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オジモテコミック

おじさんのモテエピソードを漫画化✨
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2,598 2,598回閲覧 投稿から31日7時間33分後(751時間)(2026.09.27 21:34時点で取得) 30日経過・確定

ある昼休み。会社の休憩室。 三浦達也がコーヒーを飲んでいると上司が声をかけてきた。 上司:「三浦、ゴルフできるか?」 達也:「いえ、やったことないですけど」 上司:「来月、取引先との接待ゴルフがあってな。お前も来い」 達也:(心の声)(来月……) 達也:「わかりました」 席に戻りながら達也はスマホで検索し始めた。 達也:(心の声)(ゴルフ一度も握ったことないんだが) 達也:(心の声)(さすがに手ぶらで行くわけにはいかないな) ゴルフのパーソナルレッスンを探し初回お試しレッスンがある教室を予約した。 レッスン当日の朝。 動きやすい服装に着替え、家を出た。 都内のゴルフ練習場「グリーンスタジオ」。 受付を済ませ個別レッスンのブースへ案内された。 しばらくしてインストラクターが入ってきた。 達也:(心の声)(……若い女性だ) 篠原なつきは笑顔で頭を下げた。 なつき:「はじめまして。本日担当させていただく篠原です。よろしくお願いします」 達也:「三浦です。よろしくお願いします。全くの初心者なのでよろしくお願いします」 なつき:「大丈夫ですよ。今日は基本のグリップとスイングの形を覚えましょう」 なつきはまずクラブの持ち方から丁寧に説明してくれた。 なつき:「グリップはこうやって両手でしっかり握るんですけど力を入れすぎないのがポイントです」 達也:「こうですか?」 なつき:「そうです。でも少し右手の位置がもう少し下で大丈夫です」 丁寧でわかりやすい説明だった。 達也:(心の声)(思ったより難しいな) スタンスの取り方、体重移動、フォームの基本をひとつひとつ教わっていく。 達也は真剣に取り組んだ。 しかし30分ほど経ったころ。 なつき:「では実際にスイングしてみましょう。私が後ろからフォームを確認しますね」 なつきは達也の後ろに立ちフォームを確認しようと近づいた。 なつき:(心の声)(何この香り!?いい匂い) なつきはフォームの説明を続けようとした。 なつき:「では肩の位置を……」 しかし頭に香りが広がっていく。 なつき:(心の声)(近い……匂いが近い) なつき:「……あの、もう少し前傾姿勢を意識してもらえますか」 達也:「こうですか?」 なつきは意を決し、後ろからフォームを直そうと達也の腕に手を添えた。 なつき:「スイングの軌道はこう……」 言葉が途切れた。 達也の首元が目の前にある。 香りがダイレクトに鼻を突いた。 なつき:(心の声)(もうダメ。我慢できない。この匂い好きすぎる) なつきの体が気づいたら達也にぴったりと密着していた。 達也:(心の声)(えっ、背中に柔らかい感触が!胸当たってないか?) なつきは首元に顔を近づけ静かに匂いを吸い込んだ。 なつき:「……ハァ……ハァ……っ」 達也はクラブを握ったまま完全に固まっていた。 なつき:(心の声)(やばいこれ、レッスンどころじゃない) なつきはゆっくりと体を離し咳払いをした。 なつき:「す、すみません……少し失礼しました」 達也:「あ、いえ……」 なつき:「その、三浦さん何かつけていらっしゃいますか?」 達也:「え?」 なつき:「匂いというか香りがすごく気になってしまって」 達也:「ああ……練り香水です。ステラホワイトっていう」 なつき:「すごく好きな匂いで、つい近づいてしまいました。ごめんなさい」 達也:「いえ、全然気にしないでください」 なつきは頬を赤らめながら気を取り直してクラブを構えた。 なつき:「で、では続けましょう。スイングの確認を……」 達也:「はい」 しかしなつきは再び後ろに立った瞬間また香りが漂ってきた。 なつき:(心の声)(集中、集中) なつき:「肩の回転を意識して…」 1時間のレッスンが終わった。 なつきはタブレットにメモを取りながら今日の振り返りをしてくれた。 なつき:「今日のポイントは3つです。グリップの力を抜くこと、前傾姿勢を保つこと、そしてフォロースルーを意識すること」 達也:「わかりました」 なつき:「……あと、その香水」 達也:「はい?」 なつき:「次回もつけてきてもらえると…その、指導のモチベーションが上がるので」 達也:「……わかりました」 なつきはぺこりと頭を下げブースを出ていった。 帰り道。達也は駅へと歩きながら、今日のことを振り返っていた。 ゴルフの内容は半分しか頭に入っていない。 しかし悪い気はまったくしなかった。 達也はスマホを取り出しゴルフレッスンの会員登録ページを開いた。 月4回コース。 迷わず申し込んだ。 達也:(心の声)(上司への接待ゴルフの準備、というのは建前として) 達也:(心の声)(まあ続けてみてもいいかな) 達也はカバンの中からステラホワイトを取り出した。 達也:「次もステラホワイトを塗って行こう!」 夕暮れの街を達也は軽い足取りで歩いていった。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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102,747 102,747回閲覧 投稿から33日6時間31分後(798時間)(2026.09.27 21:34時点で取得) 30日経過・確定

土曜日の午前。都内のアパート「グランシティ武蔵」。 原田雄二は段ボール箱を次々と運び込みながら、額の汗を拭った。 雄二:(心の声)(やっと引っ越し完了か……) 雄二:「よし、挨拶に行くか」 Scene 2|挨拶 アパートの203号室。雄二の隣の部屋。 雄二はドアをノックした。 数秒後、ドアが開いた。 若い女性が立っていた。 寝起きなのか、ゆったりとした部屋着姿だ。 雄二:「突然すみません。隣の202号室に本日引っ越してきました原田と申します。よろしくお願いします」 雄二は粗品の袋を差し出した。 りか:「あ、ありがとうございます。松本です。よろしくお願いします」 りかは袋を受け取った。 雄二:「お騒がせすることもあるかもしれませんが、どうぞよろしくお願いします」 りか:「は、はい。こちらこそ」 雄二は軽く頭を下げ、自分の部屋へと戻っていった。 りかはドアを閉めその場に立ち尽くした。 りか:(心の声)(なんだろう、今の…) Scene 3|忘れられない その日の夜。りかは部屋でソファに座っていた。 テレビがついている。 しかし画面の内容がまったく頭に入ってこない。 りか:(心の声)(なんだったんだろう) 昼間の数秒間が頭から離れない。 Scene 4|翌日 翌日の日曜日。昼過ぎ。 りかはアパートの廊下に出た瞬間、隣の部屋のドアが開く音がした。 雄二が出てきた。 雄二:「あ、松本さん。おはようございます」 りか:「お、おはようございます」 雄二はエコバッグを持ち、買い物に行くようだ。 すれ違った瞬間 りか:(心の声)(っ……また) 体がじわりと熱くなった。 雄二はりかの様子に気づくことなく階段を下りていった。 りかはその場に立ち尽くし雄二が消えた方向をしばらく見つめていた。 りか:(心の声)(……もう無理だ) Scene 5|訪問 夕方。りかは202号室の前に立っていた。 手には、昨日雄二からもらった粗品のお返しとして買ってきたお菓子の袋がある。 りか:(心の声)(これを口実にすれば……) りか:(心の声)(いや、でも何がしたいんだ私) りかは自分でもよくわかっていなかった。 ドアをノックする。 数秒後、ドアが開いた。 雄二:「あ、松本さん。どうしましたか?」 りか:「あの……昨日いただいたお返しに、と思って」 雄二:「わざわざありがとうございます」 りか:「あの……」 雄二:「はい?」 りかは少し躊躇ってから、意を決したように口を開いた。 りか:「失礼じゃなければ……少しだけ、お部屋の中に入らせてもらえませんか?」 雄二:「え?」 りか:「引っ越しの片付け、まだ終わってないですよね。手伝えることがあれば……と思って」 雄二:(心の声)(いや、ほぼ終わってるんだが) 雄二:(心の声)(でも断る理由もないな) 雄二:「あ……じゃあ、散らかってますけど、どうぞ」 りか:「失礼します」 Scene 6|部屋の中で 202号室の中。段ボールがいくつか残っているが、概ね片付いている。 雄二:「散らかってますけど、どうぞ座ってください」 りか:「……はい」 りかはソファに腰を下ろした。 しかし体の内側が、じわじわと熱くなっていく。 雄二がお茶を用意しようとキッチンへ向かった。 りか:(心の声)(この部屋……全部この匂いがする) りか:(心の声)(だめだ、頭がくらくらしてくる) 雄二がコップを持って戻ってきた。 雄二:「どうぞ。」 りか:「……あの」 雄二:「はい?」 りかは立ち上がり、雄二の方へと一歩近づいた。 雄二:「……?」 りかは雄二の首元に顔を近づけ、静かに匂いを吸い込んだ。 雄二:「え、ちょ」 りか:「ハァ……」 また、吸い込む。 りか:「ハァ……っ」 りかは体をぐらりと傾け、雄二にもたれかかってきた。 雄二は慌ててりかの体を支えた。 雄二:「ちょ、ちょっと、大丈夫ですか!?」 りか:「……大丈夫じゃないかもしれないです」 雄二:「え」 りか:「この匂いのせいで……昨日からずっと頭がおかしくなってて」 雄二:「匂い?」 りか:「原田さんから漂ってくる匂いです。昨日挨拶に来てくれた時からずっと忘れられなくて」 雄二:(心の声)(匂い……) 雄二には思い当たることがあった。 雄二:「もしかして……これですか?」 雄二は洗面台の脇に置いてあった小さな箱を取ってきた。 ステラホワイト。 りか:「それ……なんですか?」 雄二:「練り香水です。同僚に勧められて買ったんですよ」 りか:「ステラホワイト……」 りかはその箱をまじまじと見つめた。 りか:「この匂いのせいで……私、おかしくなってたんですか」 りかはもう一度、雄二の首元に顔を近づけた。 りか:「好きです。この匂い」 りかはそのまま、雄二の腕に自分の腕を絡めた。 顔を上げ雄二をまっすぐに見た。 そのままりかの方から雄二の唇に自分の唇を重ねた。 雄二:「……」 りか:「ダメでしたか?」 雄二:「……ダメじゃないです」 りかは小さく笑い雄二の手をそっと取った。 りか:「じゃあ……こっちに来てください」 りかに手を引かれるまま雄二は寝室へと向かった。 ベッドの上で2人は寄り添うように横になった。 りかは雄二の首元に顔を埋めたままぎゅっと抱きついてくる。 りか:「ハァ…やっぱりこの匂い好きすぎる」 部屋の照明が静かに2人を包んでいた。 Scene 7|それから 2時間後。 りかは立ち上がり乱れた髪を手で整えた。 りか:「そろそろ帰りますね」 雄二:「はい」 玄関でりかが靴を履きながら、ふと振り返った。 りか:「あの、隣に住んでるんだから、またいつでも来ていいですか?」 雄二:「どうぞ」 りかはにっこりと笑いドアを開けた。 隣の203号室のドアを開け入っていく。 壁一枚隔てた向こうに、りかがいる。 雄二はその壁をぼんやりと眺めながら小さな箱を手に取った。 Epilogue|隣人 その夜。雄二はAmazonでステラホワイトを検索した。 まとめ買い用の3個セットをカートに入れる。 雄二:(心の声)(これは……切らせてはいけない) 注文ボタンを押しながら雄二は思った。 雄二:(心の声)(引っ越してきて正解だったな) 壁の向こうからかすかに物音がした。 りかもまだ起きているようだった。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夜。会社近くの居酒屋。 坂田と山崎は向かい合ってビールを傾けていた。 山崎:「この後どうします?まだいけますか?」 坂田:「明日休みだし、朝まで飲めるよ」 山崎の目が光った。 山崎:「じゃあ、クラブ行きましょう」 坂田:「クラブ!?」 坂田は少し眉を上げた。 坂田:「まぁ……良いけど」 坂田:(心の声)(39歳がクラブか。まあ、たまにはいいか) 2人は会計を済ませ、渋谷へと向かった。 Scene 2|クラブ、撃沈 渋谷の地下クラブ。重低音が体に響く。 照明が点滅する薄暗い空間に、若い男女がひしめき合っている。 坂田:「若い子ばっかりだね」 山崎:「最高っすね!」 2人はドリンクを片手に、声をかけ始めた。 山崎:「ねえ、一緒に飲もうよ」 女性A:「結構です」 坂田:「どこから来たの?よかったら──」 女性B:「ちょっとごめんなさい」 30分後。 坂田と山崎は壁際で並んでいた。 山崎:「……全滅っすね」 坂田:「うん」 重低音だけが、容赦なく響き続けていた。 山崎:「坂田さん、外で潰れてる女捕まえましょうよ」 坂田:「ありだねぇ」 2人はクラブを出た。 Scene 3|第一回・失敗 クラブの外。深夜の路上。 ビルの壁際に、1人の女性が座り込んでいた。 明らかに飲みすぎている。 坂田はゆっくりと近づいた。 坂田:「大丈夫~?」 女性:「……」 坂田:「ここ危ないから、ゆっくり休めるところ行こうかぁ?」 女性は顔を上げ、坂田をじろりと見た。 女性:「キモいからあっち行け」 坂田:「それは無理だねぇ~」 山崎:(心の声)(キモい言われても引き下がらない坂田さん、さすがっす) 坂田はその後も粘ったが、最終的に女性の友人グループが迎えに来て終了した。 山崎:「完敗っすね」 坂田:「うん。まあ今日はしょうがない」 2人は肩を落として帰った。 Scene 4|リベンジ前夜 翌週。また居酒屋。 坂田:「先週のリベンジしにクラブ行くか」 山崎:「行きましょう!」 坂田はこの1週間、ある準備をしていた。 会社の同僚から「これ絶対試してみてください」と勧められた練り香水──ステラホワイト。 Amazonで注文し、今日届いていた。 居酒屋を出る前にトイレで手首と首元に塗り込んだ。 坂田:(心の声)(さて、今日はどうなるかな) 2人は再び渋谷へと向かった。 Scene 5|リベンジの夜 深夜。同じクラブの前。 今夜もクラブの外には、酔った客が数人たむろしている。 坂田が辺りを見渡すと── ビルの壁際に、1人の金髪の女性が横になっていた。 坂田:(心の声)(いたいた) 坂田はゆっくりと近づき、女性の肩をトントンと叩いた。 坂田:「こんなところで横になってたら危ないよぉ~」 女性はうっすらと目を開けた。 坂田:「水買ってきてあげようか?」 その瞬間。 女性の手が、坂田の手首を掴んだ。 ぐっ。 坂田:「お、おっ」 女性はそのまま体を起こし、坂田の首元へとふらふらと抱きついてきた。 あいり:「……いい匂いがする」 あいり:「ハァハァ……」 深く、吸い込む。 あいり:「ハァハァ……」 また吸い込む。 今にも昇天しそうな勢いで、何度も何度も匂いを嗅ぎ続けている。 坂田:(心の声)(捕まえちゃったねぇ) 山崎は少し離れたところから、口を半開きにして眺めていた。 山崎:(心の声)(おっ!激アツ展開来たか!?) 坂田:「ゆっくり休めるところ行こうか」 あいり:「……うん」 小さく頷く。 山崎が素早く近づいてきた。 山崎:「坂田さん、自分も一緒にいいっすか?」 坂田:「いいよぉ~」 Scene 6|ホテルにて ホテル街。3人は一室へと入った。 部屋に入るなり、あいりはベッドに倒れ込んだ。 しかし意識はある。 あいりはベッドの上で坂田の方へと手を伸ばした。 あいり:「……こっち来て」 坂田:「はいはい」 坂田がベッドの端に腰を下ろすと、あいりは即座に坂田の首元に顔を埋めた。 あいり:「ハァ……またこの匂い」 あいり:「好きすぎる……」 坂田:(心の声)(この子、本当に匂いが好きなんだな) 山崎はソファに座りながら、2人の様子を眺めていた。 山崎:(心の声)(俺の出番は……) 坂田:「山崎もこっち来いよ」 山崎:「いいんすか」 坂田:「まあ、狭いけどな」 山崎:「問題ないっす」 薄暗いホテルの部屋の中、重低音とは無縁の静かな時間が流れていった。 Scene 7|翌朝 朝。ホテルのロビー。 坂田と山崎は並んでホテルを出た。 2人とも、スッキリとした顔をしている。 山崎:「……最高の夜でしたね」 坂田:「あぁ」 山崎:「先週と今週、何が違ったんすか?」 坂田:「これだよ」 坂田はポケットからステラホワイトを取り出した。 山崎:「なんすかそれ」 坂田:「練り香水。これ塗ってたら向こうから来たんだよ」 山崎:「え…俺も欲しいっす」 坂田:「Amazonで買えるよ。ステラホワイトで検索して」 山崎はすぐさまスマホを取り出した。 山崎:「今ポチります」 朝の渋谷の街に、2人の足音が響いた。 清々しい朝だった。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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(2026.09.27 21:34時点で取得)
