(心の声):「(蓮のことも、パパ活のことも、全部どうでもよくなってきた。これ絶対おかしい)」 自分でもわかっていた。これは正気の判断ではないと。 でもさなの口は勝手に動いた。 さな:「あの」 健吾:「うん?」 さな:「このままで終わるの、なんか嫌で」 健吾:「え?」 さな:「2人だけの秘密もう一個増やしませんか」 沈黙。 健吾:「2人だけの秘密って?」 さな:「付いてきてください」 そう言うと、さなは歩き出した Scene 7|鍵をもらう夜 駅前から離れるとそこはラブホテル街。 健吾(心の声):「おいおいマジか」 健吾:「ちょ、2人だけの秘密ってまさか?」 さな:「ダメですか?」 健吾:「ダメじゃないけど...」 健吾は覚悟を決めた。 フロントで鍵を受け取り部屋へと入った。 健吾はジャケットをハンガーにかけ窓の外の夜景を眺めた。 さなはベッドに腰を下ろし健吾の方を手招きした。 健吾が隣に座るとさなはゆっくりと顔を近づけ、健吾の首元に鼻先をそっと寄せた。 健吾:「……ちょっと」 さな:「ハァ……」 健吾:「緊張するからやめて」 さな:「……ずっと嗅いでたかった」 さな:「ハァ……」 その後2人はお互いのパートナーには決して話せない時間を過ごした。 Scene 8| ホテルを出たのは20時ごろ。 2人の秘密がまた一つ増えた。 さなが帰るのを見送った後 タクシーに乗り込む健吾は車窓を流れる街を眺めた。 健吾(心の声):「(まさかこんなことになるとは……)」 ため息とも苦笑ともつかない息を一つ吐いてふと思った。 健吾(心の声):「(今度、独身の田中に教えてやるか。ステラホワイト)」 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夜22時過ぎ。 坂口雅人は会社の飲み会を終えて、ほどよく酔った足取りで夜道を歩いていた。 駅に向かう途中、腹部に緊急信号が走った。 坂口雅人(心の声):「(やばい、トイレ)」 幸い、すぐそばに公衆トイレがあった。坂口は迷わず飛び込んだ。 個室に入りほっと一息つく。 何気なく正面の壁を見ると落書きがいくつか書いてあった。よくあるやつだ。ハートのマークとか、誰かへの悪口とか。 そんな中に、一つだけ毛色の違うものがあった。 「暇な人、電話してみて090-XXXX-XXXX」 坂口雅人(心の声):「(……なんだこれ)」 坂口は目を細めてその番号を見つめた。 坂口雅人(心の声):「(いたずら書きだろ。絶対。つながるわけない)」 でもなぜか頭から離れない。 坂口雅人(心の声):「(酔ってるせいかな。気になる。めちゃくちゃ気になる)」 坂口はスマホを取り出し番号を打ち込んだ。 坂口雅人(心の声):「(まあ、つながらないだろうけど……)」 発信ボタンを押した。 Scene 2|まさかの応答 コール音が一回、二回、三回 電話がつながった。 女性の声:「はい?」 坂口雅人(心の声):「(え、出た!?)」 背後からガヤガヤとした賑やかな声が聞こえる。居酒屋のような雰囲気だ。 坂口雅人:「あ……えっと……」 天野ひかり:「もしもし?」 坂口雅人(心の声):「(若い女性の声だ。どうしよう、なんて言えばいいんだ)」 坂口雅人:「あの……トイレに番号が書いてあって……」 天野ひかり:「あ、電話してくれたんですね」 坂口雅人:「はい……あのこれ、いたずら書きじゃなかったんですね」 天野ひかり:「違いますよ(笑)。私が書いたんです」 坂口雅人(心の声):「(本人が書いた!?なんで!?)」 Scene 3|なぜ書いたのか 天野ひかり:「ちょっと待ってもらえますか」 ガヤガヤした音が少し遠ざかる。席を外したようだ。 天野ひかり:「お待たせしました。友達と飲んでて。ちょっとうるさかったですよね」 坂口雅人:「いえ……あの、なんであんなところに番号を?」 天野ひかり:「なんとなくですね。酔った勢いで書いちゃいました(笑)。