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金曜日の深夜。繁華街の路上。 石田浩二は千鳥足で駅の改札をくぐろうとして止まった。 改札の電光掲示板に、無情な文字が並んでいる。 『本日の終電は終了しました』 浩二:「飲みすぎたー」 反省はしていない。 しかし現実は受け入れなければならない。 浩二:「タクシーだと高いし……漫喫泊まるか」 浩二はスマホで近くの漫画喫茶を検索し、ふらふらと歩き出した。 Scene 2|漫喫へ 深夜1時。漫画喫茶「コミックパラダイス」。 浩二は受付のスタッフに部屋を聞いた。 スタッフ:「現在、喫煙ルームの空きがなくて……禁煙の完全個室のみご案内できます」 浩二:「禁煙か……まあいいか」 スタッフ:「喫煙所は2階にございます」 浩二:「わかりました」 案内された鍵付きの完全個室に荷物を置いた。 狭いが、プライベート空間だ。 浩二:「一服してくるか」 Scene 3|喫煙所にて 2階の喫煙所。 2人も入れば窮屈になる小さなガラス張りの空間だ。 浩二はタバコに火をつけ煙を吐き出した。 しばらくしてドアが開いた。 若い女性が入ってきた。 浩二:(心の声)(……可愛い子だな) アイドルのような顔立ち。 深夜の漫画喫茶にいるとは思えないような整った外見だ。 女性はバッグをごそごそと探り始めた。 ゆな:「すみません、ライター貸してくれません?」 浩二:「どうぞ」 ゆなはタバコに火をつけ一口吸った。 ゆな:「ありがとうございます」 浩二はタバコを吸い終え、喫煙所を出た。 ゆなも、ほぼ同じタイミングで出てきた。 二人は無言のままそれぞれの部屋へと向かった。 Scene 4|手紙 浩二は部屋に戻り備え付けのパソコンを起動した。 動画でも見て時間を潰そうと思っていた。 しばらくして。 コンコン。 ドアがノックされた。 浩二:(心の声)(誰だ?スタッフか?) ドアを開けると誰もいない。 浩二:「……?」 不思議に思いながらドアを閉めた瞬間、足元に白い紙が落ちていることに気づいた。 拾い上げて読む。 『さっきはライターありがとうございました。214番の部屋に来てくれませんか』 浩二:「……え」 浩二はしばらく紙を見つめた。 浩二:(心の声)(これは……あの子か?) 浩二:(心の声)(罠とかじゃないよな) 浩二:(心の声)(いや、罠だったとしても……行くか) 浩二は部屋を出た。 Scene 5|214番の部屋 廊下を歩き214番の前に立つ。 浩二はドアをノックした。 数秒後、ドアが開いた。 ゆなが立っていた。 無言で中に入るよう手招きする。 浩二:「……失礼します」 部屋に入った。 ドアが閉まった。 その瞬間。 ゆなが背後から浩二に抱きついてきた。 ゆな:「ハァ……ハァ……」 息遣いが荒い。 浩二:「ちょっ!?」 ゆなは浩二の首元に顔を埋め深く吸い込んだ。 ゆな:「……っ」 また吸い込む。 浩二:(心の声)(え、なに、これ) ゆな:「さっき喫煙所で会った時から…ずっとこの匂いが気になってたんです」 腕に込める力がじわじわと強くなっていく。 ゆな:「これ……何の香りですか?」 浩二:「ステラホワイトという練り香水です」 ゆな:「ステラホワイト……」 ゆな:「すごく良い匂いですね」 浩二:(心の声)(今日の飲み会で同僚に塗ってもらったやつだ) 浩二:(心の声)(まさかこんなことになるとは) ゆなは力を緩めるどころかさらに体重をかけてきた。 気づけば浩二は押し倒されていた。 ドサッ。 浩二:「あ、あの──」 ゆなは構わず浩二の首元に顔を近づけまた深く匂いを吸い込んでいる。 Scene 6|しばらく後 部屋の中に静寂が流れた。 ゆなはまだ浩二の首元に顔を埋めたままゆっくりと匂いを吸い込んでいる。 浩二:「あ、あの……そろそろ離れてもらえると」 ゆなはゆっくりと顔を上げた。 ゆな:「ごめんなさい」 ゆな:「ずっとこのままが良かったけど……」 少し名残惜しそうに言った。 ゆな:「迷惑じゃなければ……また会ってくれませんか?」 浩二:「はい。いいですよ」 ゆなの顔がぱっと明るくなった。 ゆな:「LINE交換しましょ」 2人はスマホを取り出し、LINEを交換した。 ゆな:「じゃあ……また連絡しますね」 浩二:「はい」 浩二は部屋を出て、自分の個室へと戻った。 数時間前、居酒屋でのこと 浩二が同僚の隣に座っていると、同僚がステラホワイトを取り出す 同僚:「これ、めちゃくちゃ良い匂いでおすすめなんだよ」 浩二:「なにそれ」 同僚:「ステラホワイトっていう練り香水。最近買ったんだけど」 同僚が蓋を開けて差し出す。 浩二は鼻を近づけた。 浩二:「ほんとだ!良い匂いだね!ちょっと塗ってみていい?」 同僚:「いいよ」 浩二は首元と手首に少し塗り込んだ。 部屋に戻った男性はスマホを手に持ちAmazonのページを開く 検索欄に「ステラホワイト」と打ち込む。 迷わずカートに入れ、注文した。 男性(心の声):「届くのが楽しみだ」 深夜の漫喫の個室で、浩二は静かに笑った。 来週の同僚には、礼を言わなければならない。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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6月のある昼休み。会社の休憩室。 沢田康介がコーヒーを飲んでいると、後輩の田村涼がスマホを片手に近づいてきた。 涼:「先輩こういうの知ってますか?」 差し出されたスマホ画面には、カラフルなイベントページが表示されていた。 康介:「リアル脱出ゲーム?知らないな」 涼:「制限時間内に会場に隠された謎を解いて脱出する体験型ゲームイベントなんですよ」 康介:「へぇ、楽しそうだね」 涼:「今度行きましょうよ!」 涼はにやりと笑った。 涼:「もしかしたら良い女性に出会えるかもですよ」 康介:まあ、それは期待しないとして」 康介:「わかった行こうか」 Scene 2|当日の朝 イベント当日。都内のビルの一室。リアル脱出ゲーム専門施設「LABIRYS(ラビリス)」。 涼と待ち合わせ会場へと向かった。 受付には若いスタッフが立っていた。 スタッフ:「本日はお越しいただきありがとうございます。今回のゲームは『廃病院からの脱出』です」 康介:(心の声)(廃病院…) スタッフ:「制限時間は60分。室内に隠された謎を解き最後の暗号を入力すれば脱出成功です。ヒントは3回まで使用できます。途中退出は原則できませんのでご注意ください」 涼:「わくわくしますね」 康介:「廃病院って怖くないか?」 涼:「先輩、意外とビビりですね」 スタッフから地図と説明書を受け取り、指定された部屋へと向かった。 薄暗い廊下を歩く。 そして扉の前で足が止まった。 部屋の中にはすでに2人の女性が立っていた。 Scene 3|4人で謎解き開始 涼が真っ先に話しかけた。 涼:「はじめまして。一緒に謎を解いて脱出しましょう!」 麻衣:「よろしくお願いします」 ひより:「はじめまして。お願いします」 ガチャン。 扉が閉まった。 4人は密室に閉じ込められた。 スタート音が鳴り60分のカウントダウンが始まる。 涼:「じゃあ手分けして探しましょう。まず部屋を全体的に確認してみます」 麻衣:「わかりました。私はこっち側を」 涼と麻衣が中心になって謎解きを進め始めた。 康介とひよりは少し離れたエリアを担当する。 康介:(心の声)(相変わらず仕切るのが上手いな) 部屋の中には古びたカルテ、錆びた鍵、意味深な数字が書かれたホワイトボードなど、様々な仕掛けが散りばめられていた。 ゲームは順調に進んでいた。 最初の30分は。 Scene 4|異変 30分経過。 ひよりの様子が少し変わってきた。 さっきまで涼と一緒に行動していたのに、いつの間にか康介のすぐ隣に来ている。 頬がうっすら赤い。 ひより:「どうですか?謎解けそうですか?」 康介:「全然わからないですね。結構難しいですね」 ひより:「そうですね……」 ひよりの視線が謎よりも康介の方に向いている気がした。 康介:(心の声)(気のせいか) 康介は別の場所にヒントが隠されていないか探しに移動した。 するとひよりがついてきた。 康介:(心の声)(あれ、付いてきてる) 壁際の棚の下にヒントが隠されていないか確認するため、康介はその場にしゃがみ込んだ。 ひよりも、すぐ隣にしゃがみ込んだ。 距離が近い。というか密着している。 康介:(心の声)(近い近い!全然集中できない。さっきからずっと付いてきてるんだけど、何故だ!?) その時。 ひより:「あっ!あそこ見てください!」 ひよりが何かを見つけた。 康介の体にほぼ乗りかかるようにして指を指す。 柔らかいものが康介の腕に押し当てられた。 康介:(心の声)(ちょちょ、胸当たってる) 康介は立ち上がりヒントを確認してから別のエリアへ移動した。 またついてきた。 康介:(心の声)(さっきから何なんだこの子は) 康介:(心の声)(リアル脱出ゲームの謎解きより、この子の考えを謎解こうとして集中できないってば) Scene 5|告白 残り時間15分。 涼と麻衣が最後の暗号に取り組んでいる間、康介とひよりは少し離れた場所に立っていた。 ひより:「あの」 康介:「はい」 ひより:「今日こうやって出会えたのも何かの縁ですし……もしよかったら今度お食事でも行きませんか?」 康介は少し驚いた。 康介:「はいもちろん良いですよ」 康介:「ですが……なぜ私なんですか?」 康介:「ほら、そこにいる私の後輩の方が若くてイケメンですよ」 涼がちょうどこちらを向いていた。 涼:(心の声)(俺の話してる?) ひよりはちらりと涼を見て首を横に振った。 ひより:「たしかにイケメンですけど顔は関係ないですよ」 康介:「え?」 ひより:「最初にこの空間に閉じ込められた時に、すごく良い匂いがして」 ひより:「その匂いが沢田さんから香ってきたので気になっちゃって」 ひより:「実は私、匂いフェチで…この匂いが興奮しちゃうぐらい好きなんです」 康介:「そうだったんですね!やたらと距離が近かったのはそういう理由だったんですね」 ひより:「はい。これって何の匂いなんですか?」 康介:「これはステラホワイトという練り香水の香りでして」 康介:「SNSで話題になっていたので先日Amazonで購入してみたんですよ」 ひより:「ステラホワイト……覚えました」 ひよりはにっこりと笑い、スマホを取り出した。 ひより:「じゃあ、LINE交換しましょう」 Scene 6|脱出成功 残り時間5分。 涼:「暗号これじゃないですか!?」 麻衣:「合ってる!入力してみて!」 涼が端末に数字を打ち込むと── ピンポンピンポン! 『脱出成功!』 画面に文字が浮かんだ。扉が開く。 一同:「脱出成功!」 涼:「やったー!」 麻衣:「楽しかったー!」 ひより:「無事脱出できてよかったですねー」 康介:「そうですね」 涼:「今日はありがとうございました」 麻衣:「こちらこそ楽しかったです」 しばらく余韻を楽しんだ後、麻衣が腕時計を見た。 麻衣:「では私たちはこれから別のところに行く予定があるので」 涼:「お気をつけて」 麻衣が先に歩き出した。 ひよりが康介の隣に近づき耳元でそっと囁いた。 ひより:「次は私の誘惑から…脱出できるといいですね」 そしてにっこりと笑って歩き去った。 康介の顔がじわじわと赤くなった。 Scene 7|後輩の疑問 涼が不思議そうに康介を見ていた。 涼:「今、なんて言われたんですか?」 康介:「あっ……いや、何でもないよ。大したことじゃない」 涼:「……?」 涼は首をかしげたが追及しなかった。 康介:「昼飯食べにいくか」 涼:「そうっすね」 2人は会場を出た。 歩きながら康介はひよりの言葉を頭の中で繰り返した。 康介:(心の声)(まさかこんなことになるなんて) 康介:(心の声)(……誘惑から脱出できるか、心配だ) しばらく歩いたところで康介は口を開いた。 康介:「涼に言ってなかったんだけど」 涼:「はい?」 康介:「オススメの香水あるから買ってみな」 涼:「えっ、急になんすか?なんていう香水ですか?」 康介:「ステラホワイト」 涼:「ステラホワイト…メモしときます」 涼はスマホを取り出しながらまた首をかしげた。 涼:「でも先輩、さっき何て言われたんですか?本当に」 康介:「だから大したことじゃないって」 涼:「絶対何かありましたよね」 康介:「ラーメンにするか、それともそば?」 涼:「話題変えましたよね今」 6月の空の下、2人は昼飯を求めて歩き続けた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夕方17時。 早川けんじは会社のドアを出た瞬間、大きく息を吐いた。 けんじ:(心の声)(終わった……) 5日間分の疲労が、一気に肩から抜けていく。 けんじ:(心の声)(明日仕事休みだし、カラオケでも行くか) 一度帰宅し、スーツから着慣れたシャツに着替える。 冷蔵庫から適当なものを出して夕飯を済ませ 財布とスマホをポケットに突っ込み家を出た。 Scene 2|いつものカラオケ 夜21時。駅前のカラオケ「メロディBOX」。 けんじはひとりカラオケの常連だ。 受付で「おひとりですか?」と聞かれることにも慣れた。 恥ずかしくも何ともない。 案内されたのは3階の小部屋。 最初の1曲を入れた。 けんじ:「世界が終わるまでは──離れることもない──」 画面を見ながら全力で歌う。 1人だから誰にも遠慮しなくていい。 音程を外しても笑う人はいない。 これが最高なのだ。 1曲目が終わりすぐに2曲目を入れる。 けんじ:「大きな声でピリカピリララ──」 歌い終わりマイクをテーブルに置く。 けんじ:「やっぱアニソンは最高だ」 仕事のストレスが歌声と一緒に空気に溶けていく。 Scene 3|乱入者 数曲歌ったところで。 ガチャッ。 部屋のドアが開いた。 入口に若い女性が立っていた。 さゆり:「あっ!ごめんなさい、間違えました!」 さゆりは顔を真っ赤にして素早くドアを閉めた。 けんじ:「ビックリした……」 けんじは胸を撫で下ろした。 けんじ:「部屋を間違えるのってあるあるだよなー」 マイクを持ち直し次の曲を入れた。 けんじが歌い始めて2曲ほど経ったころ。 ガチャッ。 またドアが開いた。 けんじ:(心の声)(またかよ!) するとさっきの女性が今度はおずおずと立っていた。 さゆり:「今回は……間違えて開けたわけじゃないです」 けんじ:「え?どうしたんですか?」 さゆり:「1人で来てるんですか?」 けんじ:「はい、そうですが……」 さゆりは部屋の中に入ってきた。 そのまま迷わずけんじの隣に座る。 けんじ:(心の声)(少しお酒臭いな。酔っ払ってるのか?) さゆり:「私も1人で来てるんですけど、よかったら一緒に歌いませんか?」 けんじ:「いやいや、なんでですか?1人で歌いたくて来てるんじゃないですか?」 さゆり:「そうなんですけど、さっき間違えて部屋を開けた時に」 さゆりは少し恥ずかしそうに続けた。 さゆり:「部屋からすごく良い匂いがして」 さゆり:「なんの匂いなのか気になって、また来ちゃいました」 けんじは目を大きく開けた。 けんじ:(心の声)(匂い……) けんじ:(心の声)(まさか……今日塗ってきたあれか) (回想シーン) 男性は仕事から帰宅すると玄関にAmazonのダンボールが置き配されていた 男性:「荷物届いてる」 中身は友人からお薦めされたステラホワイトという練り香水 男性(心の声):「せっかくだし塗ってみるか」 カラオケに行く前にこの練り香水を塗っていた (カラオケの部屋のシーンに戻る) さゆりはけんじの首元にそっと顔を近づけた。 くんくんと、匂いを確かめるように嗅いでくる。 さゆり:「好きすぎる匂いで一緒にいたいなって思って。だめですか?」 けんじ:「ダメじゃないです」 さゆり:「ありがとうございます」 さゆりはぱっと笑顔になった。 Scene 4|一緒に歌う 店員に事情を説明し同じ部屋で歌うことになった。 けんじは追加料金を払い、2人分のドリンクを注文した。 さゆり:「何歌うんですか?」 けんじ:「基本アニソンばかりで…」 さゆり:「アニソン好きなんですか!?私も好きですよ!」 さゆりはリモコンをすいすいと操作し、慣れた手つきで曲を入れていく。 さゆり:「これ知ってます?」 けんじ:「それ知ってます。好きな曲です」 さゆり:「じゃあ一緒に歌いましょう!」 2人でマイクを持ち歌い始めた。 しかし問題があった。 さゆりが体をけんじにぴったりと密着させたまま歌っているのだ。 時折、顔をけんじの首元に近づけ深く匂いを吸い込んでいる。 けんじ:(心の声)(全然集中して歌えない) 画面の歌詞が頭に入ってこない。 しかしさゆりは気にせず歌い続けている。 Scene 5|違うマイク 3曲ほど歌ったところで2人は一息ついた。 けんじがドリンクを一口飲んでいるとさゆりがもたれかかってきた。 さゆり:「けんじさんって、普段もカラオケ来るんですか?」 けんじ:「毎週来てますよ。ひとりで」 さゆり:「毎週!?すごい」 さゆり:「私も週1で来たいんですけど、友達の都合が合わなくて。でも最近ひとりカラオケ覚えたんです」 けんじ:「ひとりカラオケ最高ですよね」 さゆり:「最高ですよね!!」 2人の意見が初めて完全に一致した。 次の曲のイントロが流れ始めた。 さゆりがマイクを手探りで探す。 テーブルの上のマイクではなくなぜか別の方向へ手が伸びた。 ぐっ。 けんじ:「っ──!」 さゆり:「あっ……違うマイク掴んじゃった」 けんじ:「酔っ払いすぎですよ」 さゆり:「ごめんなさい……でも」 さゆりはけんじをちらりと見上げた。 さゆり:「……悪くない感触でした」 2人はその後もアニソンを歌い続けた。 さゆりは歌いながらも何度もけんじの首元に顔を近づけ匂いを確かめていた。 けんじ:(心の声)(全然集中して歌えない) しかし悪い気はまったくしなかった。 Scene 6|お開き 3時間ほどが経ったところで2人は店を出た。 さゆり:「今日はありがとうございました」 けんじ:「こちらこそ」 さゆり:「アニソン仲間ができて嬉しかったです」 けんじ:「私もです」 さゆりはにっこりと笑い手を振った。 さゆり:「またどこかで会えたらいいですね」 そのままくるりと振り返り歩いていった。 けんじはその背中が見えなくなるまでその場で見送った。 帰り道。けんじは夜風の中を歩いていた。 けんじ:(心の声)(まさかこんなことが起きるなんな) けんじ:「ありがとう」 ステラホワイトとお薦めしてくれた友人に感謝する男性なのであった #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日の夜。午後8時。 三上隆は会社を出た瞬間、肩の荷が下りる感覚を味わった。 月曜から金曜まで、上司の顔色をうかがい、取引先に頭を下げ、終わらない資料と格闘する。 45歳独身。誰かに労ってもらえる相手はいない。 だから毎週金曜日、隆には決まった行き先があった。 風◯だ。 隆:「今週も終わった」 駅から歩いて5分。 いつもの店「ヴィーナス」の扉を押す。 受付のスタッフが顔を見るなりにこりと笑った。 スタッフ:「三上様、いらっしゃいませ。今日はいかがなさいますか?」 隆:「いつものコースで。指名は…今日は誰かおすすめいる?」 スタッフ:「ちょうど今、人気の子が空いてますよ。いかがでしょう?」 隆:「じゃそれで」 案内された部屋は、柔らかい照明で満たされていた。 ほどなくしてドアがノックされ、担当の女の子が入ってきた。 風◯嬢:「三上さん、初めまして。よろしくお願いします」 愛想の良い笑顔だった。 風◯嬢:「三上さん、毎週来てるんですか?」 隆:「そう。金曜日が一番の楽しみでね」 風◯嬢:「それは嬉しいです。お仕事大変そうですね」 隆:「まあ……サラリーマンなんてそんなもんだよ」 風◯嬢:「奥さんか彼女はいないんですか?」 隆:「いないよ。ずっと独身」 風◯嬢:「じゃあ三上さんにとって、ここが一番の癒しの場所ですね」 隆:「まあ、そういうことになるね」 風◯嬢:「それなら私、しっかり癒してあげますね」 1週間の疲れがじわじわと溶けていく。 プレイが終わり、隆は店を出た。 隆:「今日も最高だった」 夜風が気持ちよかった。 Scene 2|翌週金曜日 1週間後の金曜日。夜9時。 隆は今週いつもと違う行動に出ることにした。 隆:「今日は大久保公園の立ちんぼ行ってみるか」 最近SNSで大久保公園の状況を知った。 今まで興味はなかったがなんとなく気になっていた。 大久保公園に到着。 隆:「おお……いっぱい人が立ってる」 想像以上だった。 色とりどりの服装の女性たちが思い思いの場所に立っている。 隆:「しかも可愛い子もいるな」 しばらく周辺をぐるりと歩き、様子を観察する。 隆:(心の声)(よし、とりあえず声かけてみるか) 電柱の前に立っている女性が目に入った。 黒のミニスカート、白のオフショルトップス。 目の下にはハート型のラメのアイシャドウ、ツインテール、大きめのリボン。 地雷系と呼ばれるファッションだった。 顔は整っている。 隆:「こんばんは。何歳ですか?」 桃香はスマホから目を上げ、隆をちらりと見た。 桃香:「21」 隆:「若いね。いくらですか?」 桃香:「Gありホ別1万5千円」 隆:「わかりました。じゃあお願いします」 Scene 3|ホテルにて 2人は近くのホテルへと向かう ホテルの部屋に入ると隆は料金を桃香に渡しベッドに横になった。 桃香も隣に横になる。 しばらくして桃香の方から隆にしがみついてきた。 隆:(心の声)(お、積極的だな) 桃香は隆の首元に顔を近づけ鼻をひくひくと動かした。 桃香:(心の声)(…なんか良い匂いがする) Scene 4|帰り際 プレイが終わり二人は部屋を出た。 ホテルの廊下を歩きながら隆は財布をしまった。 エレベーターのボタンを押した瞬間、桃香が口を開いた。 桃香:「あのー」 隆:「うん?」 桃香:「もしよかったら…また会ってくれませんか?」 隆:「え」 桃香:「次からはお金はいらないです」 隆:「お金いらないの!?なんで?」 桃香は少しだけ恥ずかしそうに、視線を逸らした。 桃香:「相性が良かったってのもあるんですけど……すごく匂いが好みで」 桃香:「また会いたいなって、思っちゃいました」 隆:(心の声)(匂い……) 男性は先週の金曜日に行ったお店の女の子が 風俗嬢:「私、匂いフェチなんですよ。ステラホワイトっていう練り香水の香りが一番好きで、その匂いつけてるお客さんが来ると、めっちゃ興奮しちゃうんですよね」 って言っていたのを聞いてから、男Amazonでステラホワイトを購入し今回それを塗っていたのだ。 隆:「そういうことでしたら……また会いましょう」 桃香:「よかったです」 桃香はぱっと顔を明るくした。 桃香:「連絡先、教えてくれませんか?」 隆:「どうぞ」 二人はLINEを交換しホテルを出た。 隆:「ではまた!」 桃香:「はい。今日はありがとうございました」 桃香は軽く手を振り夜の街へと消えていった。 Epilogue|帰り道 夜の大久保。隆は一人、駅へと歩いていた。 ふとカバンの中に手を入れステラホワイトを取り出し 街灯の下でしげしげと眺めた。 隆:(心の声)(先週の風◯店の女の子から聞いたこの練り香水……買ってよかった) まさか立ちんぼの女の子に「次は無料で会いたい」と言われる日が来るとは思わなかった。 隆はステラホワイトをカバンの中に戻しスマホを開いた。 LINEのトーク画面に桃香の名前が追加されている。 その後、隆と桃香は月に2回ほどのペースで会うようになった。 毎回、隆はステラホワイトを塗って出かけた。 毎回、桃香は隆の首元に顔を埋めながら言った。 桃香:「やっぱりこの匂い、好き」 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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木下:「北村さんって最近どうですか。プライベート。」 北村:「どうって別に。何もないよ。」 木下:「彼女は?」 北村:「いない。」 木下:「やっぱり。なんかそんな気がしました。北村さんマッチングアプリやってみればいいんじゃないですか?」 北村:「マッチングアプリ?俺はそういうの疎くてついていけん。」 木下:「簡単ですよ。顔写真と自己紹介文だけで、あとはスワイプするだけです。俺もそれで今の彼女できましたし。」 北村:「スワイプ…そのあたりからもう意味わからん。」 木下:「いいから見てください。ほらこんな感じです。」 画面には何十人もの女性のプロフィール写真が並んでいた。 北村は少し目を細めた。 悪くない。正直に言うとかなり悪くなかった。 北村:「一応教えといてくれ。」 木下:「北村さんも彼女作りましょう」 北村:「余計なこと言わんでいい。」 【第二幕】マッチング その日の夜、北村はアプリをインストールした。 自己紹介文は30分かけて書き、最終的に「会社員です。よろしくお願いします。」の一文だけにした。 そして3日後。 スマホの通知音。 「真田 咲さんがいいねしました」 真田咲、26歳。 写真は3枚。清楚なワンピース姿、友人との旅行、カフェでラテアートを撮っている横顔。 自己紹介文には「人生を豊かにすることに興味があります。素敵な出会いができたら嬉しいです♪」とあった。 北村:(心の声)「かわいい。なんでこっちにいいねしてきたんだ。」 北村はおそるおそるマッチングボタンを押した。 その後メッセージのやり取りが始まり一週間後に会う約束が取れた。 待ち合わせは新宿。 北村は珍しく前日から何を着ていくか考えた。 【第三幕】ルノアール 土曜日の午後2時。新宿東口。 北村は待ち合わせの10分前に着いた。 5分後。真田咲が現れた。 写真通り、いや写真より少し大人っぽかった。 真田咲:「北村さんですか?真田です。はじめまして。」 北村:「あ、はい。北村です。こちらこそ。」 北村:(心の声)「来た。普通に来た。詐欺じゃなかった。」 二人は近くのルノアールに入った。 平日ならサラリーマンで埋まる席に今日は客が少なく落ち着いた雰囲気だった。 珈琲を頼み他愛ない話から始まった。 真田:「北村さん、プロフィールに副業って書いてましたけど何やってるんですか?」 北村:「せどりです。ネットで仕入れてネットで売るっていう。大した額じゃないですけど。」 真田:「すごい!行動力ありますよね。私、会社の給料だけじゃ将来不安で何か変えたいなってずっと思ってて。」 北村:「まあ、副業も楽じゃないですけどね。」 真田:「北村さんって、もっと大きく稼いでみたいとか思いますか?」 北村:「まあ……そりゃ思いますよ。」 真田は少し微笑んでコーヒーカップをそっとソーサーに置いた。 ここから話が少し変わった。 真田:「実は私、去年まで将来のことがすごく不安で会社の給料だけで生きていくことに限界を感じてたんです。」 北村:「うん、うん。」 真田:「そんな時にある人に出会ったんですよ。その人に出会ってから、本当に人生が変わったんです。」 北村:(心の声)「……なんかこのフレーズ、どこかで聞いたことがある気がするが。」 真田:「その人、コミュニティで人脈を広げながら収入を作る仕組みを持ってて。最初は半信半疑だったんですけど話を聞いてみたら全然怪しくなくて。今は私、副業の収入が会社の給料を超えてるんです。」 北村:(心の声)「……うん、聞いたことあるフレーズだ。絶対聞いたことある。」 だがこの時点で北村は確信を持てなかった。 真田:「今日、実はその方に特別に時間作ってもらって来てもらったんで、呼んでいいですか?」 北村:「あ……はい。」 北村:(心の声)「断れなかった。なんで断れなかったんだ俺。」 【第四幕】田口、登場 3分後。田口と名乗る40代の男性が現れた。 清潔感のあるジャケット。落ち着いた話し方。 一見すると、どこかの会社の営業部長みたいな雰囲気だった。 田口:「初めまして、田口です。咲ちゃんからお話を聞いてまして、ぜひ一度お会いしたかったんです。」 北村:「はじめまして……北村です。」 