電話かかってきたの、初めてです」 坂口雅人:「初めて!?」 天野ひかり:「そうです。書いてから3ヶ月くらい経つんですけど」 坂口雅人(心の声):「(3ヶ月……俺が初めて電話した人間か)」 天野ひかり:「今どこにいるんですか?」 坂口雅人:「公衆トイレの中です」 Scene 4|会ってみることに 坂口は公衆トイレを出て近くのベンチに腰かけながら電話を続けた。 天野ひかり:「ねえ、せっかくだし会ってみませんか?」 坂口雅人:「え?」 天野ひかり:「どうせ私もあと少しで解散だし。そこまで20分ぐらいで着くところにいるので」 坂口雅人:「……わかりました」 Scene 5|待ち合わせ それからしばらく経ち。 公衆トイレの前で待っていると足音が近づいてきた。 女性が一人歩いてくるのが見えた。 坂口雅人(心の声):「(あの人かな?)」 顔は暗くてまだよくわからない。 女性が近づいてきた。 坂口雅人:「あのー先ほど電話した者ですかね?」 天野ひかり:「……そうです」 ひかりは坂口の顔を見た瞬間、一瞬だけ表情が止まった。 天野ひかり(心の声):「(うわっ!おっさんかよ…)」 しかし顔には出さなかった。 天野ひかり:「はじめまして。天野です」 坂口雅人:「坂口です。あの、わざわざすみません」 天野ひかり:「いえ、私が誘ったんで」 Scene 6|香りとの遭遇 2人はとりあえずベンチに並んで座った。 夜風が少しだけ吹いた。 その瞬間ひかりの鼻に何かが届いた。 天野ひかり(心の声):「(……あれ?)」 天野ひかり(心の声):「(この匂い……どこから?)」 ひかりはさりげなく隣を見た。 天野ひかり(心の声):「(この人から匂いがする……)」 天野ひかりは匂いに正体が気になってしょうがない。 Scene 7|匂いの正体 ひかりがベンチの上でわずかに身を乗り出し坂口の首元のあたりへ顔を近づけた。 坂口雅人:「なんですか!?」 天野ひかり:「何かつけてますか?匂いがすごく良くて」 坂口雅人:「あ、練り香水です。ステラホワイトっていうやつ」 天野ひかり:「興奮しちゃう匂いですね」 ひかりの息遣いが段々と荒くなっていく 天野ひかり:「ハァハァ」 坂口の耳元で興奮するひかりに我慢できなくなり、つい抱きしめてしまう坂口 天野ひかり:「あッんんッ♥」 ひかりの体がビクンッと反応した 天野ひかり:「ねぇちょっと来て」 そういうと立ち上がり公衆トイレへと向かった。 男子トイレの個室に入ると便器に座らされる坂口 ひかりは座っている坂口の太ももの上に乗ると坂口にキスをした。 何度も何度も...情熱的にお互いの唇と舌が絡み合う。 天野ひかり:「今日出会えて良かった。電話してくれてありがとう」 坂口雅人:「電話かけるの怖かったけど、勇気出して電話してよかったです。」 そのままトイレの中で合体する2人。 その後、公衆トイレから出てきた2人は、お互い目が合うと、なんとなく視線を逸らした。 天野ひかり:「またしたくなったら、いつでも電話してください」 坂口雅人:「……はい」 ひかりはくすっと笑ってだんだんと遠ざかっていく。 坂口は動けなかった。ひかりの背中が角を曲がって見えなくなるまで、ただじっと見送った。 坂口雅人:「まさか電話したら、こんなことが起こるなんてな……」 スマホを取り出しAmazonのアプリを開く。検索バーに打ち込む。 「ステラホワイト」 坂口雅人:「もう1個頼んでおくか」 ポチッ。 坂口雅人(心の声):「(トイレの落書きに感謝する日が来るとは思わなかった)」 静かな夜道を坂口は一人歩き始めた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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5月の第2金曜日。午後2時。 社内のスピーカーから、普段は聞かない軽やかなBGMが流れ始めた。 