そこから田口の話が始まった。 最初の15分は「現代の会社員が抱えるリスク」の話だった。 年金崩壊、物価上昇、終身雇用の終わり。 北村も薄々感じていたことを、データと言葉で丁寧に並べてくる。 次の20分は「コミュニティビジネスの仕組み」の話だった。 ネットワーク、レベニューシェア、パッシブインカム。 カタカナが多く、話がぐるぐると回る。 北村は途中から「これ、MLMだな」と確信したが、 相槌を打ちながらコーヒーを飲み続けた。 田口:「実際に咲ちゃんも3ヶ月で月30万を達成してますし、本人に一番の証人になってもらえるかなと。ね、咲ちゃん。」 真田:「はい。最初は信じてなかったんですけど、本当に変わりました。」 北村:(心の声)「そうか。30万か。ルノアールで話す内容じゃないな。」 それからさらに30分。商品説明、プラン説明、成功事例の紹介。 合計1時間半。 北村は途中からメモを取るふりをしてスマホで「MLM 見分け方」を検索していた。 完全に一致していた。 話が一通り終わると、田口は爽やかな笑顔で立ち上がった。 田口:「今日は貴重なお時間、ありがとうございました。ご検討いただけると嬉しいです。」 北村:「ありがとうございました。」 田口はお金をテーブルの上に置き颯爽と去っていった。 妙に後味のいい帰り方だった。 【第五幕】勧誘の終わり、そして 二人きりになったルノアール。 真田が期待を込めた目でこちらを見てくる。 真田:「どうでした?」 北村:「いや、興味ないですね。」 真田:「……えっ。」 北村:「MLMですよね。勉強になりましたけど、自分には合わないです。」 真田は一瞬固まった。 北村は心の中で「これで終わりか」と思った。 出会いの一つもない41歳の土曜日の終わり方として、まあ妥当だと。 しかし。真田がおもむろに立ち上がり、北村の隣の席に移動してきた。 肩と肩がほぼ触れるほどの距離に座る。 北村:(心の声)「…………え?」 真田は北村の耳元に顔を寄せた。 その距離5センチ。息がかかりそうな近さでゆっくりと囁く。 真田:「ゆっくりお話ししたいから……静かなところに行きませんか?」 北村:「はい。」 北村:(心の声)「断れなかった。なんで今日2回目も断れなかったんだ俺。」 二人はルノアールを出て、新宿の街を5分ほど歩いた。 特に行き先を確認することなく、真田が先に立って歩いた。 二人が入ったのは清潔感のあるシティホテルだった。 部屋に入り、ベッドに並んで腰を下ろす。 静かな部屋に空調の音だけが流れる。 北村:「……普段からこうやってホテルに誘って、会員になってもらうように勧誘しているんですか?」 真田:「普段は絶対にやらないです。ホテルに来たのは今回が初めてです。」 北村:「そうなんですか。まあ私はホテルに来たからって会員になる気はありませんよ。」 沈黙。 真田が何か考えているような顔をしていた。 北村は続きを待った。 すると真田は、突然北村の腕にしがみついてきた。 体を寄せ、少し上目遣いになって、恥ずかしそうな顔でこちらを見てくる。 真田:「私が入会金、払います。だから入ってください。」 北村:「…は?」 「入会金を自腹で払う」それはつまり自分への投資ではなく相手への投資だ。ビジネスとして完全に破綻している。 北村:「なんでそこまでして入ってほしいんですか!?」 真田が少し頬を赤らめながら、北村の腕をさらに強く握った。 真田:「北村さんと人生のパートナーとして、ビジネスパートナーとして、一緒にいたいと思って。」 北村:「いや、それはわかりましたけど、なんでそう思ったんですか。今日初めて会いましたよね?」 真田:「実は待ち合わせで最初に会った時から、ずっと気になってたんです。」 北村:「気になってた?」 真田:「匂いが。すごく、好きで。」 北村:「はじめて会った時から?」 真田:「新宿東口で北村さんを見つけた時に近づいたら匂いがして。その瞬間、正直……勧誘するのやめようかと思いました。」 北村:「え。」 真田:「普通にお茶してそのまま帰ればいいかなって。田口さんに連絡して『今日なしで』って送ることも考えた。」 北村:「なんで結局したんですか。勧誘。」 真田が少し俯いた。 恥ずかしそうというより、どこか真剣な顔だった。 真田:「もし北村さんとこれから先も会い続けるなら。人生のパートナーになるなら。こういうことをやってる私のことを、最初から隠したくなかった。」 北村:「……。」 真田:「変ですよね。勧誘しておいて『隠したくなかった』って。」 北村:「変ですよ。かなり。」 真田:「わかってます。」 北村:(心の声)「でも……筋は通ってる。歪んだ筋だけど、ちゃんと通ってる。」 嘘をついている顔ではなかった。本当に少し困ったような顔をしていた。 真田:「なんの匂いか聞いてもいいですか。」 北村:「ステラホワイトという練り香水です。このアプリを教えてくれた部下に今日女性と会うことを話したらオススメされてAmazonで購入してみたんです。」 真田:「すごく良い匂いです。……本当に。ずっとそばにいたい。」 それから少し経って。真田は北村の肩に頭を預け静かにこう言った。 真田:「ビジネスのことは本当に一緒にやってみたいと思ってる。でもそれ以上に北村さんのことが気になってるのは本当です。」 北村:「ビジネスの勧誘と個人的な感情、混ざってませんか。」 真田:「混ざってると思います。でも両方本当のことです。」 北村:(心の声)「正直すぎる。この子、正直すぎる。」 北村は深く息を吸った。 北村:「わかりました。入ります。」 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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ある平日の夜。拓海はソファでスマホをいじっていた。 LINEの通知が来た。 グループへの招待だ。 グループ名:「蒼葉中学校 第3期生 同窓会」 拓海:(心の声)(……同窓会) 参加ボタンを押すと、見覚えのある名前がずらりと並んでいた。 懐かしい名前。 でも特別嬉しくはない。 拓海の中学校生活は、決して輝かしいものではなかった。 部活には入っていなかった。 友達もそれほど多くはなかった。 女子とまともに話したことは──ほぼなかった。 平凡で地味で記憶にも残らないような3年間だった。 参加を断ろうとした。 その時一つの名前が目に飛び込んできた。 拓海:(心の声)(……え) 西村 あやか。 拓海:(心の声)(この人って……俺の初恋相手じゃないか) Scene 2|回想 27年前。中学1年生の入学式。 桜が散る体育館の中で、拓海はクラス分けの張り紙を見ていた。 隣に一人の女子が立っていた。 その瞬間、拓海の時間が止まった。 こんなに可愛い子が世の中にいるのか。 それが拓海の正直な感想だった。 同じクラスだとわかった時、心臓が跳ねた。 しかし拓海は根暗だった。 話しかけることなど到底できなかった。 ただ遠くから見ているだけの1学期が過ぎた。 夏休みに入る直前、拓海は決意した。 誰にも見られていない校舎裏。 拓海:「あの……好きです。付き合ってください」 あやか:「……ごめんなさい」 それだけだった。 清々しいほどの、あっさりとした失恋だった。 しかし本当の地獄は夏休み明けに始まった。 廊下を歩いていると知らない男子に声をかけられた。 友達:「西村に告白したんだって?」 拓海:「なんで知ってんだよ」 友達:「お前のクラスメイトから聞いた」 他のクラスにまで広まっていた。 廊下のどこかから女子の声が聞こえた。 女子A:「あやかちゃん可哀想」 女子B:「なんで告白なんてしたんだろうね」 笑いを含んだ声だった。 さらに追い打ちをかけるように夏休み中にあやかはクラスで一番イケメンと付き合い始めたという話が広まった。 拓海:「……結局、顔かよ」 それ以来、拓海は女子とまともに話さなくなった。 自分に自信を持てなくなった。 27年間それは変わっていない。 Scene 3|参加を決める 現在に戻る。 拓海はスマホを持ったまま、しばらく天井を見つめた。 拓海:「久しぶりに会ってみたい気持ちはあるけど……気まずいな」 あの時のことを、あやかは覚えているだろうか。 覚えていたとしてどんな顔をすればいいのか。 拓海は5分悩んだ。 そして参加ボタンを押した。 拓海:(心の声)(40歳にもなって引きずるのも情けないか) Scene 4|同窓会当日 土曜日の夜。居酒屋の大広間。 指定された店に着くと既に十数人が集まっていた。 見覚えのある顔、見覚えのない顔。 クラスメイトの男性:「拓海か!?変わらないな!」 拓海:「久しぶり。みんなも変わらないね」 社交辞令の会話をこなしながら拓海は席についた。 ビールを注文し男性陣と話す。 隣の女性グループには今日も話しかけられない。 27年経っても、それだけは変わっていなかった。 拓海:(心の声)(……我ながら成長がない) 予定の時間を30分過ぎたころ。 大広間の入口が開いた。 女性:「遅れちゃってごめんなさい」 その声に拓海は思わず顔を上げた。 拓海:(心の声)(この顔……絶対そうだ) 拓海:(心の声)(あやかちゃんだ) 27年の時を経て、あやかはさらに美しくなっていた。 中学生の頃の可愛らしさが、大人の色気へと変わっている。 拓海:(心の声)(大人になって、さらに美人になったな) あやかは拓海から離れた席に座った。 周囲の旧友と楽しそうに話している。 声だけが聞こえてくる。 どうやら中学時代のイケメンとは、高校1年の時に別れたらしい。 今は職場で出会った人と結婚して、専業主婦をしているそうだ。 拓海:(心の声)(そりゃそうだよな。こんなに綺麗なんだから結婚してるよな) 拓海はビールを一口飲み男性陣との会話に戻った。 Scene 5|隣に来た お酒が進むにつれ席の移動が始まった。 各々が懐かしい旧友のもとへと移動していく。 拓海は動かなかった。 動き方がわからなかった。 ビールを3杯目に差しかかったころ。 拓海の隣の席が、音を立てて引かれた。 あやか:「拓海君だよね?」 拓海:「……はい」 あやか:「やっぱりそうだ。久しぶりだね」 あやかは屈託なく笑っていた。 あの夏休み前の出来事など、微塵も気にしていない様子だった。 拓海:(心の声)(忘れているのか。まあ……27年前の話だしな) あやか:「今、何してるの?」 拓海:「会社員です。IT関係の仕事を」 あやか:「そうなんだ。なんか落ち着いた雰囲気になったね」 拓海:「あやかさんは……専業主婦とか聞こえてきたけど」 あやか:「そう。結婚してから仕事辞めて」 あやか:「拓海君は?結婚は?」 拓海:「していないです。ずっと独身で」 あやか:「え、もったいない」 拓海:(心の声)(もったいない、という言葉をかけてもらえる日が来るとは思わなかった) 会話は思いのほか弾んだ。 27年のブランクを感じさせない自然なやり取りだった。 Scene 6|様子がおかしい 時間が経つにつれ、あやかの様子が変わってきた。 最初は適切な距離感で話していたのに気づけば肩が触れるほど近くなっている。 拓海:(心の声)(……近くないか) 拓海:(心の声)(お酒が入っているせいか) あやかはグラスを傾けながら拓海の耳元に顔を寄せた。 あやか:「ねえ、同窓会終わったらちょっと話したいことがあるんだけど」 拓海:「話したいこと?」 あやか:「みんなには見られないようにどっかで合流しよ。連絡するから」 拓海:「……はい」 二人は素早く連絡先を交換した。 拓海:(心の声)(話したいこと……なんだろう) 拓海:(心の声)(あの頃の告白の話か?) 拓海:(心の声)(いや、27年越しにそんな話は……) Scene 7|合流 同窓会が終わり人々が散っていく。 2次会に流れる者、帰宅する者。 拓海は帰るふりをして駅の近くのコンビニ前で待った。 10分後 あやか:「待たせてごめんね」 拓海:「いえ」 あやかは歩き出した。 拓海はその隣を歩く。 拓海:「あ、あのー」 あやか:「うん?」 拓海:「話したいことって……なんですか?」 あやか:「それはあとでゆっくりした時に話すよ」 拓海:(心の声)(ゆっくりした時……) 二人は夜の街を歩き続けた。 やがて街の雰囲気が変わってきた。 拓海:(心の声)(……この辺ホテル街じゃないか) あやかは迷いなく歩いている。 拓海:「あ、あの……」 あやか:「大丈夫だから」 あやかは振り返り拓海の腕を掴んだ。 そのままホテルの入口へと引っ張っていく。 拓海:「ちょ、ちょっと待って」 しかし体は、引っ張られるまま動いていた。 Scene 8|部屋の中で ホテルの一室。 ソファに座るとあやかがすぐ隣に体を寄せてきた。 あやか:「やっと2人きりになれた」 拓海:「えっ……どういうこと!?なんでホテルに来たんですか?」 あやか:「さっき居酒屋で隣に座った時にね」 あやかは静かに言った。 あやか:「拓海君から、すごく良い匂いがしたの」 拓海:「匂い?」 あやか:「それがすごい好きな匂いで……もっと一緒にいたいって思っちゃったんだ」 拓海は頭の中で、今日の準備を振り返った。 家を出る前に先日Amazonで買った練り香水のステラホワイトを塗っていた。 拓海:「でも……匂いが好きでも、俺ですよ?」 拓海:「中学の時、イケメンの同級生と付き合ってたじゃないですか。ああいう人が好きなんじゃないんですか?」 あやかは少し笑った。 あやか:「その時は若かったからね。顔で選んでたけど……大人になると顔だけじゃないって思うようになったんだよ」 あやかは拓海の腕に手を回し首元に顔を近づけた。 深く匂いを吸い込む。 あやか:「……好き、この匂い」 拓海:「そういえば……話したいことって、なんだったんですか?」 あやかは顔を上げ拓海を見た。 あやか:「話したいこと?」 あやか:「あー……特に何もないよ」 拓海:「え」 あやか:「ただ一緒にいたいって思ったから、嘘ついちゃっただけ」 あやかは少し赤い顔で拓海をまっすぐに見つめた。 あやか:「迷惑だった?」 拓海:「……そんなことはないです」 あやか:「よかった」 あやかは静かに笑い拓海の肩に頭を預けた。 Scene 9|夜が明ける前に 数時間後。 二人はホテルを出た。 あやか:「2次会行ってる人たちもいるから、見られたらマズいし……ここで解散しよ」 拓海:「そうですね。気をつけて帰ってください」 あやか:「拓海君もね」 あやかは少し躊躇ってから、小さく笑った。 あやか:「……またね」 拓海:「またね」 拓海はその背中が見えなくなるまで、その場に立っていた。 27年前、夏休み前の校舎裏。 「ごめんなさい」と言ったあの顔が、頭をよぎった。 拓海:(心の声)(……同じ人間とは思えないな) 苦笑いしながら拓海はゆっくりと駅へ向かった。 拓海は歩きながら、ふと立ち止まった。 自分の手首を鼻に近づける。 ステラホワイトの香りがまだ残っていた。 拓海:「……お前か」 拓海は少し笑いまた歩き出した。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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土曜日の午前10時。市立図書館。 開館と同時に入ってくる常連客の中に坂本誠二の姿があった。 毎週末、必ずここに来る。 特別な理由はない。 静かで本があって誰も話しかけてこない。 それだけで十分だった。 図書館の自動ドアをくぐりいつもの棚へと向かった。 Scene 2|1冊目 館内には数十人の利用客がいた。 本を読む人、ノートを広げて勉強している人、静かに眠っている老人。 誠二はいつものように文学コーナーの棚を眺めた。 背表紙を指でなぞりながら今日の1冊を選ぶ。 1冊選んで席に腰を下ろす。 誠二:(心の声)(さて) 本を開いた瞬間、外の喧騒が遠くなる。 これが好きだった。 2時間ほどで読み終え本を棚へ返しに向かった。 Scene 3|2冊目、そして異変 本棚の前に立ち2冊目を探す誠二。 背表紙を眺めながら右へ左へと視線を動かす。 ふと気づくと、すぐ隣に一人の女性が立っていた。 同じように本棚を眺めている。 黒縁眼鏡。落ち着いた服装。 誠二は特に意識せず2冊目を決めて席へ戻った。 本を開き読み始めて数分後のことだった。 館内の奥の方で人が動く気配がした。 誠二は無意識に視線を上げた。 一人の女性が荷物をまとめて席を立っていた。 さっき本棚の隣に立っていた女性だ。 女性はゆっくりとこちらへ向かって歩いてくる。 そして誠二の隣の席に、静かに座った。 誠二:(心の声)(……え) 誠二はさりげなく館内を見渡した。 空席は他にいくつもある。 誠二:(心の声)(あれ、さっきあっちに座ってた女性だよな) 誠二:(心の声)(他にも席空いてるのに、何でここに来たんだ) 女性は荷物を整え静かに本を開いた。 誠二を見ることもなくごく自然に読み始めている。 誠二:(心の声)(……気のせいか) 誠二も本に視線を戻した。 たださっきよりほんの少しだけ集中できなかった。 Scene 4|3冊目、手が触れる 2冊目を読み終え誠二は本棚へ返しに向かった。 3冊目を探しながら棚を眺めているとまた隣に気配がした。 誠二:(心の声)(……また来た) さきが誠二のすぐ隣に立っていた。 同じように本棚を眺めている。 誠二:(心の声)(次はこれにするか) 誠二が手を伸ばすとさきの手が同じ本に触れた。 誠二:「あっ、すみません」 さき:「こちらこそ、ごめんなさい」 二人の手が一瞬重なって離れた。 誠二:「よかったら先に読んでください。私は違うのを読むので」 さき:「いえいえ、それは申し訳ないです。私が後から取ろうとしたのでお先にどうぞ」 誠二:「気にしないでください。私は後で大丈夫ですよ」 さきは少し黙り込んだ。 一拍置いて息を飲む。 さき:「それでは……私、隣に座っているので、一緒に読みませんか?」 誠二:「……」 思考が、0.5秒止まった。 誠二:「……私は、それで構いませんよ」 さき:「ありがとうございます」 さきは静かに微笑んだ。 Scene 5|隣で読む 二人は席に戻り同じ本を並んで読み始めた。 言葉はほとんどない。 ページをめくる音だけが二人の間に存在していた。 誠二:(心の声)(この状況は一体なんだ) 誠二:(心の声)(何で若くて可愛い女の子が私の隣で一緒に本を読んでいるんだ) 誠二はふと思い出した。 先日、会社で部下に加齢臭の悩みを打ち明けた時のことだ。 部下:「部長、これ使ってみてください。清潔感があってすごく良い香りなのでオススメですよ」 誠二:「貰っていいのか?」 部下:「いいですよ!あとちょっとしか残ってないですけど(笑)」 貰った練り香水のステラホワイトを今朝、家を出る前に塗ってきたんだ 誠二:(心の声)(加齢臭の悩みを話したら練り香水を渡されるとは思わなかったが) 誠二:(心の声)(まさか……それのおかげか?) 信じがたかった。 しかし他に説明がつかなかった。 時々、隣からさきの視線を感じた。 誠二:(心の声)(……気のせいではない) 誠二は冷静を保ちながら本のページを追い続けた。 ただ内容はいつもの半分も頭に入らなかった。 Scene 6|図書館を出る 3冊目を読み終え誠二は席を立った。 誠二:「じゃ、返してきますね」 さき:「ありがとうございます」 本を棚に戻し席に戻ってくる。 誠二:「私はそろそろ帰りますね」 さき:「あっ……私ももう帰ります」 二人は荷物をまとめ並んで図書館を出た。 春の午後の光が二人を包んだ。 さき:「本を読むのが趣味なんですか?」 誠二:「はい。好きで、週末はいつも来ています」 さき:「そうなんですね。私も最近本を読むのにハマっていて…今日、初めてここに来たんです」 誠二:「そうでしたか」 さき:「私もこれからここに通ってみようかな」 さきは少し恥ずかしそうに視線を足元に落とした。 誠二:「そしたら、またいつかここで会えるかもしれないですね」 さき:「はい」 さきは顔を上げ誠二を見た。 さき:「その時は……また隣で一緒に読んでも良いですか?」 誠二:「構わないですよ」 さき:「やったー、嬉しいです」 さきはぱっと表情を明るくした。 さき:「ではまた、会えるのを楽しみにしています」 そう言ってさきは軽やかな足取りで去っていった。 誠二はその背中をしばらく見送っていた。 Epilogue|新しい楽しみ 帰宅後。誠二はソファに座りスマホを手に取った。 今日のことを静かに振り返る。 本棚での偶然。 隣に移動してきた女性。 一緒にページをめくった午後。 そして「また会えるの楽しみにしています」という言葉。 スマホを開き、Amazonの検索欄に打ち込む。 「ステラホワイト」 誠二:(心の声)(これからあそこで会う機会も増えるかもしれない) 誠二:(心の声)(新しく買っておくか) カートに入れて即注文。 誠二はスマホを置き天井を見上げた。 週末の図書館がずっと好きだった。 静かで本があって誰も話しかけてこない。 でも今日からもう一つ楽しみが増えた。 誠二:(心の声)(来週も、行くか) 口元に小さな笑みが浮かんでいた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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金曜日。夜22時。 相沢ゆうなはアパートの階段を重い足取りで上がっていた。 ゆうな:「今日も疲れたー」 6連勤の最終日だった。 バイト先のカフェで6時間立ちっぱなし。 足の裏が鉛のように重い。 部屋に入り鞄を床に投げる。 ゆうな:「明日、友達と出かけるの楽しみだな」 それだけが今週の心の支えだった。 着替えようとクローゼットを開けた瞬間。 ゆうな:「……あっ」 連勤ですっかり忘れていた。 明日着ていく服がない。 下着もない。 ゆうな:「今日はもう遅いし今から洗濯したら周りに迷惑だよね……」 ゆうな:「お金もったいないけど……コインランドリー行くしかない」 ゆうなは洗濯物をまとめてカゴに入れ近所のコインランドリーへと向かった。 Scene 2|コインランドリーへ 夜22時15分。24時間営業のコインランドリー「コインズ」。 店内は無人だった。 ゆうなは手際よく洗濯物を機械に放り込み、スイッチを押した。 ゆうな:「洗濯と乾燥合わせて1時間か」 ゆうな:「1回家帰ってご飯食べちゃおう」 ゆうなは店を出た。 その時、気づかなかった。 洗濯物を入れる際に、ブラジャーが一枚、床に落ちていたことを。 Scene 3|克己の夜 一方その頃。会社の飲み会が終わり、田中克己は千鳥足で帰宅していた。 50歳。会社員。 特に自慢できることは何もない。 22時半。玄関のドアを開ける。 克己はリビングのソファにゴロンと倒れ込んだ。 克己:「いや~、飲みすぎた。明日は仕事休みだし、風呂入っていっぱい寝るぞー」 起き上がり洗面所に向かうと積み上がった洗濯物のカゴが目に入った。 克己:「……そういえば1週間分溜まってたな」 克己:「コインランドリー行ってくるか」 克己は洗濯物をまとめてビニール袋に突っ込み家を出た。 Scene 4|発見 夜23時。コインランドリー「コインズ」。 店内は無人だった。 克己は洗濯物を機械に入れ、スイッチを押した。 克己:「さて帰るか。」 踵を返した瞬間、床に何かが見えた。 克己:「なんか落ちてるな。タオルか?」 近づいてみる。 それは、タオルではなかった。 克己:「おいおいおい」 克己:「ブラジャーが落ちてるぞ!」 克己は思わず声に出した。 店内に響いた。 無人で良かった。 克己は少し考えた。 克己:(心の声)(知らないふりして帰るか) 克己:(心の声)(でも誰かのものだしな) 克己:(心の声)(落とし物BOXに入れておくのが正解だろ) 答えはすぐに出た。 克己はブラジャーを拾い上げた。 そして──気づいたら、顔が近づいていた。 克己:「いかんいかん!」 克己は勢いよく顔を引いた。 克己:(心の声)(酔っているせいか、匂いを嗅いでしまいそうになってしまった) 克己:(心の声)(50歳にもなって何をやってるんだ俺は) 克己は理性を取り戻し、落とし物BOXへと向かった。 その瞬間。 コインランドリーのドアが、勢いよく開いた。 Scene 5|冤罪 入ってきたのは──若い女性だった。 ゆうな:「何してるんですか!?」 克己:「え」 ゆうなの目が、克己の手元に釘付けになっていた。 ゆうな:「それ、私の下着です!」 克己:「あっ違う!これは床に落ちてたので落とし物BOXに──」 ゆうな:「嘘だ!下着泥棒!」 克己:「ち、違います!本当に落ちてたんです!」 ゆうなは克己に近づきブラジャーを力強くひったくった。 ゆうな:「警察呼びますよ」 克己:「呼んでください!本当に落ちてただけなので!」 克己:(心の声)(でも顔を近づけかけたのは事実だ) 克己:(心の声)(それは言えない) 二人の間に、険悪な沈黙が流れた。 ゆうなは克己を睨みつけながら、スマホを取り出した。 その時だった。 ゆうなの鼻が、かすかに動いた。 ゆうな:(心の声)(……?) 怒りで頭に血が上っていたはずなのに。 何か甘い香りが漂ってくる。 ゆうな:(心の声)(なんの匂いだろう) ゆうなは思わず克己との距離を詰めていた。 克己:「……あの、近いんですが」 ゆうな:「……っ」 ゆうなはハッとして一歩後ろに下がった。 ゆうな:(心の声)(なに、今。なんで近づいた私) スマホを持つ手が止まっている。 ゆうな:(心の声)(この匂い……なんかすごく好きかも) 克己はゆうなが急に黙り込んだので恐る恐る様子をうかがった。 克己:「……あの、信じてもらえないかもしれないんですけど、本当に拾っただけで」 ゆうな:「……」 ゆうな:「ねえ、何かつけてます?」 克己:「え?」 克己は今日の飲み会の時 克己:「……なんか良い匂いがするな」 克己:「お前、何かつけてるのか?」 部下:「あ、気づきました?ステラホワイトっていう練り香水なんですよ」 克己:「練り香水?」 部下:「Amazonで買えるんですけど田中部長も付けてみますか?」 克己:「じゃ……ちょっとだけ付けてみようかな」 部下から良い匂いがしたので何か付けているか?と聞いたところ ステラホワイトという練り香水を教えてもらった。 そして今に至る。 ゆうな:「匂い。香水か何か」 克己:「あ……練り香水を少し。ステラホワイトっていう」 ゆうな:「ステラホワイト」 ゆうなは克己の首元に顔を近づけ、静かに匂いを吸い込んだ。 ゆうな:「……いい匂い」 ゆうな:「さっきはごめんなさい」 克己:「え?」 ゆうな:「下着泥棒とか言って」 克己:「まあ、状況的にそう見えますよね」 ゆうな:「この匂い嗅いでたら、なんかもう怒れなくなっちゃいました」 ゆうな:「その香水ってAmazonで買えます?」 克己:「買えますよ」 ゆうな:「……彼氏につけさせようかな」 克己:(心の声)(彼氏いるのか) 克己:「良い選択だと思います」 ゆうなはくすっと笑い ゆうな:「ありがとうございました。下着、拾ってくれて」 克己:「いえ……疑われましたけど」 ゆうな:「ごめんなさい」 ゆうな:「でも……おかげで良い匂いに出会えました」 ゆうなはそう言って、自分の洗濯物を取り出しカゴに入れコインランドリーを出ていった。 克己はしばらく閉まったドアを眺めていた。 克己:「冤罪にならなくて良かった」 克己は心の底からそう思い洗濯が終わるのを店内で静かに待つことにした。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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深夜11時。コンビニのバックヤード。 木下茂は更衣室でエプロンを結びながら鏡の中の自分を見た。 49歳。コンビニ夜勤アルバイト。 茂(心の声):(……情けないな) 自分でも思う。 でも思うだけでどうにもならない。 深呼吸をしてフロアへ出た。 茂:「新人の木下です。今日からお願いします」 カウンターの向こうで振り向いたのは明らかに若い女性だった。 なな:「川島です。お願いします」 笑顔はなかった。 なな(心の声):(うわっ、おっさんと二人か。いやだな) 顔には出さなかったが、目には出ていた。 茂(心の声):(……そうだよな。そうなるよな) Scene 2|2週間後 それから2週間。 二人のシフトは変わらず続いた。 なな:「賞味期限切れ、バックに持っていってください」 茂:「わかりました」 なな:「揚げ物、補充お願いします」 茂:「はい」 業務の会話だけだ。 それ以外は一切ない。 茂(心の声):(まあ……これが普通だよな) 茂は元々、人と話すのが得意ではない。 根暗という自覚もある。 だから別に構わなかった。 ただ夜中の3時に誰とも話さずレジに立っているのは少し寂しかった。 それだけだ。 Scene 3|その日 2週間と3日目の夜。 今日もいつものシフト。茂となな二人だけ。 茂:「おはようございます」 なな:「おはようございます」 それだけ言って二人はそれぞれの持ち場へ向かった。 Scene 4|異変 深夜1時過ぎ。店内は静かだった。 なながドリンクの補充のため茂の後ろを通り抜けようとした。 その瞬間。 なな(心の声):(心の声)(えっ!うそ!?) 足が止まった。 ななは何かを感じていた。 顔が熱くなるのがわかった。 心臓が不自然に跳ねた。 なな(心の声):(いやいや、絶対ありえない。だって49歳でバイトしてるおっさんだよ。普通に無理だって) ななは自分に言い聞かせ、ドリンクコーナーへと向かった。 だがドキドキが止まらなかった。 気づくと目が茂を追っていた。 茂が揚げ物コーナーへ行けば視線が追う。 茂がレジに戻ればまた追う。 なな(心の声):(なんで私……) 自分でも意味がわからなかった。 Scene 5|バックヤード 深夜2時。在庫確認のため二人はバックヤードへ入った。 狭い空間。 蛍光灯の白い光。 段ボールが積み上がった棚。 茂がリストを確認している。 なながその横で商品の数を数えている。 ただそれだけのはずだった。 しかしバックヤードに入った瞬間、密閉された空間の中で先ほど感じた何かを、ななはより強く感じた。 