社長(社内放送):「はい全員注目!今から社内イベントを開催します。今年の新入社員歓迎も兼ねてかくれんぼをします!」 営業フロアに一瞬の沈黙が訪れた。 深沢康介(心の声):「(かくれんぼ?)」 社長(社内放送):「ルールは簡単!このビル3階建て、社内のどこに隠れてもOK。移動も自由。最後まで見つからなかった人に賞金20万円をお渡しします!制限時間は2時間。鬼は私が務めます。では5分後にスタートです!」 フロアが一気に騒がしくなった。 社員A:「20万!?マジか!」 社員B:「どこ隠れよう、どこ隠れよう!」 森山あかり:「深沢さん、どうします!?」 深沢康介:「えっと……とりあえず動きますか」 康介は内心「39歳がかくれんぼか」と思いながらも20万という数字が頭から離れなかった。 深沢康介(心の声):「(いや、でも20万は普通に欲しい)」 Scene 2|康介、隠れる 社長の「スタート!」の声が響いた瞬間、社員30名が一斉に散らばった。 廊下、階段、トイレ、給湯室、あちこちでドアの開閉音が響き渡る。オフィスビルが生き物のようにざわめいた。 深沢康介(心の声):「(3階の書庫室…あそこは普段あまり人が立ち入らないし)」 書庫室の扉を静かに開ける。棚の影にうまく身を隠せる空間があった。 深沢康介(心の声):「(これはいい場所だ。20万もらえるかもしれない)」 そっと扉を閉め棚の奥に体を滑り込ませる。 しばらくすると扉がそっと開いた。 Scene 3|鉢合わせ 森山あかりだった。 あかりは康介を見つけた瞬間、口をぱくぱくさせ、声にならない驚きを顔全体で表現した。 深沢康介:「森山さんもここに隠れようとしてたんですね」 森山あかり:「はい」 深沢康介:「そしたら私は他の場所に移動します」 立ち上がりかけた康介の袖をあかりがそっと引いた。 森山あかり:「移動しなくていいですよ。最初は私も一緒にここに隠れます」 深沢康介:「でも、2人でいると見つかったときに」 森山あかり:「大丈夫です。静かにしてれば」 そう言ってあかりは静かに扉を閉め棚の陰に収まった。 狭い書庫室に2人。 深沢康介(心の声):「(移動先を決めるのも大変だし、しばらくここでいいか)」 Scene 4|静寂の中の異変 2人は息を殺して隠れていた。 廊下の向こうから社長の「見つけたー!」という声が時折聞こえてくる。 書庫室の中は静かだった。 あまりにも静かだったから康介は気づいてしまった。 隣から聞こえるあかりの呼吸が少しずつ変わっていることに。 森山あかり:「ハァ、ハァ……」 深沢康介:「(小声で)大丈夫?体調悪くなってきた?」 森山あかり:「いえ、大丈夫です」 深沢康介(心の声):「(大丈夫じゃなさそうだけど……)」 と思っていたら、あかりが少しずつこちらへ距離を詰めてきた。 最初は10センチ。次に5センチ。 深沢康介(心の声):「(近い近い近い)」 康介の背中が棚に当たった。これ以上下がれない。 Scene 5|匂いの正体 森山あかり:「(小声で)朝から思ってたことがあるんですけど」 深沢康介:「なんですか」 森山あかり:「今日、なにか付けてきてますか?」 深沢康介(心の声):「(あ、気づかれてた)」 深沢康介:「ステラホワイトという練り香水つけてます」 森山あかり:「やっぱり付けてますよね」 あかりが少し顔を向けた。暗がりの中で、その目が柔らかく細くなっていた。 森山あかり:「すごい良い匂いです」 深沢康介:「ありがとうございます。昨夜届いたので今日試しにつけてみたんです」 森山あかり:「届いた?」 深沢康介:「Amazonで注文してて」 森山あかり:「(小さく笑う)」 深沢康介:「なんで笑うんですか」 森山あかり:「Amazonで練り香水……なんかかわいいなと思って」 深沢康介(心の声):「(39歳にかわいいと言う23歳)」 Scene 6|密室の告白 そのとき、あかりが動いた。 ゆっくりとしかし迷いなく。 康介の体に腕を回し抱きついた。 深沢康介:「森山さん!?」 森山あかり:「今日のこと2人だけの秘密にしてください」 そのままあかりは康介の首元に顔を近づけた。深くゆっくりと息を吸い込む。 しばらくの間2人は動かなかった。 書庫室にはかすかな香りと2人の呼吸だけが存在していた。 どれくらいそうしていたか。 あかりがゆっくりと顔を離した。 森山あかり:「ずっとこうしてたいけど、さすがに2人で隠れているのが見つかったら変な風に思われてしまうので、私は移動しますね」 深沢康介:「わかりました。見つからないようにね」 あかりは静かに扉を開け廊下の左右を確認した。誰もいない。 扉の隙間からこちらを振り返り 森山あかり:「今度またゆっくり、2人で会いたいです」 それだけ言って足音を殺しながら廊下へ消えた。 深沢康介(心の声):「(……え?え?)」 書庫室にひとり残された康介は棚にもたれかかったまましばらく動けなかった。 Scene 7|発見 それから15分後。 社長:「見つけた!3階の書庫室!!」 深沢康介:「……あ、はい」 深沢康介(心の声):「(完全に油断してた。頭の中があかりさんでいっぱいだった)」 見つかった社員が集まるエリア1階のミーティングスペースへ向かうとそこには既に何人かの社員が座っていた。 そして森山あかりがテーブルの端で缶コーヒーを飲んでいた。 目が合った。 あかりは少しだけ笑って静かに目を逸らした。 深沢康介(心の声):「(こっちは心臓がまだドキドキしてるのに、なんでそんな涼しい顔してるんですか)」 康介は椅子を引いて腰を下ろした。賞金20万は取れなかった。 優勝者は結局、3階の天井裏を知っていた総務の田辺さんだった。 でも—— 深沢康介(心の声):「(20万より、いい経験をした気がする)」 表彰が終わり解散になった。あかりは先輩社員たちと笑いながら席を立った。 康介のそばを通り過ぎる瞬間ほんの一瞬だけ視線が合う。 それだけで十分だった。 Epilogue|次の約束 帰り道、康介はカバンの中のステラホワイトを取り出した。 深沢康介(心の声):「(次、森山さんと会うときも……絶対つけていこう)」 そう心に決めながら康介は夜の街を歩いた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夜、20時。 中村真也は会社を出て、いつもの帰り道を歩いていた。 駅までの道の途中、煌々と光るゲームセンターが目に入った。 中村(心の声):「寄っていくか。」 深く考えるより先に体が自動的に入口へと向かっていた。 中村はまっすぐUFOキャッチャーのコーナーへと向かった。 中村はUFOキャッチャーが得意だ。20年以上かけて磨いてきた技術がある。 アームの癖の読み方、景品の重心の見極め方、どこに引っかければ最も効率よく動くか そういうことが、わかるようになっていた。 最初の一台でアニメのフィギュアを2回でGET。 次の台ではぬいぐるみを3回で仕留める。 さらに隣の台へ。 気づけば袋はパンパンになり、フィギュアが2体、ぬいぐるみが4個、謎のキーホルダーセットが1袋、詰め込まれていた。 中村(心の声):「今日は調子いいな。」 ふと隣の台に目をやった。 二人の女性が一台のUFOキャッチャーの前で仁王立ちになっていた。 一人は大きなまん丸の目をした白い犬のぬいぐるみを見つめている川村ひなた22歳。 もう一人、野口さくらは隣でスマホを持ちながら、ひなたの操作をじっと見守っていた。 ひなた:「あーっ、また!」 さくら:「惜しかったじゃん! もう1回!」 ひなた:「絶対取ってみせるから。」 中村はその一部始終をさっきからぼんやりと眺めていた。 中村(心の声):「あの子たち、ずっとやってるな。」 横目で確認すると二人がこの台に張り付いてからもう20分以上は経っている。 