なな(心の声):(っ……) 心拍数が、急激に上がる。 体が内側から熱くなっていく。 なな(心の声):(だめだ、我慢できない) すると、ななは茂の背中に向かって抱きついていた。 茂:「えっ!」 茂は完全に固まった。 手に持っていたクリップボードが床に落ちた。 パタン。 なな:「いきなりごめんなさい」 沈黙が流れた。 茂(心の声):(え、なに、これ、現実?) 茂(心の声):(バックヤードですよね、ここ) なながゆっくりと体重をかけてきた。 茂はバランスを崩し段ボールの山を巻き込みながらその場に崩れ落ちた。 ドサッ、バサバサバサ。 茂:「っわ!」 段ボールが四方に散らばる中、ななはそのまま茂の上に乗り体を密着させた。 そして首元へと顔を近づけてきた。 なな:「ハァ……ハァ……」 息遣いが荒くなっている。 茂(心の声):(段ボール散らかってるのに全然気にしてない) ななはそのまま茂の首元に唇を当てた。 軽く甘噛みしてくる。 茂:「急にどうしたんですか!?」 なな:「……私にもわからない」 なな:「なんか急に良い匂いがして……それから私が私じゃないみたいになって……」 茂:「匂い!?」 その言葉を聞いた瞬間、茂の頭に電流が走った。 茂(心の声):(まさか!!!) 家を出る前に塗ったもの。 Amazonで届いていた練り香水「ステラホワイト」 茂:(心の声)(あれのせいか!?) ななはまた深く匂いを吸い込んだ。 なな:「……もっと嗅がせて」 茂(心の声):(もっと、と言われても) Scene 6|バックヤードの中で 散らばった段ボールに囲まれたまま、しばらくの時間が流れた。 蛍光灯が二人を白く照らしていた。 フロアの方から自動ドアが開く音がした。 深夜のお客さんだ。 茂:「……レジ、行かないと」 なな:「……うん」 なながゆっくりと体を起こした。 乱れた髪を手で整えエプロンを直す。 茂も立ち上がり散らばった段ボールを素早く拾い集めた。 なな:「……後で片付けます」 茂:「いえ、私がやります」 なな:「……」 ななは少し俯いたまま先にバックヤードを出た。 茂は一人残り段ボールを積み直しながら天井を見上げた。 茂(心の声):(……49年生きてきて、こんなことが起きるとは) 静かに笑ってフロアへと戻った。 Scene 7|夜明け前 朝6時。シフト交代の時間が近づいてきた。 二人は黙って閉め作業をこなしていた。 気まずいわけではない。 ただ何を言えばいいかお互いわからなかった。 次のシフトの担当者が入ってきた。 なな:「お疲れ様でした」 茂:「お疲れ様でした」 二人は更衣室で着替えコンビニを出た。 朝の空気が冷たかった。 駐車場で二人の足が自然に止まった。 なな:「……あの」 茂:「はい」 なな:「今日のこと忘れてください」 茂:「……わかりました」 なな:「……」 茂:「……」 なな:「でも明日のシフトも一緒ですよね」 茂:「そうですね」 なな:「……その香水また付けてきていいですよ」 そう言って、ななは自転車にまたがり走り去っていった。 茂はその背中を見送り、自宅へ帰っていった Epilogue|真実 朝7時。実家の自分の部屋。 茂は静かに部屋に入りベッドに腰を下ろした。 テーブルの上にはステラホワイトが置いてある それを眺めながら今夜のことを頭の中で再生する。 バックヤード。 散らばった段ボール。 ななの荒い息遣い。 そして── 「その香水、また付けてきていいですよ」 茂は静かに笑った。 49歳。コンビニ夜勤アルバイト。実家暮らし。 情けないと思っていた。 でも今日だけは少しだけ、そう思わなかった。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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土曜日の昼前。ひろしのワンルームマンション。 部屋の至る所にアニメのフィギュアが並んでいる。 壁には同人誌のネームが貼り付けられ、床にはトーンのカスが散らばっている。 ひろしはパソコンを閉じ立ち上がった。 ひろし:「今日もファミレス行くかー」 家だと集中できない。 誘惑が多すぎる。フィギュアが目に入る。積んでるゲームが目に入る。配信が始まる。 気づいたら夜になっている。 だからひろしは週末ファミレスかカフェで作業することが多い。 玄関で靴を履こうとしたとき宅配ボックスの通知が目に入った。 ひろし:「あ、届いてた」 取り出したのは小さな箱。 先週Amazonでポチった練り香水ステラホワイトだ。 ひろし:「せっかくだし塗ってみるか」 洗面台の前で手首と首元に少し塗り込む。 特に期待はしていない。 ひろしはリュックを背負い家を出た。 Scene 2|ファミレス、作業開始 最寄りのファミレス。 土曜の昼前、店内は程よく賑わっている。 ひろしはいつもの窓際の席に座りノートパソコンを開いた。 ドリンクバーのコーヒーを一杯注いで早速作業を開始する。 ひろし(心の声):(次の新作、どんな内容にしようか悩むな) ひろしの同人誌は成人向け漫画だ。 コミケでそこそこ売れている。 本業のサラリーマンより、こちらの方が生きがいを感じている。 ひろし(心の声):(やっぱりアイデアは現物から得るのが一番だ) ひろしはおもむろに、大人のサイトを開いた。 ひろし:「うひょ~。これはいいな」 声に出てしまっていた。 周囲の客が一瞬こちらを見たが、ひろしは気づいていない。 画面に釘付けだ。 Scene 3|来店 その時、ファミレスの入口のドアが開いた。 藤原みずきが入ってきた。 黒髪ロング、清楚系のワンピース。 店員に案内されたのは──ひろしの後ろの席だった。 みずきはひろしの後ろを通り抜けようとした。 その瞬間、チラッと視界に入ったものがある。 ひろしのパソコンの画面。 みずき(心の声):(うわっキモ。大人のサイト見てる) みずきは顔をしかめながら後ろの席に着席した。 メニューを開き、なるべくひろしの方を見ないようにした。 一方ひろしは、後ろに人が来たことにも気づいていない。 画面を凝視しながら、時折メモを取っている。 ひろし(心の声):(このシチュエーションいいな。参考になる) 完全にプロの目だった。 本人の中では。 Scene 4|異変①──ひろしの場合 数十分が経った。 ひろし(心の声):(やべっ、ムラついてきちゃった) これはひろしの悪癖だった。 アイデア探しで大人のサイトを見ているうちに自分が影響を受けてしまうのだ。 そうなるともう作業どころではない。 ひろし(心の声):(一旦、スッキリしてくるか) ひろしはパソコンをスリープにし席を立った。 トイレへと向かう。 ひろし(心の声):(ファミレスのトイレって意外と個室が広くていいんだよな) 完全に慣れていた。 Scene 5|異変②──みずきの場合 実はみずきにも異変が起きていた。 席に着いてからずっと気になっていたことがある。 鼻の奥に漂う、甘く清潔感のある香りだ。 みずき(心の声):(めっちゃいい匂い。この香りどこから来てるんだろう) 周囲を見渡した。 特に香水をつけていそうな人は見当たらない。 みずき(心の声):(すごい気になる……) みずきは料理を食べながらも、ずっとその香りの正体を探していた。 そしてひろしが席を立った瞬間。 香りが、動いた。 みずき(心の声):(えっ) みずきは思わず顔を上げた。 香りはひろしと一緒に、トイレの方向へと遠ざかっていく。 みずき(心の声):(えっ、待って) みずき(心の声):(後ろの変態から来てた香りだったの!?) みずきは自分の行動が信じられなかった。 第一印象は最悪だった。 大人のサイトを堂々と見ていたキモオタだ。 しかし体が動いていた。 みずき(心の声):(……匂いが、気になる) みずきは席を立ち、トイレへと向かった。 Scene 6|トイレにて ファミレスのトイレ。 男女共用の個室トイレにひろしが入ろうとしていた。 その瞬間、後ろからみずきが入ってきた。 ひろし:「──!?」 振り向くと、さっき後ろに座っていた清楚系の女性が立っている。 ひろし(心の声):(なんで女性がここに) ひろし(心の声):(いや、男女共用だから当然なんだが) みずきは一歩近づきひろしの首元に顔を寄せた。 みずき(匂いを嗅ぐ仕草):クンクン ひろし:「……え」 みずき:「……やっぱりこの人だ」 ひろし(心の声):(えっ匂い嗅いでる?) みずきはゆっくりと顔を上げひろしを見た。 みずき:「ねえ、何であんなサイト見てるの?」 ひろし:「え、あ……同人誌の新作の参考のために……」 みずき:「同人誌の新作?」 ひろし:「は、はい。成人向けの漫画を……コミケで売ってまして……」 みずき:「……それじゃ今日のことを書けばいいんじゃない」 ひろし:「え?」 みずきはひろしの目をまっすぐに見た。 みずき:「大人のサイトと同じようなことしてあげる」 みずきはそのまま、ひろしの唇に自分の唇を重ねた。 一度。 また一度。 それから何度も何度も。脳が震えてしまうほどに。 Scene 7|トイレから出る二人 数分後。 トイレの扉が開きみずきが先に出た。 何事もなかったような顔で自分の席へと戻っていく。 数秒後ひろしが出てきた。 顔が完全にスッキリしていた。 ひろし(心の声):(……スッキリした) ひろし(心の声):(予定と違う方向でスッキリしたが) ひろしは自分の席に戻りパソコンを開いた。 スリープが解除されさっきまで見ていた大人のサイトが表示される。 ひろしはそっとタブを閉じた。 ひろし(心の声):(もうこれは必要ない) 新しいドキュメントを開く。 タイトルを打ち込む。 『ファミレスで大人のサイトを見ていたら』 ひろしの指が勢いよく動き始めた。 ひろし(心の声):(ネタは……今日の実体験がある) ひろし(心の声):(これは売れる。絶対売れる) 窓の外の午後の光がパソコンの画面に反射していた。 ひろしはふと手を止め洗面台の脇に置いてきた小さな箱のことを思い出した。 ひろし(心の声):「今回、最高な作品を作るよ……」 ひろし(心の声):「ステラホワイト……お前のおかげだ」 ひろしは静かに笑い、また原稿の続きを書き始めた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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3月上旬。夜の9時。夜行バスの乗り場。 待合スペースには十数人の乗客が、思い思いの格好で出発を待っていた。 拓也はいつものように、リュックを足元に置いてスマホをいじっていた。 夜行バスの旅はもう何十回とやっている。 準備も段取りも完璧だ。 バスに乗り込み指定の座席、窓側の15番に腰を落ち着けた 出発5分前。 ほぼ全員が乗り込んだころバスのドアがもう一度開いた。 小さなボストンバッグを抱えた女の子が、ふわふわとした足取りで乗り込んでくる。 ゆるくウェーブした髪。 大きな瞳がきょろきょろと座席番号を探している。 そして拓也の隣16番席の前で止まった。 ゆい:「あ、ここだ……」 ゆいは荷物を棚に上げ座席に座った。 バスは静かに夜の街へと滑り出した。 Scene 2|サービスエリア① 出発から2時間ほどでバスは最初のサービスエリアに停車した。 拓也はトイレを済ませ缶コーヒーを一本買った。 夜行バスの旅のこれも定番だ。 隣のゆいはコンビニでホットのカフェオレを買い戻ってきた。 ゆい:「寒いですね~」 拓也:「3月はまだ油断できないですからね」 それだけの会話だった。 Scene 3|深夜1時 バスの車内はすっかり静まり返っていた。 頭上の小さな読書灯だけが、ぽつぽつと灯っている。 乗客のほとんどはブランケットに包まり眠っている。 拓也も目を閉じていた。 しかしなかなか眠れない。 拓也:(心の声)(……やっぱり夜行バスは寝付けないんだよな) これも毎回のことだ。 隣のゆいは、ブランケットをしっかりと膝まで掛け静かにしていた。 静寂。 エンジンの低い音。 タイヤが路面を踏む音。 それだけが続いていた。 その時だった。 ゆい:「……んっ」 拓也:(心の声)(……?) 拓也は目を閉じたまま耳だけを澄ませた。 ゆい:「……ぁ、っ……ぅ……」 声を殺している。 それでも確かに聞こえる。 拓也:(心の声)(ま、まさか……) 拓也:(心の声)(いや、待て。気のせいだろ。夜行バスだぞここは) 拓也:(心の声)(公共交通機関だぞ) ゆい:「……っ、ぁ……んっ……!」 拓也:(心の声)(気のせいじゃなかった) Scene 4|見てはいけない 拓也の中で天使と悪魔が戦い始めた。 天使:(見るな。寝たふりを続けろ。何も聞こえなかった) 悪魔:(見ろ。人生で二度とないぞこの機会) 天使:(公共の場だぞ) 悪魔:(だから面白いんだろうが) 5秒間の葛藤。 悪魔の圧勝だった。 拓也はそっと薄く目を開けた。 隣のゆいはブランケットを膝までしっかりかけ上半身はほぼ動いていない。 しかしブランケットの中に差し込まれた手がゆっくりと規則的に動いているのがわかった。 拓也:(心の声)(……本当にやってた) 目が離せなかった。 完全にガン見していた。 次の瞬間ゆいがふと横を向いた。 目が合った。 ゆい:「・・・・・」 ゆいの顔が見る見るうちに真っ赤になった。 拓也:(心の声)(しまった) ゆいは慌ててブランケットを整えそっぽを向いた。 そしてそのまま眠ったふりを始めた。 肩が微かに震えているのは寒いからではないだろう Scene 5|サービスエリア② 午前3時半。バスが二度目のサービスエリアに停車した。 拓也はバスを降り冷たい夜気を胸いっぱいに吸い込んだ。 後から降りてきたゆいが声をかけてきた ゆい:「あ、あの」 拓也は振り向いた。 ゆいが上目遣いで立っていた。 頬がまだうっすら赤い。 ゆい:「……さっき、見ちゃいましたよね?」 拓也:「……はい」 一瞬の沈黙。 ゆい:「ごめんなさい」 ゆい:「ちょっと……興奮してしまって」 拓也:「バスの中で興奮することあります?」 ゆい:「……あります」 拓也:「何に興奮したんですか?」 ゆいはもじもじと指先を合わせながら言った。 ゆい:「あなたから……すごく良い匂いがして」 拓也:「匂い!?」 ゆい:「はい。私、匂いにすごく敏感で……好みの匂いを嗅ぐとすぐ興奮しちゃうんです」 拓也:(心の声)(そんな体質があるのか) 拓也:(心の声)(というか、俺の匂いで……?) 実は男性はバスに乗る前にAmazonで購入したステラホワイトという練り香水を塗っていたのだ 拓也:「なんか……私のせいで申し訳ない」 ゆい:「いえ、私が勝手にしたことなので」 ゆい:「……本当にすみませんでした」 ゆいはぺこりと頭を下げ小走りでトイレへ向かった。 Scene 6|再出発 バスは再び走り始めた。 車内はまた静まり返っていく。 隣のゆいはブランケットを胸元まで引き上げ、窓の外を見ていた。 明らかに気まずそうだ。 拓也も前を向き目を閉じた。 お互い何も言わない。 30分ほどが経った。 サービスエリアで目を覚ました乗客たちがまた静かになってきた。 薄暗いバスの中。 エンジンの音だけが続いている。 