中村はため息をついた。見ていられなかった。 中村:「……あの、」 二人が振り返る。 中村:「取ってあげましょうか?」 第二幕:UFOキャッチャーの神 一瞬、ひなたとさくらは顔を見合わせた。 ひなた:「えっ、いいんですか?」 中村:「いいですよ。」 中村は軽く言いながら、台の前に立った。 お金を入れアームを操作する。 左右の位置を合わせ前後を微調整して決定。 アームがゆっくりと降りていきしっかりと掴んだ。そのままゆっくりと持ち上がり落下口へ。 ストン。 白い犬のぬいぐるみが取り出し口に落ちてきた。 さくら:「すごーい!!」 ひなた:「えっ、1回で!?」 中村は取り出し口からぬいぐるみを取り出し、ひなたに差し出した。 中村:「はい。」 ひなた:「ありがとうございます!!」 ひなたは白い犬のぬいぐるみを両手で受け取り、そのままぎゅっと胸に抱きしめた。本当に嬉しそうな顔だった。 第三幕:プリクラの誘い 中村は軽く会釈して帰ろうとした。 その瞬間 ひなた:「あの!」 中村が振り返ると、ひなたがぬいぐるみを胸に抱えたまま少し上目遣いで言った。 ひなた:「ぬいぐるみと一緒にプリクラ撮りたいんですけど…一緒にどうですか?」 中村は一瞬、フリーズした。 中村(心の声):「プリクラ……?俺と?断るか?」 中村(心の声):「だが、こんな機会なかなかないしな。撮ってみるか。」 中村:「わかりました。一緒に撮りましょう。」 さくら:「やった!」 3人でゲームセンターの奥にあるプリクラコーナーへ移動した。 中村(心の声):「プリクラなんて何年振りだ……。」 中村は機械の前に立ち、まじまじと画面を見た。 照明の調整。肌補正のレベル。目の大きさ。フィルターの種類。スタンプの数。フレームのバリエーション。 中村(心の声):「これ……全部何の設定だ。」 ひなた:「大丈夫ですよ! 私がやります!」 ひなたが慣れた手つきでぱぱっと設定を選んでいく。さくらが隣でああでもないこうでもないと口を出す。 中村(心の声):「俺、完全に置いてけぼりになってる。」 第四幕:1回目の撮影 撮影が始まった。 カウントダウン。3、2、1 中村はとりあえず自然な笑顔を作った。ひなたはぬいぐるみを抱えてにっこり。さくらはピースサイン。 何枚か角度を変えながら撮影しあっという間に終わった。 落書きブースへ移動する。さくらがスタイラスペンを持ち、手際よくデコレーションを入れていく。 完成したプリクラがプリント口から出てきた。 ひなた:「わあ、かわいい!」 さくら:「いい感じですね」 ひなたとさくらが少し離れてコソコソと話し始めた。 声は聞こえない。が、さくらが何度かこちらをちらりと見る。ひなたが何かを言いさくらが頷く。 中村(心の声):「なんだ? 何を話してる?」 ひなたが少し頬を染めながら言った。 ひなた:「もう1回撮りませんか?」 中村:「またですか?」 ひなた:「お願いします。」 その目がなぜか真剣だった。 中村:「はい。」 断れる雰囲気ではなかった。 第五幕:2回目の撮影 再びプリクラ機に3人で入る。 ひなたは機械のカメラ横にある小さな荷物置きに白い犬のぬいぐるみをそっと置いた。 中村(心の声):「今回はぬいぐるみなしパターンか。」 1回目と同じように撮影が始まった——はずだった。 カウントダウン。3、2、1 その瞬間、左右から2本の腕が中村の腕にするりと絡みついてきた。 左にひなた。右にさくら。 中村(心の声):「……おっ。」 まあ、プリクラでよくある腕組みポーズだな。そう解釈しようとしたのだが、 2枚目の撮影タイミングで左右から何かが腕に当たっていることに気づいた。 柔らかい。 明らかに柔らかい何かが両腕に押し付けられている。 中村(心の声):「……。」 中村(心の声):「理解が追いつかない。」 3枚目。 今度はひなたが中村の前に回り込み抱きついてきた。後ろからはさくらが抱きついてきた。 