その時。 ふわっ。 拓也の膝の上にブランケットが掛けられた。 拓也:(心の声)(……?) ゆいが自分のブランケットを拓也の膝に掛けてきたのだ。 拓也:(心の声)(寒いと思ってくれたのか。気が利くな) しかし次の瞬間。 ブランケットの下でゆいの手がそっと拓也の膝の上に置かれた。 拓也:(心の声)(……あれ) 手がゆっくりと内側へ動く。 拓也:「ちょ……何してるんですか!?」 声はできる限り小さかった。 ゆい:「今日のことは……誰にも言わないでくださいね」 それだけ言ってゆいの手はズボンの中へと滑り込んできた。 バスは高速道路を走り続ける。 窓の外には暗い山並みと遠くの街明かりだけが見えた。 乗客は誰も気づいていない。 数分後、拓也は小さくため息をついた。 ゆいの手で果てたのだ 拓也は静かにティッシュを取り出し使用済みのそれをビニール袋の中へ入れた。 ゆいはブランケットを整え、すっとそっぽを向いた。 そしてそのまま眠りについた。 Epilogue|夜明け 数時間後。バスはゆっくりと速度を落とした。 車内アナウンスが流れる。 『まもなく終点に到着いたします』 バスが停車し、ドアが開く。 拓也はリュックを背負い通路へ出た。 ゆいも荷物を持って後に続く。 バスを降りた瞬間3月の朝の空気が体を包んだ。 清々しかった。 拓也:(心の声)(……良い旅になりそうだ) 歩き出そうとした時、後ろからゆいの声がした。 ゆい:「あの」 拓也が振り向くとゆいはにっこりと笑った。 ゆい:「良い旅を」 拓也:「……ありがとう。あなたも」 ゆいはふわりと手を振り人混みの中へ消えていった。 拓也はしばらくその場に立ったままゆいが消えた方向を眺めていた。 やがてポケットからステラホワイトを取り出す。 拓也:「……お前すごいな」 リュックの内ポケットにしまい拓也は旅へと歩き出した。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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土曜日の朝。健一は着替えながら鏡を見た。 イケオジじゃない、ただのおじさんだ。 健一(心の声):(まあ……いつも通りの顔だな) 感想はそれだけだった。 平日は都内の中小企業でデスクワークをこなしている。 給料は可もなく不可もなく。いや、正直に言えば少し足りない。 だから週末は原付にまたがりフードデリバリーの配達員として走り回っている。 特別楽しいわけでも、特別つらいわけでもない。 ただ走る。届ける。また走る。 それが健一の週末だった。 Scene 2|いつもの午後 昼12時。健一は原付で都内を走り回っていた。 ラーメン、弁当、タピオカ、ピザ。 届ける中身は気にしない。 ただひたすら、住所と地図と戦い続ける。 健一(心の声):(エレベーターない5階は勘弁してほしいんだが) 健一(心の声):(しかも該当なしってなんだよ表札……) 午後2時を過ぎたころスマホの画面に新しい依頼が表示された。 【現金手渡し・配達先:コーポ・ベルメゾン305号室】 健一(心の声):(現金か。まあいい) 原付を走らせ10分ほどで目的のアパートに到着した。 築年数はそこそこ。外観は普通。 健一は商品の袋を手に持ち、305号室の前に立った。 インターホンを押す。 ピンポーン。 数秒後、ドアがほんの少しだけ開いた。 隙間から細い手が伸びてくる。 健一:「1,780円になります」 手が引っ込み今度はお金が差し出された。 健一はおつりを数えて隙間へと差し出した。 健一:「220円のお釣りです」 その瞬間。 がっしり。 健一の手が掴まれた。 健一:「んっ!?」 Scene 3|ドアが開く 健一は思わず固まった。 手が離れない。 ゆっくりとドアが開いていく。 そこに立っていたのは キャミソールにショートパンツ。 25歳前後と思われる女性。 そしてその目はなぜか、うっすらと潤んでいた。 健一:「ちょ……どうしたんですか?」 女性は答えなかった。 代わりに掴んだ健一の手を静かに自分の方へと引き寄せた。 そして手首に、顔を近づけた。 さな:「……さっき商品を受け取ったときに良い匂いがして」 深く吸い込む。 さな:「気になっちゃって」 また吸い込む。 さな:「……この匂い、好き」 健一(心の声):(え、なにこれ?何が起きてる?) 健一の頭の中では今、数十個の「?」が高速で回転していた。 Scene 4|招かれる さな:「この後、まだ配達ありますか?」 健一:「え……と、とりあえず今から休憩にしてまた夕方からやろうと思ってます」 さな:「そしたら時間ありますね」 さなはにこりと笑った。 さな:「よかったら中入ってください」 健一(心の声):(いや待て。冷静になれ俺) 健一が戸惑っている間に、さなは掴んでいた手を今度は強くグイッと引いた。 健一:「わっ──」 体が前に引き寄せられ、さなと密着した。 健一(心の声):(近い近い近い近い) さなはそのまま、健一の首元に顔を埋めた。 静かに、ゆっくりと、匂いを嗅ぐ。 数秒後、耳元で── さな:「……ダメですか?」 健一(心の声):(なんだこのエロすぎる展開は) 健一:「……ダメじゃ、ないです」 さな:「よかった」 Scene 5|リビング 305号室のドアが静かに閉まった。 部屋の中はちょうどいい温度だった。 テーブルの上にはさっき健一が届けたであろう料理の袋がまだ手つかずのまま置いてある。 健一(心の声):(あれ、食べなくていいのか) 二人はソファに隣同士で座った。 さなはすぐに、また健一の首元に顔を近づけてきた。 さな:「これなんの匂いなんですか?」 健一:「ステラホワイトという練り香水です。最近Amazonで買ったんですよ」 さな:「ステラホワイト……」 さなはその名前を、舌の上で転がすように繰り返した。 それからゆっくりと顔を上げ、上目遣いで健一を見た。 頬が、うっすら赤くなっている。 健一(心の声):(……なんだこの顔は。反則だろ) 次の瞬間、さなは健一の肩をそっと押した。 どさっ。 ソファに押し倒される健一。 健一:「あ、あの──」 さなが覆いかぶさってくる。 健一:「届けたご飯、食べなくて良いんですか?」 さな:「それは後回し」 さなは健一のズボンに手をかけながら静かに言った。 さな:「先に……おじさんの、食べたい」 健一(心の声):(おじさん言うな─とは今は言えなかった) Scene 6|時間は経ち テーブルの上の料理袋が空になっていた。 容器はきれいに食べ尽くされている。 時計の針だけが静かに進んでいた。 Scene 7|ごちそうさま さな:「……ごちそうさまでした」 さなはソファに深く沈み込みながら、満足そうに伸びをした。 さな:「美味しかったー」 健一(心の声):(……どっちの話だ) 健一:「それじゃあ……私はこれから、また配達に行ってきます」 さな:「頑張ってください」 さなはにっこりと笑った。 健一は玄関で靴を履きドアを開けた。 健一:「……失礼します」 さな:「またきてね」 ドアが静かに閉まった。 Epilogue|真実 アパートの外。原付のそばに立った健一はしばらく空を見上げていた。 健一:「……何が起きたんだ、俺の土曜日に」 呟いて手首を見る。 朝何となく塗った練り香水ステラホワイト。 健一:「お前のせいか」 責める気はなかった。 むしろ。 健一(心の声):(……もう一本、買っておくか) 健一はヘルメットをかぶり原付にまたがった。 夕方の街にエンジン音が響く。 その夜、健一はAmazonを開いた。 検索欄に「ステラホワイト」と打ち込みながら今日の午後のことをただ静かに思い返していた。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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日曜日の午後。都内のショッピングモール。 田中誠は今日、久しぶりに洋服を買いに来ていた。 広くはない店内に自分より十歳は若そうな客が数人いる。 特に気にした様子もなく誠はハンガーラックを眺め始めた。 店員:「こちら、お試しになりますか?」 誠:「あ、は、はい。じゃあ……これを」 誠が手に取ったのはシャツだった。 誠:「試着していいですか」 店員:「もちろんです。こちらへどうぞ」 誠は案内された6番ブースへ入りカーテンを閉めた。 試着用のシャツを手に取り袖を通す。 ボタンを上から順番に留めていく。 誠(心の声):(……悪くないか) 鏡の中の自分を眺める。 面長で顎がシャクレている。 シャツは悪くないが顔は変わらない。 誠(心の声):(まあ、シャツだけ良くてもな) 苦笑いとも取れない静かな表情で誠は鏡を見続けた。 Scene 3|隣に気配 その時、隣の7番ブースのカーテンがシャッと引かれる音がした。 7番ブースに入ったのは──村上あおい、26歳。 仕事帰りに立ち寄ったOLだ。 あおい(心の中):「疲れたー……。早くこれ試して帰ろ」 あおいはブラウスを手にかけた。 その瞬間。 あおい:「……?」 鼻先に、何かが触れた気がした。 あおい:「なに……この匂い」 甘く、柔らかく、それでいてどこか官能的な香りが隣からじわじわと漂ってくる。 あおい(心の中):「えっ……なに、これ……」 Scene 4|体に異変 あおいは試着を続けようとしたが手が止まった。 あおい:「……っ」 胸が、ドクンと跳ねた。 顔が、じわじわと熱くなる。 あおい(心の中):(なんで……なんでこんな……) 冷静になろうとした。 深呼吸した。 ──逆効果だった。 あおい:「……っ、はぁ」 息を吸うたびに匂いが体の中に広がっていく。 あおいは壁に手をついて自分の異常な反応に戸惑っていた。 あおい:(心の中)(落ち着け私。試着室だよここ。洋服屋の試着室) しかし体は正直だった。 あおい:「……隣、誰……?」 Scene 5|覗いてしまう あおいは自分でも信じられない行動をとっていた。 あおい(心の中):(ちょっとだけ……ちょっとだけ確認するだけ) 店員がいないことを確認した。 静かに数ミリだけカーテンを開ける。 隣の6番ブース。 カーテンの隙間から見えたのはシャツを試着中の中年男性。 面長で顎がシャクレている。 あおい(心の中):(……え) 客観的に見れば特別イケメンというわけではない。 その瞬間カーテンの隙間から匂いがドンと押し寄せてきた。 あおい:「────ッ」 頭の中が、真っ白になった。 あおい(心の中):(だめだ、我慢できない──) Scene 6|侵入 あおいは静かに6番ブースのカーテンを開けた。 誠は鏡を見ながら自分が元々着ていた服に着替えていた。 そこへ突然 誠:「──!?」 背後から何かが抱きついてきた。 誠:「え、え、えっ!?」 振り向くと見知らぬ女性が自分の背中に顔を埋めている。 あおい:「はぁ……っ、いい匂い……」 誠:「ちょ、ちょっと──!?どなた!?ここ、俺の試着室!?」 あおいは答えない。 首元に顔を近づけ、くんくんと匂いを嗅いでいる。 あおい:「ここ……ここから来てる……」 誠:(え、なに、これ、夢?俺、今寝てる?) 誠は恐る恐る手元のシャツを見た。 値札がついていた。 夢ではなかった。 その時、誠はふと気がついた。 誠(心の中):(……そういえば) 今朝、出かける前に塗ったもの。 先日Amazonで何となく買ってみたモテ練り香水ステラホワイト。 誠(心の中):(まさか……これが原因か?) 背後ではあおいがまだ首元に顔を埋めている。 誠(心の中):(……マジか) Scene 7|舐められる あおいは誠の首元に顔を埋めたまま静かに舌を出した。 誠:「っ──ちょ、え!?なに!?今舐めた!?」 あおい:「……美味しい」 誠:「美味しいって何が!?」 あおい:「……もっと」 誠:「もっとって!?」 誠のツッコミなど、もはやあおいの耳には届いていなかった。 あおいはゆっくりと顔を上げ誠と正面から向き合った。 誠(心の中):(……あれ、この子めちゃくちゃ可愛い) するとあおいが唇を重ねてきた。 誠:「──────」 誠の思考が完全にフリーズした。 誠:「ちょ……ちょっと待って……俺シャツ……返さないと……」 あおい:「しっ」 誠:「はい」 Scene 9|嵐の後 数分後。 あおいは乱れた髪を手早く直しカーテンの端からそっと外をうかがった。 あおい(心の中):(店員……いない。今だ) すっと隣の7番ブースへと滑り込みカーテンを静かに閉める。 外から見れば何事もなかったかのような試着室が並んでいるだけだ。 誠は鏡の前でぽかんとした顔をしていた 誠:(心の中)(……一体何が起きた!?) 誠は鏡に映る自分の顔を見て 誠:「……俺が原因とは到底思えないんだが」 帰宅後。誠はソファに座ったままずっと天井を見ていた。 時計の針が静かに時を刻んでいる。 誠:「………………」 頭の中で何度も再生される。 あの香りに引き寄せられるように近づいてきた横顔。 首元に顔を埋め、「いい匂い……」と呟いた声。 そして唇の感触。 テーブルの上には家を出る前に塗ったステラホワイトが置かれていた 誠はステラホワイトを見つめながら心の中で(ありがとう)と呟いた #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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夜の21時。 村田 勝(45歳)はいつものようにタクシーに乗り込んだ。 小太りで見た目は普通のおじさん。 華やかさとは無縁の顔。 それでも個人タクシーのハンドルを握る時間は、村田にとって唯一の居場所だった。 (さて、今夜も稼ぐか) 最初の客は40代のサラリーマン2人組。 村田:「どちらまで?」 客A:「渋谷まで頼むよ」 無言で走って、無言で降りていった。 次は50代の男性一人。 酔っているのか、乗ってすぐ寝て、着いたら起こすのに3分かかった。 その次は30代の男性グループ3人。 騒がしかったが、チップを置いていってくれた。 (まあまあの滑り出しだな) 気づけば深夜1時を回っていた。 新宿の繁華街を走っていた村田のタクシーに、フラフラした女性が手を挙げた。 ドアが開くと——お酒の匂いがふわりと入ってきた。 キャバクラで働いてそうな女性が、どすんとシートに倒れ込む。 村田:「お客さん、大丈夫ですか?」 みく:「ぜんっぜん大丈夫じゃないです~。今日お客さんめっちゃうざくて疲れたぁ」 村田:「はあ…行き先は?」 みく:「代々木です。」 走り出して5分。 バックミラー越しに見えるみくは、シートに横になりながら喋り続けている。 みく:「ねえ運転手さんって結婚してるんですか?」 村田:「してません」 みく:「え、なんで?」 村田:「なんでって言われても」 みく:「彼女は?」 村田:「いません」 みく:「なんで?」 村田:「…なんでって言われても」 みく:「ウケる」 村田は苦笑いしながらハンドルを握った。 (毎度のことだが、酔っ払いは手強い) 【シーン3:異変が起きる】 しばらく沈黙が続いたかと思ったら—— みく:「てか車に乗った時から思ってたんだけど」 みく:「車内めっちゃ良い匂いしません?」 村田:「…匂いですか」 みく:「なんか甘くてふわっとした匂い。芳香剤とかじゃないですよね?」 村田:「香水の匂いですよ」 みく:「えっ香水?」 次の瞬間—— シートから身を乗り出したみくが助手席との隙間から村田の首元に顔を近づけてきた。 村田:「ちょ、お客さん危ない!!」 みく:「…」 村田:「お客さん?」 みく:「…やばい」 村田:「え?」 みく:「すごいいい匂い。なんですかこれ」 村田:「ですからちょっと離れてもらわないと事故——」 みく:「なんていう香水ですか?」 村田:「……ステラホワイトという練り香水です」 みく:「ステラ…ホワイト」 村田:「Amazonで買ったのが今日届いたので試しに付けてみました」 みく:「今日届いて今日付けてきたんですか」 村田:「はあ、まあ」 みく:「運命じゃないですか」 村田:「運命って何がですか」 みく:「私が乗ったの」 45年生きてきてこんな展開は初めてだった。 【シーン4:到着、そして】 代々木のマンション前に到着した。 村田:「はい、着きましたよ。お客さん」 料金メーターを止めて振り返ると—— みくはまだ目を細めたまま、こちらをじっと見ていた。 村田:「お客さん?着きましたよ?」 みく:「わかってます」 でも降りない。 村田:「あの…」 次の瞬間—— 後部座席から体を乗り出したみくが、村田の首元に両腕を回してきた。 村田:「ちょっ、お、お客さん!?」 みく:「もう一回だけ」 村田:「もう一回って何が——」 みく:「…はぁ」 首元に顔を埋めて、深く息を吸うみく。 村田:「お、お客さん!?運転中じゃないけど危ない!!」 みく:「止まってるから大丈夫です」 村田:「いや大丈夫じゃないです!!」 みくがゆっくり顔を上げた。 目が潤んでいる。 頬が赤い。 お酒のせいだけじゃない顔だった。 そして—— 村田の唇に熱いキスをした。 村田:「……」 みく:「ありがとうございました」 にっこり笑って降りていった。 マンションに消えていくみくの後ろ姿を、村田はしばらく眺めていた。 45年間、タクシーの中でキスされたことなんて一度もなかった。 頬にまだ熱が残っている。 (一体何が起きたんだ?) ハンドルを握ったまま、しばらく動けなかった。 気づけば5分が経っていた。 我に返ってメーターをリセットしようとしたら 助手席に小さなメモが置いてあった。 走り書きの文字で電話番号と一言。 「また乗りたいです。——みく」 村田は天井を見上げた。 45年間こんな夜が来るとは思ってもいなかった。 原因なんて一つしか思い当たらない。 (Amazonでポチったステラホワイト…) (まさかこんなことになるとは) 村田は苦笑いしながらそっとメモをポケットにしまった。 そして静かにタクシーを走らせた。 深夜の新宿がいつもより少しだけ明るく見えた #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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40代の上司が会社で美人社員からモテまくる衝撃の理由・・・ ここは都内のとある中堅企業。昼休憩の終わり、エレベーターホールにて。 営業部の坂本 隆(43歳)が、女性社員3人に囲まれてランチから戻ってきた。 向かいから歩いてきた部下の中井 翔(29歳)、その光景を見て思わず足を止める。 中井「また3人…」 3人のうちの1人、企画部の佐々木 あかり(25歳)が坂本の腕にそっと触れながら言う。 あかり「坂本さん、来週の金曜日も予定空いてますか?」 坂本「あー、今のところ大丈夫だよ」 あかり「やったー!じゃあ決まりですね♪」 残りの2人の女性社員も笑顔で手を振りながら自分のフロアへ戻っていく。 坂本は涼しい顔で中井の隣に並んで歩き始める。 中井「坂本さん」 坂本「ん?」 中井「ほんといつも羨ましいっすよ。さっきの佐々木さんって社内で一番かわいいって言われてる人じゃないですか」 坂本「そうか?」 中井「『そうか?』じゃないですよ!!なんで40代のおじさんが——あ、すみません」 坂本「(笑)言い直さなくていいよ。おじさんで合ってるから」 2人は誰もいない給湯室へ。中井が意を決して口を開く。 中井「モテるための秘密ってあるんですか?」 坂本はコーヒーをゆっくり一口飲んでから中井をじっと見る。 坂本「中井にだけ、特別に教えるわ」 中井「マジっすか!?」 坂本「他の人には秘密な」 中井「わかりました!!」 坂本が鞄を開きゆっくり探り始める。 中井(心の声):「もしかして…名言系のメモ帳? それとも高級腕時計のカタログ?」 坂本が取り出したのは小さな容器だった。 坂本「実はね、これ使い始めてから女性たちの反応が変わったんだよね」 中井「え、なんですかこれ!?」 坂本「ステラホワイトっていう練り香水。試しに塗ってみな」 中井「練り香水…」 言われるがままに手首に少し塗ってみる。 中井「うわぁ〜すごく良い匂いですね、これ」 坂本「だろ」 中井「なんか、上品な感じというか。こんな匂いする人が近くに来たら確かに振り返りますわ」 坂本「だろ」 ステラホワイトはバーム状の練り香水。 スプレーのように飛び散らず肌に直接なじませることで香りがゆっくりと広がるのが特徴だ。 坂本「香りはね、ムスクをベースに、ホワイトリリーとイランイランがブレンドされてる」 中井「ムスク。なんか聞いたことあります。清潔感のある香りですよね?」 坂本「そう。嫌みがない、でも確かに漂う感じ。それが大事なんだよ」 中井「確かにさっき塗ったのに、もうじんわりと香ってきてる気がします」 体温で溶けるように肌になじむ練り香水は、つけた直後より少し時間が経ったほうが本来の香りが引き立ってくる。 坂本はそれをよく知っていた。 坂本「スプレーの香水と違って主張しすぎないから、密着したときに初めて気づいてもらえる。それがいいんだよ」 中井「密着したとき…」 坂本「電車でたまたま近くなったとき、資料を一緒に見てるとき。そういう自然な距離のときにふっと香る」 中井「それ、完全に反則じゃないですか」 坂本「だろ」 コンパクトで携帯しやすいのでランチ後や会議前にさっと塗り直せるのも坂本が気に入っている理由のひとつだった。 中井「でも坂本さん、これずっと使ってたんですか?」 坂本「2ヶ月ぐらいかな。最初に佐々木さんから『なんかいい匂いしますね』って言われたのが始まりで」 中井「佐々木さんから!!それで距離が縮まったんですか」 坂本「まあな」 中井「ステラホワイト、僕も買います」 坂本「そう言うと思ったAmazon限定だよ」 昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。 中井は手首の香りをもう一度確かめてから小さくガッツポーズをした。 #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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地下アイドルにガチ恋した男性ファンが撮影会で・・・ #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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都内の小洒落たカフェ。坂本は会社帰りにふらりと立ち寄った。 坂本:「ラテを一つ」 レジに立っていた店員が顔を上げた瞬間、坂本の時間が止まった。 坂本:(心の声)・・・・・・なんだ、この子 ショートボブに、くるっとした目。 坂本:「あ、えっと・・・ラテを、一つ・・・」 ひな:「(ニコッと)Mサイズでよろしいですか?」 坂本:「・・・M。はい、M。Mでお願いします」 ひな:「かしこまりました~」 坂本は席に着いてラテを一口飲んだ。 坂本:(心の声)40歳にもなって・・・なんだこれは・・・心臓がうるさい シーン2「常連になった男」 それから坂本は週に三回、このカフェに来るようになった。 同僚の村田に昼食中に言われる。 村田:「最近カフェ通いが趣味になったんすか?」 坂本:「・・・うん、まあ」 村田:「健康意識高まりました?」 坂本:「・・・そういうこと」 村田:「なんか顔がニヤけてません?」 坂本:「ニヤけてない」 そのカフェでの数分間が、今や坂本の一週間のハイライトだった。 ひな:「今日も同じものですか?」 坂本:「あ、はい。あと・・・今日のおすすめって何ですか?」 ひな:「(少し嬉しそうに)期間限定の桜ラテが人気ですよ!甘めですけど」 坂本:「じゃあそれも」 坂本:(心の声)甘いもの苦手だけど関係ない シーン3「玉砕」 四月のある夕方。閉店間際、客が少ない時間を狙った。 坂本:「あの・・・」 ひな:「はい?」 坂本:「よかったら、連絡先を教えてもらえないかなと・・・」 レジ越しに沈黙が一秒流れた。 ひな:「嬉しいですけど・・・私、彼氏いるのでごめんなさい」 坂本:「・・・そうですか。すみません、失礼しました」 ひな:(心の声)いや、普通に連絡先交換とか無理。おじさんだし 坂本は会計を済ませ、店を出た。 夜風が妙に冷たく感じた。 シーン4「お店に来なくなった」 翌週から、坂本はカフェに来なくなった。 一週間後。 ひな:「(ふと思いながら)あのお客さん、最近来ないな」 同僚の店員が横から口を挟む。 同僚:「あー、あのスーツの人?常連の」 ひな:「うん」 同僚:「ひなちゃんに連絡先断られたって噂、聞いたよ」 ひな:「え!?なんで知ってんの!?」 同僚:「カウンター越しに丸聞こえだったんだけど」 ひな:「(真っ赤になりながら)もう!!」 シーン5「待ち伏せ」 その頃、坂本はカフェの前にいた。 バイト終わりの時間帯を調べ上げ、店の向かいの電柱の陰に立っている。 坂本:(心の声)俺は何をやってるんだ・・・40歳にもなって・・・ しかし足は動かなかった。 しばらくして、ひなが店から出てきた。 坂本:(心の声)よし、ついていくぞ。絶対バレないように 坂本はひなの後ろを、距離を保ちながら歩き始めた。 坂本:(心の声)これは・・・ストーカーでは? いや、少し歩くだけだ。何もしない。ただ歩くだけ 自問自答しながらも足は止まらなかった。 シーン6「衝撃の電話」 ひなのスマホが鳴った。 ひな:「もしもし」 麻衣:「今週の土曜日、ひま?」 ひな:「バイト休みだから暇だよ」 麻衣:「合コンあるんだけど行かない?」 ひな:「合コン!?えー・・・行こうかな。いい男見つかるといいな」 電柱の陰から聞こえていた坂本の足がぴたりと止まった。 坂本:(心の声)合コン・・・? 坂本:(心の声)彼氏いるんじゃないの? 坂本:(心の声)まさか・・・・・・嘘? 坂本の胸の中で、消えかけていた炎が、じわりと灯った。 坂本:(心の声)まだ・・・チャンスがある? シーン7「作戦会議(一人で)」 翌日、坂本は会社のデスクで一人頭を抱えていた。 村田:「どうしたんすか?仕事してないですよ」 坂本:「村田、聞いてくれ」 村田:「はい?」 坂本:「好きな女の子に連絡先を断られた」 村田:「あー・・・カフェの子ですか?」 坂本:「なんでわかった?」 村田:「顔に書いてあります」 坂本:「彼氏いるって言われたんだが・・・合コンに行くって電話してるの聞こえた」 村田:「・・・聞こえたって、どういう状況ですか?」 坂本:「・・・それは、まあ」 村田:「先輩、それ尾行してますよね?」 坂本:「・・・散歩してたら偶然」 村田:「嘘つくの下手すぎますよ先輩」 シーン8「再びカフェへ」 村田の言葉が坂本の背中を押した。 村田:「先輩、もう一回店行ってみてください。諦めるの早すぎです。40歳なんだから、せめて40回は挑戦してから諦めましょう」 坂本:「40回は多い」 そして坂本は久しぶりにカフェの扉を開けた。 レジに立っていたひなが顔を上げた。 ひな:「・・・あ」 坂本:「久しぶりです。ラテを一つ」 ひな:「(少し慌てながら)は、はい。Mサイズでよろしいですか?」 坂本:「はい」 ひな:(心の声)久しぶりに来た気まずいな。来なくなったから、もう来ないのかと思ってた シーン9「匂い」 坂本が窓際の席に座ってスマホを見ていると、足音が近づいてきた。 ひな:「お待たせしました、ラテです」 坂本:「あ、ありがとうございます」 ひながテーブルにラテを置くために身をかがめた。 その瞬間、坂本との距離が一気に縮まった。 ひな:(心の声)・・・・・・っ!? 何かが鼻を通り抜けた。 ひな:(心の声)なに・・・この匂い・・・ 思わずその場に立ち尽くしてしまった。 坂本:「・・・あの?」 ひな:「(ハッと我に返って)す、すみません! 他にご注文はございますか?」 坂本:「いえ、大丈夫です」 ひな:「か、かしこまりました!」 カウンターに戻りながら、ひなの胸がまだどきどきしていた。 ひな:(心の声)なんか・・・頭がくらっとした・・・なに今の・・・ シーン10「気になって仕方ない」 坂本が席に着いて仕事のメールを確認している。 ひなはカウンターの中から、何度もちらちらと視線を向けていた。 同僚:「ひなちゃん、さっきから何回あのお客さん見てる?」 ひな:「(ぎくっ)べ、別に」 同僚:「見てるじゃん絶対」 ひな:「・・・なんか、匂いが気になって」 同僚:「匂い?」 ひな:「なんか、いい匂いがするんだよね。なんの香水かな」 同僚:「(にやにやしながら)それ、気になってるってことじゃん」 ひな:「違う! 職業柄、香りに敏感なだけ!」 同僚:「カフェのバイトでそんな職業柄ある?」 ひな:「・・・うるさい」 シーン11「帰り際」 坂本が席を立ち、店を出ようとしたとき。 ひな:「・・・あの」 坂本が振り返った。 ひな:「今日付けてる香水、なんていうやつですか?」 坂本:「・・・え?」 ひな:「(少し赤くなりながら)す、すごくいい匂いで・・・」 坂本:「これは・・・ステラホワイトっていう練り香水です」 ひな:「練り香水・・・」 坂本:「はい。Amazonで買ったやつで。いつもは香水とか何も付けないんですけ今日初めて付けてみました」 ひな:(心の声)Amazonで・・・買えるんだ・・・ しばらく二人の間に沈黙が流れた。 ひな:「・・・あの」 坂本:「はい」 ひな:「前に連絡先断ったの・・・実は彼氏いなくて」 坂本:「・・・え?」 ひな:「(もじもじしながら)ちょっと急だったし、びっくりして・・・その、嘘ついちゃいました」 ひな:「もし・・・まだよかったら」 ひな:「(小さな声で)今度、ご飯でも・・・」 坂本:「あっ・・・!ぜひ行きましょう」 坂本はまさかの展開に心の中で死ぬほど喜んだ 坂本:(心の声)ステラホワイト・・・お前は最高の買い物だった 坂本はカフェを出ると一人小さくガッツポーズをした。 40歳の春、Amazonの練り香水が、一つの恋を動かした #漫画 #マンガ #モテおじ #モテるおじさん #pr

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