中村はプリクラ機の中で完全にサンドイッチ状態になった。 中村(心の声):「これはいったい何の撮影なんだ。」 4枚目。 ひなたが中村の手首をそっと掴んだ。そしてゆっくりと自分の胸元へと誘導した。 中村(心の声):「え??」 狭い密室の中で誰にも見られることなく、過激な撮影会は加速していった。 そしてあっという間に撮影が終わった 第六幕:密室の答え合わせ 3人でプリクラ機から出た。 中村はとりあえず平静を装いながら2人に問いかけた。 中村:「あの、一体どういうつもりだったんですか?」 ひなたは少し恥ずかしそうに白い犬のぬいぐるみを胸に抱え直した。 ひなた:「ぬいぐるみ取ってくれた時からずっと良い匂いがして、気になってたんです。」 さくら:「だからプリクラに誘ったんですけど。」 ひなたが続ける。 ひなた:「プリクラ機の中に入ったらその匂いがより強く感じて……我慢できなくて2回目であんなことをしちゃいました。」 中村:「……。」 困惑という言葉では追いつかなかった。 ひなた:「その匂いって……なんですか?」 中村:「ステラホワイトという練り香水です。」 中村:「実は友人から勧められて、昨日Amazonから届いて今日初めて付けてみたんです」 さくら:「えー!それじゃあ私たちが出会ったタイミング、すごく良かったですね」 中村:「そうですね。」 中村(心の声):「良かったのかどうかはまだ整理がついていないが。」 ひなた:「よかったら、また一緒に遊んでください!」 そう言いながら、ひなたはスマホを取り出してLINEのQRコードを表示した。 中村はスマホを取り出してコードを読み込み友達追加した。 中村:「わかりました。」 ひなた:「やった!」 さくら:「私もです!」 さくらもQRコードを出してくる。 中村:「はい。」 エピローグ:夜道の独り言 ひなたとさくらはゲームセンターを出て笑いながら夜の街に消えていった。 中村も少し遅れてゲームセンターを出た。 フィギュアとぬいぐるみが詰まった袋を持ち駅へと向かう夜道を歩く。 中村は歩きながら自分の手首のあたりに鼻を近づけてみた。 ステラホワイト。 中村:「……Amazonで買ってよかったわ、これ。」 スマホの通知が鳴った。 LINEだった。 ひなたからのメッセージ。白い犬のぬいぐるみと一緒に撮った自撮り写真に 「今日ありがとうございました🐶」という文章。 続いてさくらからも。「プリクラ楽しかったです😊」 中村はしばらく2つのメッセージを眺めてからスタンプで返信した。 駅への道を歩きながら、中村は小さく笑った #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夕方、営業部のフロア。 定時のチャイムが鳴り、部下たちが「お疲れ様でした」と席を立ち始めるなか、村上哲也はひとり資料を眺めながら考えていた。 先週のことだ。入社4年目の部下、田所が昼休みに話しかけてきた。 田所:「部長、実は彼女できたんすよ」 村上:「ほう、どこで知り合ったんだ」 田所:「相席屋です。知ってます?」 村上:「……知らん」 田所:「男性は料金かかるんですけど、女性は基本無料で飲み食いできるんで、結構レベル高い子も来るんですよ。俺そこで今の彼女と知り合って」 村上(心の声):「(相席屋……)」 その話を聞いてから一週間、村上の頭の片隅にその単語がずっと居座っていた。 村上(心の声):「(44歳が行っていい場所なのか、そこは……)」 今日は金曜日。明日は休みだ。 村上(心の声):「(一回くらい、見てみるだけなら)」 村上は上着を手に取り静かに席を立った。 Scene 2|さくらの流儀 同じ金曜日の夕方、桐島さくらは鏡の前で軽くリップを直しながら呟いた。 さくら(心の声):「今日もいっぱい食べて飲もうっと」 さくらが相席屋に通い始めたのは半年ほど前のことだ。きっかけは友人の一言だった。「タダで飲み食いできるよ」 フリーランスという不安定な収入のなかで、週末のこの"作戦"は地味に家計を助けていた。もちろん素敵な人と出会えればそれはそれで嬉しい。 今夜も店に通されたさくらはドリンクを注文し枝豆をつまみながらメニューを眺めた。 さくら(心の声):「(カルパッチョと…あとピザも頼んじゃおうかな)」 そこへ最初の相手が席についた。 Scene 3|中田 亮、登場 中田亮:「やあ、よろしく。俺、中田っていいます。歳は29。IT系の仕事してて——」 さくら:「桐島です。よろしくお願いします」 中田亮:「桐島さん、仕事何やってんの?」 さくら:「Webデザインを少し…」 中田亮:「あー俺も実はちょっとデザインわかるんだよね。Canva使ったことあるし」 さくら(心の声):「(Canvaはみんな使えるよ)」 料理が運ばれてきた。さくらは笑顔でカルパッチョを口に運んだ。 中田亮:「俺さ、年収は大体——」 さくら(心の声):「(あ、年収来た。だいたいこの流れだ)」 トントンと会話(という名の中田の自己PR)が続き、気づけば制限時間が近づいていた。 中田亮:「よかったらこの後、別のお店でも行かない?俺いいとこ知ってるし」 さくら:「すみません今日はちょっと……」 中田亮:「そっかー、残念。じゃあLINEだけでも」 さくら:「それも大丈夫です。ありがとうございました」 中田はあからさまに肩を落とし席を立った。 さくら(心の声):「(ごちそうさまでした)」 Scene 4|村上、相席屋に立つ 一方その頃、駅前のビルの前で村上哲也はスマホの地図を見ながら立ち尽くしていた。 村上(心の声):「(……ここか)」 エレベーターで3階まで上がると若いスタッフが出迎えた。 スタッフ:「いらっしゃいませ!お一人様ですか?」 村上:「あ、はい……」 スタッフ:「初めてのご来店ですか?」 村上:「そうです」 スタッフ:「では簡単にご説明しますね!男性は60分2,500円の料金をいただいております。ドリンクも込みです。15分ごとにお席の交代がありまして」 村上(心の声):「(なるほど……思ったよりシステマチックだ)」 スタッフ:「女性のお客様は飲食代無料でご利用いただいておりまして、本日ご案内できるお席がございます。よろしいですか?」 村上:「お願いします」 そして案内されたのは、ひとりで枝豆をつまんでいる女性の席だった。 Scene 5|出会い 村上:「失礼します……村上といいます。よろしくお願いします」 さくら(心の声):「(……あ)」 席についた男性を見て、さくらは一瞬だけ目を止めた。スーツ姿。背筋が伸びている。歳は四十代くらいだろうか。 さくら:「桐島です。よろしくお願いします」 村上:「若いですね。学生さんですか?」 さくら:「いえ、一応働いてます。Webの仕事を」 村上:「へえ。在宅で?」 さくら:「そうです。フリーで。村上さんは?」 村上:「会社員です。営業の仕事を……まあ管理職みたいなことをしています」 さくら(心の声):「(落ち着いてる……さっきの人と全然違う)」 さくら:「こういうお店、よく来るんですか?」 村上:「いや、今日が初めてで。部下に勧められて」 さくら:「部下……何歳ですか、村上さん」 村上:「44です。場違いですか」 さくら:「ぜんぜん、そんなことないですよ」 村上:「相席屋って、こういう感じなんですね。思ったより普通のお店で」 さくら:「最初はびっくりしますよね。でも意外と居心地いいですよ」 村上:「桐島さんはよく来るんですか?」 さくら:「……週末はちょくちょく」 さくら(心の声):「(タダ飯目的とは言えない雰囲気になってきた)」 村上:「一人で来るんですか?」 さくら:「はい。一人で来て、一人で帰るんです。基本的には」 さくら(心の声):「(基本的には、ね)」 Scene 6|タイムアップ スタッフが交代を告げにきた。 スタッフ:「お時間になりましたのでご移動をお願いします」 村上が「では」と立ち上がろうとしたその瞬間 さくら:「あの」 村上:「はい?」 さくら:「他のお店、行きませんか?」 村上(心の声):「(え)」 村上:「私が、ですか」 さくら:「村上さんが、です」 村上(心の声):「(え、ええ!?!?)」 外見は涼しいままだったが、内心では44年の人生で初めてに近い動揺が走っていた。 村上:「……よろしければ、ぜひ」 Scene 7|夜の街へ 店を出ると、夜風が少しだけひんやりしていた。 2人は並んで歩き出したが最初の数秒は沈黙だった。 村上:「どこ行きますか?」 さくら:「コンビニでお酒買って……2人でゆっくりできる場所がいいです」 村上(心の声):「(ゆっくりできる場所……それはつまり……)」 村上:「わかりました」 コンビニに入るとお酒とおつまみを選ぶ さくら:「村上さんは何が好きですか?」 村上:「ハイボールを……」 コンビニの自動ドアを出たところで村上はすっと先を歩き始めた。 さくら:「あ、どこ行くんですか」 村上:「……近くに、ホテルがあるので」 さくら(心の声):「(ちゃんとわかってる人だった)」 Scene 8|2人きりの部屋 ホテルの部屋に入ると、さくらはコートを脱いでソファに腰掛けた。村上もネクタイを少し緩めて隣に座った。 さくらがレモンサワーのプルタブを開ける。村上もハイボールのプルタブを開ける。 さくら:「乾杯ですね」 村上:「乾杯」 缶がコツンと触れ合った。 村上:「急に誘ってもらって……驚きました」 さくら:「私も自分でびっくりしました」 村上:「どうして、私を?」 さくらはレモンサワーを一口飲んでから少しだけ躊躇して、それから正直に答えることにした。 村上の方へ、ぐっと体を寄せる。 村上(心の声):「(え、急に近い)」 そのままさくらは村上の首元に顔を近づけ深くゆっくりと息を吸った。 さくら:「ずっとこの匂いが気になってました」 村上:「……」 さくら:「ハァ……いい匂い」 村上:「それで、誘ってくれたんですか?」 さくら:「はい」 沈黙が落ちた。 村上:「実はステラホワイトという練り香水で……今日初めてつけてきたんです」 さくら:「初めて!?」 村上:「Amazonで注文して、今日受け取ったばかりで。なんとなく来る前につけてみたんです」 Scene 9|缶チューハイと体温 それからも2人はソファでお酒を飲み続けた。 さくらは当たり前のように村上にもたれかかり、村上は当たり前のようにそれを受け止めた。 会話は不思議と途切れなかった。仕事のこと、週末の過ごし方、好きな食べ物、とりとめのない話を、ゆっくりとした時間の中で交わした。 2本目の缶を半分ほど飲んだところで、さくらがほうっと息を吐いた。 さくら:「酔っちゃったみたい」 村上:「大丈夫ですか?」 さくら:「ベッドで横になりたいです」 さくらの体を支えながらベッドのそばまでゆっくり歩く。さくらがベッドに横たわると村上は上掛けをかけてやろうとした。 そのとき、さくらが村上の腕をつかんだ。 村上:「?」 さくらは引っ張った。 さくら:「一緒に寝よ?」 村上:「……はい」 それから少しの間があって。 さくらの方から村上の唇にそっとキスをした。 そのまま2人は熱い夜を過ごした。 Scene 10|朝 朝になり村上は目を開けた。 天井を見つめながら、ゆっくりと昨夜のことを順番に思い出した。 そして横を向くと桐島さくらが、気持ち良さそうな顔をして眠っていた。 寝顔は昨夜より少しだけ子供っぽかった。 村上(心の声):「……ありがとう」 ステラホワイト買って良かったと心から思う村上であった #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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